上の10年チャートは6506安川電気です。昨年7月に長期持合い圏の高値2500円ラインを越えて動意が始まり、今年1月、6120円まで買われました。

 しかしそこがピークで、以降、一貫して、下げ続けています。

 業績は好調。世界的な第4次産業革命が進行する中、同社のロボット技術が工場の自動化需要旺盛で伸長。7月12日大引け後に発表された決算では19年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常利益は167億円となり、3-8月期(上期)計画の338億円に対する進捗率は5年平均の45.6%を上回る49.6%に達したことがわかりました。前期の1Q,1株利益が36.8円。今期1Qの1株利益が59.4円ですから、高い成長率を保っているといえます。

 ですが、株価は翌日、13日、高く始まったものの利益確定売りに押されて大陰線を形成。以降はがたがたと下げ続けています。

PERは現在、16.1倍。決して高いわけではありません。しかし今日も下落は止まらず前場引け時点で前日比3.16%安の3060円。

 これで今年1月高値から半値押しで、どこで底を打つかが注目されます。

 

 当塾の今年の歩みとしては今年1月は、買い意欲満々でした。昨年85%以上の気になる株価から昨年終値が含み益方向でしたので。5つに4つ以上が意図したとおりに上げたわけですから、全くの買い目線で臨んだのも無理はありません。

 しかし2月2日にNY発で大暴落の激震が入り、以降は東京株式市場も軟調な動きが続き、これはおかしいぞとポジションを見直しました。アベノミクス以降、買い目線を続けた当塾も、久々に売り目線を回復し3月に入ってから準備し4月から空売り専用メールマガジン「塾長の天気になる銘柄」を発行しました。

 日経平均のほうは3月の彼岸底の見立てをたてており、そこでいったんリバウンドが始まった関係から4月から「天気になる銘柄」を週に1回、2銘柄、情報を送り、最初の2週間は踏み上げにあいましたが、以降は好調、今期業績悪見通しのがちがちに堅い下降トレンド銘柄の戻り高値銘柄を中心に情報を送りました。

 ところが6月末頃から、下降トレンド銘柄が底堅くなりました。それで、すでに下げ続けた銘柄ではなく、まだ天井圏にいて、これから下げる銘柄に着目しました。

 昨年豊富なリスクマネーが流入し買われすぎた銘柄の反動が起きているのではないかと仮説を立て、おそらく好業績を発表しても「織り込み済み」で利益確定売りに押されるのではないかと予想したのでした。

 7月末から8月にかけて業績発表が続きましたが、この仮説が当たり、化粧品セクターなど昨年大変強かった銘柄が本格下落を始めています(たとえば、4927ポーラ・オルビスなど)。昨年、アジアを中心とした外国人旅行者による日本製品の購買人気、インバウンド消費銘柄として、にぎわいました。

 

ポーラ・オルビスHD

 

 この傾向が早く出たのがFA関連で、冒頭ご紹介した安川電気や、それ以外にファナックなども富士山のような山型の値動きが続いています。

 FAや半導体から始まりインバウンド関連と続いていますが、次に飛び火しそうですので、買う際は木を見てではなく山を見て買うように、ご注意ください。