アダム・スミスの「見えざる手」は、果たして日本で実践されているのでしょうか?

 

菅前総理は『アベノミクスについて「失敗だと言われてきた」としつつ、「民主党政権の時の株価が8,000円台だった」と指摘。「アベノミクスという経済政策を取り込んで、2年で株価は2万円になった。それをひきついだ私の(政権)時に3万円になった。そして、今は4万円だ」と批判に対する批判をした』(FNNプライムオンライン、5月28日3時57分配信)と述べていますね。

 

その通りですが、アベノミクスの評価は、視点を変えると人によっては、成功と失敗に分かれるはず

 

世界銀行のデータベースから、日本と世界平均の推移と比べてみましょう。

 

まずGNIから国民一人当たりの所得水準をみると、1968年の日本は223万円で、世界平均は11万円でした。1996年の日本は673万円で、世界平均は86万円でした。2018年の日本は644万円で、世界平均は173万円でした。

 

そして、2021年の日本は633万円で、世界平均は203万円でした。

 

この25年で世界平均は、2.36倍も増加しているにも関わらず日本は減少していますよ。

 

次に、株価を見てみましょう。

 

1968年末の終値は1,714円、1996年末の終値は19,361円、2018年末の終値は20,014円でした。

 

そして2021年末の終値は26,094円。

 

菅前総理の言う通り、この25年で日経平均は、7千円近く回復しています!

 

アダム・スミスは、法の平等と同様に国民の富も、大変重要であると述べていました

 

日本は経済的に恵まれていない世帯が増加しているからこそ、生活保護、シングルマザー、シングルファーザー、老々介護や、子供の親介護の問題などは、25年前より深刻化している訳です。

 

そして、より深刻な少子化対策は、お金のバラマキでは解決不可能なこと。

 

家庭が、国家の基盤であることを無視してきた政官財のトップの姿勢こそ、見直さねばならないでしょうね。

 

子育ての難しさは、大人達の生き様を反映しているいじめ、登校拒否や、「たちんぼう」などに表れています。

 

登校拒否の最大の原因は、今の教育が結果を重視するマテリアルにのみ(物質世界)に重きを置き、人にとって最も重要なスピリチュアル(精神世界)をないがしろにしてきた結果と言えます。

 

草の根では、どんどん改革され始めています。

 

印象的なのが、京都大学出身で大阪市立大学の堀真一郎の創設した「きのくに子どもの村小学校・中学校」、や「きのくに国際高等専修学校」和歌山県橋本市彦谷51)をはじめとする全国に展開しつつある系列校です。

 

この学校法人では、就学期間中、模試を除き成績表のためのペーパー試験を一切行いません。何よりも自主性を重んじることで、子供自身の潜在能力を引き出すことに重きを置いています。

 

その教育理念には、ホームページによると自己決定の原則、個性化の原則と、体験学習の原則を掲げていて、ニールの自由学校サマーヒル・スクールと、ジョン・デューイの教育論をモデルにしています。

 

ニールの教育目標は、『子どもたちを「たましいの船長」に育てるための学校』とすることにありました。 

 

 

「もっともよい教師は子どもと共に笑う。もっともよくない教師は子どもを笑う」とのモットーは「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」を思い出させられます。お互い、人類の全員、神の代理であることを忘れませんように。

 

少子化対策で大切なのは、予算配分よりも、むしろ精神世界の真実を普及させることであり、それによって、日本をよりよい住み心地のよい国とすることで解消されることでしょう。

 

経済情勢、言い換えると株価のみ、あるいはひとり当たりの国民所得の水準のみを考慮するだけでは、少子化を解消の出来ないことは明らかです。

 

お金の分配のみで、少子化対策を解決は不可能でしょう。農耕民の日本文化の長所を思い出すことで『家族』の再定義により、スミスの『見えざる手』は自然になされることでしょう。