TV朝日「サンデープロジェクト」は対談形式でも竹中擁護派(たとえば財部誠一とか)のゲストコメンテーターの援護射撃があり実質多勢に無勢なのですが、こちらウェークアップでは、それぞれ五分五分に論陣を分けてあり、フィリップなどきちんとまとめ、海外の民営化例も論議の叩き台にしてありますから、サンプロより客観的なつくりになっていると言えるでしょう。
 どっちの言い分が筋が通っているか詭弁を弄してないか。視聴者に判断はおまかせという狙いのように見え(本来そうであるべきなのです。報道の原則は中立性ですから)、少なくともサンプロよりは良心的、国民の目線を重視した作りになっています。





 世界的に郵便局の民営化がうまくいっていないのに日本が始める必要はないと思います。敢えて進めるのは米国が要請するからで日本側では与党内でも反対派が多かったのを小泉+竹中コンビが強引にすすめました。マスコミ、財界を巻き込んで解散総選挙に突入し国民を騙して成立させました。しかも、それに加えて「民営化により豊富に持つ資金を日本郵政は海外に投資せよ」と竹中氏は言っているわけです(これが米国の最終的な狙いです)。ドイツはそれをやって失敗しているのにです(番組の中で指摘してあるのに、なおそれでも、ドイツで失敗した問題点を見つけて克服すればいいじゃないか、民営化をさらに強力に進めるべきだと彼は強弁するのです)。
 構造改革は誰のための構造改革だと思いますか。前回の総選挙で声高に小泉元総理が、「殺されてもいい」、「自民党をぶっつぶしてでも」、と国民に訴えたから、当然それは、国民のためだと思ったわけです。ところがそうではなかった。実はアメリカ人のためだったなんて! 絶句ですよね。でもそれが真実なんです。郵政民営化の絵を描いたのは日本人じゃなく米国が提出した年次改革要望書に基づいてなのです。
 アメリカが提示するその近未来図により、日本の市場改革(構造改革)が着々と進められており、郵政民営化はその本丸です。
 ただそれが米国には利益であっても当の日本経済や社会にとってよかったかといえば全く逆で、現実は見てのとおり。日本は疲弊するばかりです。
 会社法を変え外資が日本の資本に食い込みやすくしたり(日本企業の海外資本による買収や虫食い状態)、大規模小売店舗法の規制を緩和させたり(地方都市中心部アーケード商店街が壊滅し、ロードサイドの大規模店舗が増加)、労働派遣法を緩め派遣労働者が増加したり(終身雇用の壊滅)、結果、中流社会から格差社会が急速に進むなど、枚挙にいとまがありません。
 構造改革を進める民間選出メンバーに人材派遣の会社ザ・アールの奥谷禮子という女性がいました。彼女(ぎりぎり50代になっているけれども、どう見ても60代に見えるオバサン)は、かんぽの宿で問題になったオリックスの宮内義彦会長が当時座長を務めた総合規制改革会議の委員で、彼女の「過労死は自己管理の問題」発言はあまりにも有名です。先日日本郵政の第1回の株主総会が行われたとTV報道があったのですが株主の数が10名程度と異常に少ない。司会が民営化第1回の株主総会だから人数が少なく異様な光景ですと解説を加え、その中で1人か2人、女性が混じっている。よく見ると、例の奥谷禮子で、なるほどという感じでした。規制改革会議に尽力、お疲れさん、その功労に報いる、ということなんでしょう。これこそ規制改革利権といってさしつかえないですね。裏でつながっている連中が構造改革の利権をしゃぶって、おいしい思いをしているということです。いくらで譲ってもらったか知りませんが上場したときは買値の100倍はくだらないでしょう。
 国のどさくさにまぎれこんで焼け太りするグループというのは、いつの時代にもいるもんです。
 
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