ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?——国立西洋術館65年目の自問|現代 | やまちゃん1のブログ

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『西欧に「美術館」という制度が本格的に誕生した時期とも重なる18世紀末、ドイツの作家ノヴァーリスは、こう書いていました。

 展示室は未来の世界が眠る部屋である。――
  未来の世界の歴史家、哲学者、そして芸術家はここに生まれ育ち――ここで自己形成し、この世界のために生きる。

国立西洋美術館は、そのような「未来の世界が眠る部屋」となってきたでしょうか。本展は、多様なアーティストたちにその問いを投げかけ、作品をつうじて応答していただくものとなります。』展覧会HPより



展覧会の構成は、
0.アーティストのために建った美術館?
1.ここはいかなる記憶の磁場となってきたか?
2.日本に「西洋美術館」があることをどう考えるか?
3.この美術館の可視/不可視のフレームはなにか?
4.ここは多種の生/性の場となりうるか?
反ー幕間劇
上野公園、この矛盾に充ちた場所:上野から三谷へ、山谷から上野へ
5.ここは作品たちが生きる場か?
6.あなたたちはなぜ、過去の記憶を生き直そうとするのか?
7.未知なる布置をもとめて

国立西洋美術館が自らのレゾンデートルを問う展覧会!果たして…




杉戸洋 easel 2024年


中林忠良 転位シリーズ

左 セザンヌ
右 内藤礼 color beginning

内藤礼の作品は、一見真っ白なキャンバスだが、近づいて、目を凝らすと… 色彩が浮かんでくる

ポール・セザンヌ 葉を落としたジャ・ド・フッファンの木 1885〜86年

左 ドニ
右 松浦寿夫 つかのまの永遠


モーリス・ドニ 池のある屋敷 1895年

セザンヌ、ドニの作品と松浦寿夫の作品のハーモニー、同調している

右 松浦寿夫 キプロス 2021年


中央 ポール・セザンヌ ポントワーズの橋と堰 1881年



(ネット画像借用)

坐わる女 藤田嗣治 1929年



藤田嗣治をテーマにした小澤剛の作品 帰ってきたペインターF


オーギュスト・ロダン 考える人
1881〜82年


西光万吉 釋尊 1960年

オーギュスト・ロダン 青銅時代 1877年

小田原のどか 五輪塔 2024年

転倒するロダン、転向した西光万吉、屹立する五輪塔



布施琳太郎 骰子美術館計画 2024年


左 ファンセント・ファン・ゴッホ
ばら 1889年
右 エドヴァルド・ムンク 立つ男



上 モーリス・ドニ 水浴 1920年
下 ブールデル 弓を引くヘラクレス
右 ルカス・クラーナハ ホロフェルネスの首を持つユディト 1530年頃

4.ここは多種の生/性の場となりうるか?

左 ギュスターヴ・クールベ
眠れる裸婦 1858年
右 鷹野隆大 よこたわる裸婦 1999年

簡易なベッドの壁に、クールベと鷹野の裸婦?


テオドール・シャセリオー
アクタイオンに驚くディアナ 1840年


松方コレクション




反ー幕間劇
上野公園、この矛盾に充ちた場所:上野から三谷へ、山谷から上野へ


弓指寛治の絵画作品


竹村京 修復されたC.M.の睡蓮
2023〜24年

クロード・モネ 睡蓮、柳の反映 1916年





エレナ・トゥタッチコワ
Handmaps:WalkingAlong the River#1
2022年


ムンク リトグラフ


回転ベッドが回る

(ネット画像借用)

遠藤麻衣 オメガとアルファのリチュアル 2024年

彼女の作品は、国立近代美術館のコレクションの方が良かった

【参考】



《パープルーム》梅津庸一のコーナー

中央 梅津庸一 フロレアル(わたし)2004〜07年
右 梅津庸一 フロレアル 汚い光に混じった大きな花粉 2012〜14年



ラファエル・コラン フロレアル
1886年






パープルームのコンセプト
ここのコーナーが一番楽しかった🙆

中央 ピエール・ボナール 花
1935年頃


安藤裕美 ペンション紫香楽 2023年

この作品好きです!!横尾忠則風ですが、梅津庸一の花粉が色濃い


中央 エドゥアール・ヴュイヤール
縫いものをするヴュイヤール夫人
1920年

左 辰野登恵子 work85ーP-5
1985年


右 ジャクソン・ポラック 
ナンバー8,195 黒い流れ

辰野登恵子 作品Ⅴ 1972年

辰野登恵子(1950〜2014)さんの初期版画作品 思わず引き込まれてしまいました


左 辰野登恵子 WORK89-P-13
1989年
右 クロード・モネ 睡蓮 1916年



坂本夏子 Tiles 2006年


梅津庸一 緑色の太陽とレンコン状の月

杉戸洋 untitled 2022年

左 坂本夏子 階段 2016年
右 ルノワール 木かげ 1880年

坂本夏子 Tiles 2021年


坂本夏子/梅津庸一 ふたつの海
2023年

坂本夏子/梅津庸一 絵作り 2013年


西洋美術館2階テラス



国立西洋美術館が所属する西洋画に、直接インスパイアされたアートと、どこか親和性があるアートを提示してみせた今回の展覧会

杉本博司氏の日本文化の「本歌取り」「見立て」を西洋画と現代アートでやってみたわけですね


西洋画・アカデミズムの砦である
国立西洋美術館が、
所蔵作品と現代アートをコラボする企画はかなりの創造・想像力が必要

現代アートのトップランナーを
外し、若手中心で構成した
今回の企画は、
それ自体がインスタレーション
だといえる
(パープルームやアーティストの
批判も含めて)

楽しかったです(⁠。⁠•̀⁠ᴗ⁠-⁠)⁠✧

★★★★★

次回は、もっと過激な作品も!!