江口寿史イラストレーション展彼女-世界の誰にも描けない君の絵を描いている- | やまちゃん1のブログ

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千葉県立美術館の「江口 寿史イラストレーション展 彼女」を観る




江口寿史(えぐちひさし) 

1956年3月熊本県水俣市生まれ
 中学3年生で千葉県野田市に転居
 千葉県立柏高校卒業




《 このたび、漫画家・イラストレーターとして活躍する江口寿史氏の展覧会「江口 寿史イラストレーション展 彼女」を開催いたします。本展は2018年春、 金沢21 世紀美術館で開催した同名の展覧会の好評に応え、その後の新作を加えてあらた めて大規模に紹介するものです。

江口氏は1977年、21歳のとき週刊少年ジャンプのギャグ漫画 「すすめ!!パイレ ーツ」で連載デビューし、続く81年、「美少女のような男の子」 が主人公の連載 「ストップ!ひばりくん!」でブレークします。 軽妙でポップなギャグが冴える 一方、江口流というべき絵作り とりわけ女性を美しく描く卓越したセンスと、 若者のファッションや音楽など時代の流行を巧みに取り込む描写でその後の漫画 このスタイルに大きな影響を与えました。 その才能はほどなく、 漫画の枠を飛び出 してイラストの世界に広がります。 雑誌の表紙、 挿画、 装幀本、ファミリーレス トランのメニュー、 CD ジャケット、「絵」としての作品連載、商品広告、 キャン ペーンなど、今も日本のいたるところで江口作品にであうことでしょう。

本展は、江口氏が「それ以上に描きたいものはない」という“女性のイメージ に焦点を当てました。 手描きの時代からパソコンで仕上げる時代へ、 漫画からイ ラストへ 江口氏の制作手法や発表の場は変遷してきましたが、 その画業を貫 く常に変わらない熱い想いが、本展に添えたこの言葉に溢れています。

一世界の誰にも描けない君の絵を描いている

2018年4月、 女性画に焦点を当てた 『江口寿史イラストレーション展彼女』 を 金沢市で開催。同時に近作を紹介した画集 「step』 (河出書房新社)を出版。

ギャグ漫画家としてデビューし、いまや日本を代表するイラストレーターとして も活躍する江口氏が、45年にわたって綴った500人の「彼女」たち。 その果てない 進化の旅をお楽しみください。

同展は2019年に明石、 筑西、 2021 年は青森、 旭川、2022年は長野、 盛岡、 千葉 を巡回し多くの来場者にその絵の魅力を伝えている。

千葉県立美術館長 》 

あいさつより抜粋



2015年の全国巡回展「江口寿史展 KING OF POP」 以来の大規模巡回展ですね




「KING OF POP」時代の作品と新作で構成されています

第1章 遭逢「ポップの女神たち」
第2章 恋慕「マンガからイラストレーションへ1977年〜」
第3章 素顔「美少女のいる風景1999〜2000年」
第4章 艶麗「ワインを持った女たち2002年〜」
第5章 青春「音楽とファッション2000年〜」
第6章 慈愛「いまを生きる彼女たち2014年〜」


第1章 遭逢「ポップの女神たち」






江口流ポップアートはこんなに
可愛い


第2章 恋慕「マンガからイラストレーションへ1977年〜」





女装の男の子ひばりくん
ストップ!!ひばりくん!



展示はイラストレーションのみ
ネット画像借用


有名な広瀬すず、広瀬アリス姉妹のCMイラストレーション



第3章 素顔「美少女のいる風景1999〜2000年」








3枚ネット画像借用


「可愛らしい女性を見ると、その人を手に入れたいというより、その人になりたいと思っちゃう。」



「女に生まれなかった悔しさが、
絵の原動力になっている。」



憧憬的トランスジェンダー気質
が江口寿史の本質ですね



第4章 艶麗「ワインを持った女たち2002年〜」




「リアルワインガイド」の表紙シリーズ


第5章 青春「音楽とファッション2000年〜」



大きなヘッドフォンありましたね…
ワイヤレスイヤホンから少し前なのに既にラジカセ同様に文化遺産?



ちゃっかり、ワイヤレスイヤホンのイラストも描いていました






第6章 慈愛「いまを生きる彼女たち2014年〜」







各地の“彼女”展ライブドローイング作品
左から「日常」2021年、「マスクをしていた耳がいたい」2021年、「深呼吸の必要(二階堂ふみに捧ぐ)」2022年、「手をつなごう」2022年



千葉県立美術館で行われた
ライブドローイングの作品 



通路にいる“彼女”たち






一番面白かったのが、江口寿史が
会場で一般人をスケッチした
壁一面の似顔絵 
ライブスケッチ

すべて、江口流に可愛く
描かれています(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)


憂い顔の文学少女…



ファッショナブルなメガネ美人



珍しく色っぽいロングヘア




江口寿史の描くイラストは
現代の美人画、浮世絵ですね

彼の描く女性は、男性が欲望の眼で見る「女」ではなく、江口の憧れの眼で見た倒錯的自己愛の「女」

ただし、彼の倒錯的自己愛は少女からほぼ20代に限定されており、
「妻」や「母」ではなく、あくまで「彼女」なのです