2023年 期待する美術展 その2 | やまちゃん1のブログ

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美術、映画、文学、グルメ関係のブログです。

大型の美術展がほとんど無い2023年の中で、作家に焦点をあてた

展覧会が2展と大箱2展


1.エゴン・シーレ展

  1/26〜4/9 東京都美術館

2.マティス展

  4/27〜8/20 東京都美術館

3.ルーブル美術館展 愛を描く

  3/1〜6/12 国立新美術館

  6/27〜9/24 京都市京セラ美術館

4.「キュビスム・レボリューション」展

   10/3〜1/28 国立西洋美術館



1.エゴン・シーレ展


エゴン・シーレ(1890〜1918)
スペイン風邪に罹り28歳で早逝

ウィーン近郊の中産階級の家庭に生まれる
14歳の時、父親が梅毒で死亡(作品に死の影を与えたか?)
16歳でクリムトと同じウィーン工芸学校に入学したあとウィーン美術アカデミーに進学したが、旧弊なアカデミーに失望し退学、グスタフ・クリムト(1862〜1918)に師事する


クリムトとシーレ

 

シーレコレクションで有名なウィーンのレオポルト美術館から来日した作品を中心に50点の作品




ほうずきの実のある自画像 1912年


悲しみの女 1912年

モデルは1911〜15年シーレの恋人だったヴァリー・ノイシェル
後ろの顔はシーレ自身、付き合っている時から“悲しみの女”だった…
それは後ろの男が原因で諦めの表情に見える



頭を下げてひざまずく女性 1915年

ジョージ・グロスに影響を与えているかもしれない


【参考】
ジョージ・グロス Erotic drawing



時に指頭を使う独特なタッチや独特な色彩、病的で狂気と死の匂いを感じる作品は、ゴッホやムンクの表現主義に繋がる





2.マティス展


アンリ・マティス(1869〜1954)

ピカソと共に20世紀最大の巨匠と呼ばれるマティス

パリのポンピドゥー・センター所蔵作品を中心に、約150点の大規模個展


ポンピドゥー・センターは、2023年から26年末まで大規模改修のため閉館となり、マティス展の他、10月のキュビスム展など作品が大挙来日






豪奢、静寂、逸楽 1904年


赤いキュロットのオダリスク 1921年


赤の大きな室内 1948年

 





3.ルーブル美術館展 愛を描く



「愛」をテーマに、16世紀〜19世紀半ばの名画70点あまりが来日
2023年の来日美術展では最大規模

聖なる愛?から世俗の愛まで…


ブーシェ アモルの標的 1758年
309✕210cm 大画面

アモル(キューピット)が放つ黄金の矢がハートに刺さり愛が生まれた瞬間、両手に持つ月桂冠は“徳”の象徴で“高潔な愛”を表す


ブーシェ 褐色のオダリスク 1745年

一応“オダリスク”の体裁をとっている
モデルはブーシェの夫人といわれる
このポーズがルイ15世に好評だったのだろう
後年、黄金のオダリスクを制作する


【参考】
ブーシェ 黄金のオダリスク
1752年

モデルのマリー=ルイーズ・オミュルフィ(当時14歳)はこの絵によってルイ15世に見初められ、彼の愛人となる
愛人とはいってもポンパドゥール夫人(公妾)が作った王専用の娼館付きの娼婦

【参考】
ブーシェ ポンパドゥール夫人 1756年

 

フラゴナール かんぬき 1777頃
恋の駆け引きか… フラゴナール後期の傑作

ロココの巨匠 ブーシェ、フラゴナール名作



アリ・シェフェール
「ダンテとウェルギリウスの前に現れたフランチェスカ・ダ・リミニとパオロ・マラテスタの亡霊」1855年

政略結婚で義姉弟になったフランチェスカとパオロ、二人は恋に落ち、フランチェスカの夫の嫉妬で殺され地獄を漂う…






4.「キュビスム・レボリューション」展


ポンピドゥー・センターの休館に伴う空前絶後のキュビスム展らしい



ロベール・ドローネー パリ市
1910〜12年



皆さんの関心がある美術展は?