休業しないパチンコ店に罰則も 政府、特措法改正を示唆 | 山岸久朗オフィシャルブログ「正義は我にあり!!」Powered by Ameba

日本国憲法22条1項の保障する「職業選択の自由」は、自己の従事する職業を決定する自由を意味する。自己の選択した職業を遂行する自由、すなわち営業の自由もそれに含まれる。

 

こうした経済的自由権に対する規制には、規制の目的に応じて、消極目的規制と、積極目的規制に区別される。

 

消極目的規制とは、主として国民の生命及び健康に対する危険を防止もしくは除去ないし緩和するために課せられる規制である。

 

積極目的規制とは、福祉国家の理念に基づいて、経済の調和のとれた発展を確保し、とくに社会的・経済的弱者を保護するためになされる規制である。

 

営業の自由に対する規制の合憲性については、「合理性」の基準が用いられるが、上記2目的に応じて異なる。

 

消極目的規制については、裁判所が規制の必要性・合理性および「同じ目的を達成できる、よりゆるやかな規制手段」の有無を立法事実に基づいて審査する「厳格な合理性の基準」が用いられる。

 

積極目的規制については、いわゆる「明白の原則」、すなわち「当該規制措置が著しく不合理であることの明白である場合に限って違憲とする」。

 

本件は消極目的規制であるから、厳格な合理性の基準が採用される。私見では新型インフルエンザ対策等特別措置法の要請に罰則を設けることは、必要性・合理性ともに欠くのではないかと感じる。

 

 

<以下、共同通信より引用>

 

 西村康稔経済再生担当相は27日の記者会見で、自治体がパチンコ店などに新型コロナウイルス特措法に基づく休業指示を出しても従わない事例が多発するようであれば、法改正で罰則規定を設ける考えがあることを明らかにした。

 西村氏は「罰則を伴う、より強い強制力のある仕組みの導入など法整備について検討を行わざるを得なくなる」と強調。罰則化に踏み切る基準や法改正の日程など具体的なことは「状況を見て、適切に判断する」と述べるにとどめた。

 現在も営業を続けるパチンコ店などをけん制する発言だが、私権の強い制約を伴う事実上の休業強制を示唆するもので、発言は物議を醸しそうだ。