アートマンは、真実を知っています。
「(祈願)静寂が、私の四肢に、言葉に、気息に、眼に、耳に下りてきますように。
私のすべての感覚が、明瞭で力強くなりますように。
ブラフマンが、自身を私に見せてくださいますように。
私が決してブラフマンを否定せず、またブラフマンが私を否定しませんように。
私はブラフマンと共にあり、ブラフマンは私と共にある―—
私達がつねに共にありますように。
ウパニシャッドの聖なる真理が、
ブラフマンに深く帰依する私に啓示されますように。
オーム シャーンティ・シャーンティ・シャーンティ。」
(『ウパニシャッド』日本ヴェーダーンタ協会、2009年:チァンドーギア・ウパニシャッド、128頁より)
ひとつのものは、他のすべてのものとつながっていてひとつで同じもの。
しかし、そのことに気づくために、あなたは愛のレベルに達していなければ主観的に体験出来ません。
しかし、そこまでゆかずとも、エゴ(小文字で始まるself/小さな自己/自我)を超越出来ます。
もしもあなたがエゴを超越するならば、その時あなたは自己中心的で、私利私欲的で、利己的である自分を超えたことになります。
すると、あなたはアートマンとつながり、あらゆる物事は奇跡のように、うまく運ぶことでしょう。
ただし、それはあなたが神から与えられた能力を、世のために使う際にのみ有効です。
さらにもしも、あなたが「世のため人のため」と思ってなしている行為が、あなたがすべきことでないなら、それは上手くゆきません。
あるいはカルマの影響かも知れません。
昨年まで大谷翔平の所属していたエンゼルスのユーティリティ・プレイヤーでベネズエラ出身のルイス・ホセ・レンフィーフォは、一昨年のワールド・ベースボール・クラシックに母国の代表として出場しました。
その際、ア・リーグの首位打者のタイトルを3回もとっていて、しかも生涯アベレージ3割を超えている同郷の巧打者アルトゥーベから「打席に入ったら、なるべく何も考えないこと」とアドバイスを受けたといいます。
このアドバイスは、アートマンに従えと言っているのと同じですね。
そのアドバイスは大きかったことでしょう。現地時間で6月27日に彼は規定打席に達し、30日現在、大谷翔平やアーロン・ジャッジを抑えメジャーリーグ全体の首位打者に躍り出ました。
一流の大リーガーは、当然ながら抜群の運動能力を遺伝的に持った人物に限られています。しかも普段から、様々な球種を打つ練習をしており、打席でのルーチンが正しければ、後は神(アートマン)に任せなさいということ。
大谷翔平は、世界一の野球選手になりたいという願いは、野球をこころの底から好きだからこそ、叶えられることです。しかも彼は野球を世界一のスポーツにするためなら、どのようなこともしたいと望んでいると、同僚のテオスカー・ヘルナンデスは述べていました。
そのために、彼がしたことは、渋沢栄一、中村天風や、稲盛和夫などエゴを超越した人々の本を読み、エゴ(利己的、自己中心的、そして私利私欲的な自分)を超える方法を学んできました。
そういうことですね。
無我の境地でこそ、人は最高のパフォーマンスを演じることが出来ます。もしもエゴが頭を持ち上げだすと、人は集中できずミスを犯しがちになります。もしもあなたが、何事かに集中しているなら、エゴは沈黙しています。
それに、さらに自分自身をアートマンに委ねるなら、奇跡は日常のものとなるでしょう。
あなたがホーキンズ博士の著作と出会ったのは、奇跡の始まりかも知れません。
その機会を逃しませんように。