交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会 東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会において、「東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(案)」が公表されました。http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/tetsudo01_sg_000258.html
東京圏における今後の都市鉄道のあり方について(案)【概要】
■ 東京圏の都市鉄道に係る現状認識
・ネットワークの稠密性やサービス水準は、世界に誇るべき水準。
・都市間の国際競争の激化、訪日外国人の増加、少子高齢化や人口減少、災害リスクの高まり、東京オリンピック・パラリンピックの開催決定等、東京圏の都市鉄道を取り巻く環境は大きく変化。
・空港アクセスの改善、混雑緩和等については、着実な取組がなされてきたが、更なる取組が必要。加えて、駅空間の質の向上、遅延対策、災害対策の必要性が増大。
■ 東京圏の都市鉄道が目指すべき姿
① 国際競争力の強化に資する都市鉄道
•都心のみならず、東京圏に複数点在するビジネス・観光等の拠点と空港・新幹線駅とのアクセスを強化。
•国際競争力強化の拠点となるまちづくりの進展とシンクロして駅や路線を整備。整備時期、費用負担等について、開発サイド等との連携を強化。
② 豊かな国民生活に資する都市鉄道
•朝のピーク時間帯の混雑緩和に加え、夜間等の朝のピーク時間帯以外の混雑へも対応。
•鉄道事業者間はもとより、他モードも含めた移動全体のシームレス化をより一層推進。
③ まちづくりと連携した持続可能な都市鉄道
•すべての人が安心・安全に都市鉄道を利用出来るようユニバーサルデザイン化を推進。
•郊外部における「鉄道沿線まちづくり」に向けて関係者の連携を強化。
④ 駅空間の質的進化~次世代ステーションの創造~
•駅の関係者が一堂に会して、課題の共有と調整を図る場(駅まち会議)を設置し、PDCAサイクルを実施しながら駅に係る課題を解決する「駅まちマネジメント」(駅マネ)を推進。
•駅ナカ店舗の再配置やベンチの設置等による分かりやすくゆとりある駅空間を形成。
•自由通路等の整備による駅周辺の回遊性の向上やまちの顔としてのデザイン性向上等により、まちとの一体性を創出。
⑤ 信頼と安心の都市鉄道~安全運行を前提とした遅延対策の強化~
•遅延の現状と改善の状況を「見える化」し、それを踏まえ遅延対策を強化。
•鉄道利用者の行動判断に資するよう情報提供を拡充。
⑥ 災害対策の強力な推進と取組の「見える化」
•事業者における災害対策の「見える化」の推進。
•ハード・ソフト両面の災害対策の強力な推進。
■ 国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト
<1>都心直結線の新設(押上~新東京~泉岳寺)
<2>羽田空港アクセス線の新設及び京葉線・りんかい線相互直通運転化(田町駅付近・大井町駅付近・東京テレポート~東京貨物ターミナル付近~羽田空港、新木場)
<3>新空港線の新設(矢口渡~蒲田~京急蒲田~大鳥居)
<4>京急空港線羽田空港国内線ターミナル駅引上線の新設
<5>常磐新線の延伸(秋葉原~東京(新東京))
中央区に関する課題:高度に土地利用が進んだ都心区での事業となるため、関係地方公共団体・鉄道事業者等において導入空間にかかる事業費等を踏まえつつ事業計画の十分な検討が行われることを期待する。また、東京駅における鉄道ネットワークとの乗換利便性を向上されるため、東京駅周辺の他路線との接続を考慮した駅の位置について検討が行われることを期待する。
<6>都心部・臨海地域地下鉄構想の新設及び同構想と常磐新線延伸の一体整備(臨海部~銀座~東京)
中央区に関する課題:都心部・臨海地域地下鉄構想は事業性に課題があり、検討熟度が低く構想段階であるため、事業主体を含めた事業計画について検討が行われることを期待する。また、事業性の確保に向けて、都心部・臨海地域地下鉄構想と<5>の常磐新線延伸を一体で整備し、常磐新線との直通運転化等を含めた事業計画を期待する。
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/tetsudo01_sg_000258.html
<7>東京8号線(有楽町線)の延伸(豊洲~住吉)
<8>都心部・品川地下鉄構想の新設(白金高輪~品川)
■都心部・臨海地域地下鉄構想の路線図 検討すべき路線
▽国土交通省パブリックコメント
意見募集期間
平成28 年4月8日~平成28 年4月14 日まで(必着)
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/s304_arikata01.html
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/tetsudo01_sg_000221.html