プラド美術館展 | やまちゃん1のブログ

やまちゃん1のブログ

美術、映画、文学、グルメ関係のブログです。

プラド美術館の小品を中心にした展覧会。ベラスケスが好きなんですが、今回は惹かれる作品は無かったかな。



一番のお気に入りは、ゴヤの「アルバ女公爵とラ・ベアタ」。
アルバ女公爵は、ゴヤの時代、権力と美貌を兼ね備えた女性として宮廷に君臨していたようです。ちなみに女公爵とは、本人が生まれながらに公爵だったからです。
また、ゴヤのパトロンでもあり、「裸のマハ」のモデルではないかという説もあります。彼女には、性的魅力があり、奔放で恋多き女だったようです。
絵は、動きがあり緊張感に溢れた構図です。
女公爵は、妖術で使用する「赤珊瑚」
を、カトリックの信仰に篤い付人の喉元に突きつけています。付人は、怯えてひきつった表情で、弓なりになりながら、なんとか杖で体を支え、十字架で対向します。アルバ女公爵は、前のめりの姿勢で、執拗に楽しむかのように、赤珊瑚を突きつけています。
ゴヤは、S字曲線のアルバ女公爵の肉体を通して、悪魔的エロティシズムを表現しています。



参考:ゴヤ「裸のマハ」

もう一点面白いと思ったのは、ケッセルの「アジア」(1660年)という作品です。
海の覇権を握ったスペインは、信長の時代、多数の宣教師を送り込み、日本の多方面の情報を本国に報告しています。







一枚の拡大図

カエルの描写は、「鳥獣戯画」(後醍醐上皇時代)が何らかのかたちで伝わったものでしょう。
アジアのカエルはレスリングをする!




左の絵は、フリスの「瞑府のオルフェウスとエウリュディケ」




ピーテル・ブリューゲル「バベルの塔」
え?こんなに小さいの!と思わせるぐらい雄大な絵です。

それなりに楽しめた展覧会でした。