資産は50億円…“紀州のドン・ファン”気になる相続の行方 | 山岸久朗オフィシャルブログ「正義は我にあり!!」Powered by Ameba

この件、まだ殺人であるかどうかもわかりませんし、殺人であるとして誰が犯人であるかもわからない段階ですが、仮に殺人であるとすると、「相続欠格」が問題になります。

 

推定相続人が、被相続人の財産を相続するのが正義に反すると感じられるような行為を行った場合、民法は、当然に相続資格を失うという制度を採用しました。これを「相続欠格」と言います。

 

1故意に被相続人または相続について先順位もしくは同順位にある者を死亡させるに至らせ、または至らせようとしたために、刑に処せられた者(891条1号)

 

2被相続人が殺害されたことを知って、これを告発せず、または告訴しなかった者(2号)

 

3詐欺または強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取消し、または変更をすることを妨げた者(3号)

 

4詐欺または強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、または変更させた者(4号)

 

5相続に関する被相続人の遺言を偽装・変造・破棄・隠匿した者(5号)

 

<以下、日刊ゲンダイから引用>

 

「50億円の資産はどうなるのか?」――。“紀州のドン・ファン”こと野崎幸助氏(77)が怪死したことで、資産の行方に注目が集まっている。

 野崎氏の資産は、現金や不動産、絵画などを含めて約50億円といわれる。野崎氏はバツ2。前妻との間に子供はいないが、自分のきょうだいが6人いる。

 法務省民事局によると、遺産相続は被相続人(この場合は野崎氏)が死亡した時点で権利が発生する。野崎氏の場合、法律の規定により、新妻のSさん(22)が遺産の4分の3を、きょうだいが4分の1を相続することになる。Sさんは37億円を相続することになるのだ。2月に結婚し、わずか4カ月で大金を手にすることになる。

 ただ、気になるのは野崎氏が殺された可能性があることだ。警察は他殺の可能性も視野に入れて捜査を続け、Sさん本人は「フライデー」の取材で、警察に13時間拘束されてウソ発見器にかけられ、「(覚醒剤を)食べ物に混ぜましたか」などの質問を受けたと告白している。

 

要するにSさんは、警察から半ば、容疑者扱いされているということだ。ワイドショーにも追いかけ回されている。

■堅く守られている相続権

 こうした状況下でも滞りなく相続できるのか。

「生命保険などは契約者が死亡し、警察の捜査が続いているという理由で保険金の支払いを延期することがありますが、遺産相続はそうした影響を受けません」

 こう言うのは元検事で弁護士の落合洋司氏。法務省民事局も「相続は捜査と無関係」との説明だった。落合氏がこう続ける。

「Sさんが今後も警察に呼ばれたとしても相続の権利は消滅しません。また、被相続人の死から何日以内に相続を完了しなければならないというような期限も設けられていないのです。相続人が複数の場合、遺産の分配について話し合い、弁護士や行政書士らを入れて『遺産分割協議書』を作成。これを家庭裁判所に提出したのち、土地の登記を書き換えたり現金を移したりします」

 野崎氏は東京から通っていた家政婦にも、4000万円を与える旨の遺言を残していると報じられている。仮に4000万円でなく、家政婦にウン十億円を残すと書き残していたとしても、妻であるSさんは最低でも全遺産の2分の1を相続できる規定になっている。妻の相続権は堅く守られているのだ。

「あくまでも法律の条文の話ですが、民法第891条には相続の『欠格事由』が定められています。相続人が被相続人を死亡に至らしめたり、あるいは死亡に至らしめようとしたことが判明して有罪判決を受けた場合、さかのぼって相続人でなくなります。その場合、他の相続人らが『返してくれ』と要求したら、遺産を返還しなければならないことになります」(O氏)

 Sさんは「週刊現代」の取材で「遺産は、当面2億円のキャッシュだけでいい」と控えめな発言をしているが、いずれはその10倍以上のお金を手にすることになりそうだ。