アートマンは、何処にもゆきません。

 

「身体は死すべきものであり、常に死によって捕まえられている。しかしその中に、不死なるアートマンが潜んでいる。このアートマンは、われわれの意識において身体と結び付けれている時は、快楽や苦痛に影響される。この結びつきが続く限り、誰も快楽と苦痛から解放されること出来ない。しかしこの結びつきが途絶えた時、快楽と苦痛もまた途絶える。

 

肉体的な意識をはるかに超え、アートマンを感覚器官や思考器官とは全く異なるものであると知り、—— すなわち、それをその真実の見方において知り —— 人は歓喜し、解脱を得る」

(『ウパニシャッド』日本ヴェーダーンタ協会、2009年:チァンドーギア・ウパニシャッド、160頁より)

 

アートマンは、あなたの意識の本質です。意識の本質は、生命の源です。生命は、不滅で、ただ形態を変えるのみです。

 

すなわち、あなたの意識は、永遠にあなたのままあり続けるということ。

 

ですから、誰かを排除するといった、そのような事をしても、何も根本的な解決にはならないということ。

 

イスラミック・ステート(IS)は、国家としての形態はなくなりましたが、いまやヨーロッパにその残党およそ800人も潜伏していて、しかもその一部は、正式に難民として受け入れられてしまっているといいます。

 

ロシアで、彼等の大掛かりなテロ事件が起きています。彼等の意識の基盤は、憎しみ、欲望や、プライドです。

 

それらの意識を自分たち自身の責任で、克服しない限り、イスラム原理主義の思想が誤ったものであることに、彼等は永遠に気づくことはないでしょう。

 

ホーキンズ博士は『パワーか、フォースか』で、「人類は結果の修正のみに目がゆき、原因を修正しようとしない為、膨大なコストがかかってしまっています」と述べているのですが、このISの問題は意識にその原因があります。

 

イスラム原理主義の極端な思想は、コーランの誤りによります。

 

その誤りが、仮に修正され、間違いであったとイスラムのトップが宣言しても、憎しみ、欲望や、プライドに埋没している人々に対し、何の説得力もないと言わざるを得ません。

 

 

悲惨なテロ事件の根幹にあるものは、意識レベルの低さを克服出来ないことによります。

 

彼等の周囲にいる人々が、「人類の使命は共栄共存である」と説いたところで、憎しみ、欲望や、プライドに埋没している彼等は、全く受け入れ不可能ということに、人類は気づかねばなりません。

 

何故なら、人は強い憎しみを持つと、嗅脳が脳で優勢になります。嗅脳とは、爬虫類レベルの脳と同じレベルで思考し、行動する脳です・・・。

 

特徴として、そのレベルの方は、内向的で、スピリチュアルの真実は、自分を脅かすものととらえると博士は述べていました。エゴは、自分と向き合うことを嫌います・・・。

 

幼い頃から私は、「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」を直観的に理解していたため、それを逸脱するような方々の発言や行動に対して、いつも忠告をするのですね。

 

特にエリートと呼ばれている層は、結局、最後の最後まで多くの場合、私の意図を理解出来ないようです。今でも私には、そのような方々とこころが通じ合えなかったことに、本当に寂しい思いがあります。

 

高い学歴、専門的職業、社会的地位の高さや、財産があると、何か勘違いをしがちなのを、肯定的にとらえるのは、やはり難しいですね。

 

利己的な人類の80%の方々の『自然神』と『自然法』の理解なくして、本当に平和で、自由と平等を実現する社会は実現できないということ。

 

それは、今回のイギリスとフランスの選挙の結果にも表れていています。何故なら、国政選挙が、まさに人気投票と同じになっているという現実を、人類は理解せねばなりません。多数決は民主制を実現するツールではないことを、人類はもっと理解を深めねばなりません。

 

何故なら、多数決で物事を決めるというのは、少数切り捨ての絶対多数の幸福を支えるシステムです。その起源は、ベンサムの功利主義の哲学にあり、まさに計測値170という虚偽の思想に基づくものだからです。

 

当然、80%が利己的な思考回路を持つの人類の現状からみて、多数決が正当化されれば、民主制は崩壊するのは必然です。