『三井越後屋が延宝元年(1673)に開店してから令和5年(2023)で350年を数えます。公益財団法人三井文庫・三井記念美術館では、これを記念して特別展「三井高利と越後屋―三井家創業期の事業と文化―」を開催いたします。 三井グループの創業者、
三井各家では、事業の発展とともに茶の湯などの文化活動にも力を入れていきます。とりわけ急成長を遂げた享保から元文年間(1716〜41)にかけて、多くの名物茶道具を収集しています。それらのなかに当美術館まで伝わった名品がいくつもあります。
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江戸時代最大級の豪商、三井の世界をご堪能ください。』web開催概要より
赤楽茶碗 銘再来 樂道入
江戸時代 17世紀
珠光青磁茶碗 銘波瀾
南宋時代 12〜13世紀
日本の茶の湯の祖、村田珠光が草庵茶の美意識に叶うとこのたぐいの茶碗を愛でたことから珠光青磁と呼ばれる。琵琶色で、“猫掻き”という櫛の刻文が釉下に見える。
現物は、写真ではわからない心を落ち着かせる茶碗。
(上記写真6点ネット画像借用)
三井高利夫婦像 山本宗川
江戸時代 享保16年(1731)
江戸本店本普請図画面
江戸時代 天保3年(1832)
飛び出し絵本のような図面が楽しい
江戸京都浪花三店絵図
江戸時代 19世紀
江戸、浪花は大店であるが、統括する「大元方」の京本店は小ぶりですね。井原西鶴の『日本永代蔵』で”大商人の手本“と称賛された三井高利、
かえって“すごみ”を感じます。
三井高利は1673年、呉服の仕入と江戸、大阪を統括する越後屋京本店を室町通りに設ける、1704年から室町通り冷泉町に移転し、その後三越京都支店となり1983年(昭和58年)の閉店まで営業していた。
現在の『三井越後屋京本店記念庭園』になっている。
1686年当地に三井高利が両替店を開き、江戸、大阪の両替部門を統括する。居宅も移し高利は当地で没する。現在は、えらく地味な通りで見過ごしてしまいます。
大阪三越(2005年5月5日閉店)
跡地には高層マンションが建つ
(上記写真3点ネット画像借用)
禁裏御用絵符・紀州御用木札
江戸時代 19世紀
三越、三井銀行など三井財閥の祖、三井高利は井原西鶴に「大商人の手本」「世の宝」と称賛され、商売一筋のイメージであるが、高利以降の三井各家は積極的に茶道具などの美術品を収集したようです。
松阪から、江戸、大阪に大店を持ち京に住む「江戸店持京商人」
(えどだなもちきょうあきんど)
という商人の理想を実現した
三井高利
越後屋から商人目線の京、江戸、大阪の立ち位置が分かって
大変興味深い
ちょっと変わった展覧会
★★★★☆
歴史が好きな人にお勧めします