-産後ママのからだとこころの回復を-
中央区では、産後ケアを必要とする全ての方が利用できるよう対象要件を緩和するとともに利用者負担の軽減を行うほか、実施施設を追加するなど受入体制の充実を図ります。利用対象は、区内在住の母親と生後10週未満の子です。
産後ケアについては、令和元年の改正母子保健法で自治体に対し実施の努力義務が課され、令和6年度末までの全国展開を目指すこととされました。また、国の「こども未来戦略方針」において、利用者負担の軽減措置を本年度から全世帯に対象拡大し、支援を必要とする方が利用できるようにするための提供体制の確保や実施体制の強化を図るとします。
中央区では、国に先駆けて聖路加助産院で産後ケア事業を実施し、手厚い助成を行ってきました。産後ケアには、宿泊型、日帰り型、訪問型がありますが、本区ではニーズの高い宿泊型から整備していきます。
産後ケアに関するアンケート調査によれば、産後ケアを希望する妊婦は全体の7割なのに対し実際に利用するのは3割と低い状況です。聖路加助産院の利用率においては41.8%です。産後ケア事業は、利用率が高いことが事業成果とはなりません。むしろ、産後の心身の回復、家族の支援、育児・生活等が順調で産後ケアを必要しない母子が増えることは望ましいことだと思います。一方で、産後ケアを必要とする母子がいざという時に必ず利用できる受入体制の構築が必要です。産後うつの確率は、9%と言われています。
▼聖路加助産院(中央区)
【本来の利用料金】
1泊2日66,000円、以降1日につき33,000円加算
【中央区の助成後の自己負担額】
1泊2日10,000円、以降1日につき10,000円加算
【今後の自己負担額】
1泊2日7,500円、以降1日につき7,500円加算
(国1/2と都1/2の補助金により、利用者負担がさらに軽減)
補助金対象区:中央区・品川区・港区
令和5年夏から産後ケア事業の補助金対象施設は、聖路加助産院に加え、東峯サライと東都文京病院が追加され、疾患等の受入条件も拡大します。令和5年度6月補正予算では、産後ケア事業の充実に約3,000万円が計上され、3施設で500人2,500泊の利用を見込んでいます。
▼東峯サライ(江東区)自己負担額7,500円
補助金対象区:江東区・墨田区・江戸川区・杉並区
▼東都文京病院(文京区)自己負担額5,000円
補助金対象区:文京区・千代田区・港区・渋谷区
※東都文京病院については、協議が整わず中止となりました。
中央区における産後ケアの利用対象は生後10週未満の子と母親ですが、産後の体調不良、育児不安、睡眠不足などは数か月にわたり続きます。産後ケア施設を退所した後のサポートも重要であり、産後ママのメンタルヘルス対策の強化や母子保健サービスの充実を要望しています。
▽中央区産後ケア宿泊型事業
▽令和5年度 中央区一般会計6月補正予算計上額総括表
https://www.city.chuo.lg.jp/documents/14289/r5-6_hosei_yosan_press.pdf
▽聖路加助産院マタニティケアホーム
https://hospital.luke.ac.jp/guide/maternity/mch_shortstay.html
▽産前産後ケアセンター東峯サライ
https://sarai.toho-clinic.or.jp/
▽厚生労働省子ども家庭局母子保健課事務連絡2023.3.30
https://www.mhlw.go.jp/content/001081542.pdf
▽産前・産後サポート事業ガイドライン2020.8
https://www.mhlw.go.jp/content/000658063.pdf
▽母子保健法の一部を改正する法律に関するQ&A
https://www.mhlw.go.jp/content/000764270.pdf
▽関連ブログ