1-3月は誰でも勝ちやすい地合いでした。日経平均はバブル高値を35年ぶりに更新して盛り上がりました。たった3か月で更新すると想像できた人はほとんどいないでしょう。1月の動意開始を見て当塾は今年、バブル高値を更新する見立てを塾内に伝えましたが、イメージしていたのは6月頃でした。

 

 あっさり3月半ばに更新したので拍子抜けしました。その後は4月初旬まで売り買い交錯。3月末に4万円を割って下押ししたので天井を打ったのではと思いました。しかし4月に入ると再び4万円台に乗せたのでどこまでこの買い相場が続くのかと思いましたが当面の利益を確定させたほうがいいだろうと私自身はいったんポジション解消しました(現物だけを残して)。

 

 その後はアップダウンが繰り返されています。非常に難しくなりました。空売りも多用しております。ロングショート戦略で対応しております。空売りに関してはだいたい当たっています。あとは枠をどうとらえるかが課題ではあります。買いのほうがこれまで力強かった銘柄が変調をきたしています。再び1-3月のような力強い日経平均が復活すればいいのですが、率直に言わせていただくと、そんなに簡単ではないです。

 

 市場ボリュームが減ってきていることが問題です。動意が始まった1月は1日のプライム市場の売買金額が6兆円を超えたりしていました。通常の2倍以上です。大量の投資マネーが東京市場に入ってきていたのです。そして長期の持ち合い圏上限を超えていきました。そのエネルギーが1989年バブル高値を35年ぶり更新まで到達させたのです。ところが最近の売買金額は3兆円台。普通のレベルまで落ちています。

 

 米国のほうはFRB高官が利下げする、しないと適度の口先介入で高値更新まで再びリスクオンが続いた状態ですが、これがどこまで続くかはわからないのです。早ければ9月FOMCで利下げの見方がありますが、恐らくないでしょう。年内利下げもない可能性のほうが高い見方をしています。過去の政策金利の推移をみると、そんなに早く利下げに踏み切った例はありません。

 

 最後に肝心の東京市場ですが円安は続きそうですが、そのことが株高の追い風にどこまでなるか。そのへんがカギを握ります。円安は外資に魅力ですから。日銀植田総裁が金融政策をどう舵取りするかー。緩やかな金融正常化を目指しているようですが。