■相場展望■

☆今年もいよいよ残り1週間になりました。来週週末が大納会です。

☆来週に今年を振り返るとして、さて今後の動きに関してですが、現在、強弱感は全く五分五分の対立で上下どっちに向かうかわかりづらい状況と個人投資家の多くが感じていると思いますが、私どもザラ場を通してみている者からしても上と思えば下、下と思えば上と予測が難しい相場が続いています。

☆正直なところ、日銀金融政策決定会合が通過し水曜に大きく上へ放れ、一時、33800円台に到達したときは、上へ今後放れていくと見ました。押し返されて33600円台で引けても週足判断で34000円ラインに接近しているのでこの水準を今後上へ抜けていく雰囲気を感じました。それぐらい水曜は相場に勢いもありました。

☆ところが翌日、木曜になると全くの真逆の動き。あっさり寄り付きから33500円ラインを割ってギャップダウンで寄り付き、33200円台で推移。一時、前日高値と千円近くも差がありました。とんでもないアップダウンの差です。いったいどっちに向かうのか、正直、うんざりな気分になりました。

☆原因に関しては繰り返し説明してきました。今月米国FOMCで12月利上げなし、そして来年最低3回の利下げが討議されたことがわかり、いっぽう日銀金融政策決定会合では従来の金融緩和とゼロ金利政策の継続でした。そのため日米金利差が今後縮小する思惑からドル安円高が進行しました。FOMC後はその影響で先週日経平均は下落が続いたのでした。

☆今週月曜から火曜の日銀金融政策決定会合で金融緩和とゼロ金利政策の継続が決まりました。利上げを決めなかった分、日米金利差は縮小しないので良いほうのサプライズではあったのでしょうが火曜のお昼時間に金融緩和継続の内容が伝わり、後場ギャップアップから始まり、先述した通り、一時、33800円ラインにタッチするほどの大幅高だったのです。公的資金が入ったと思いました。円高が続いていたので日銀金融緩和継続の決定と並行して日経平均先物を「お化粧買い」したのではと思っています。例年12月は大納会に向けてのお化粧買いは有名です。年足が決まり大事な月ですから。可能性は高いでしょう。

☆というわけで中身はまず為替で日米金融当局の金融政策の違いから日米金利差が今後どうしても縮小に向かいそうなので日経平均に関しては下押し圧力が生じそうなところ。ところが簡単にそうならないのは公的資金が介入するからと考えていくべきでしょう。そのへん今後対応は非常に難しいです。結果として現在のような上げると思えば下げ、下げると思えば上げる、きついアップダウン相場になっています。

☆こういう状況に対応していくには一極にこだわらない多極的な対応、あるいは複眼的対応を当面せざるを得ないでしょう。簡単に言えば、買いだけではなく売りも絡めていくこと。あるいは買いだけでいくならば、対極の動きをする銘柄をセット買いしておくことが大事になります。たとえば円安メリット、円高メリットの両方をメニューに入れておくことは必須になります。内需セクター(小売り、運輸など)と外需セクター(輸送機器、電気機器など)の組み合わせ。また資源セクターや最近強い海運など多角的なPFにしていく必要があります。買いだけで対応していく場合です。

☆ひとつの籠に卵を盛るなとは昔から言われている相場格言で現代にも当然当てはまるのです。幸い、全面安の日は今月も1~2日程度でしたしどれもこれも大幅安のような暴落の日はありませんでした。つまりいろんな組み合わせをしておけば、どっちに転んでも、「しのげる」という事です。買いと空売りの両建てで直近私は4日資産増加ができていますし、バランスこそ大事だと思います。来週は有終の美を飾りましょう。

(12月第4週号「山の中の超相場観」、「相場展望」より)