セクハラへの会社の責任 | 山岸久朗オフィシャルブログ「正義は我にあり!!」Powered by Ameba

相手方の意思に反する性的な言動で、それへの対応によって仕事を遂行するについて不利益を与えたり、就業環境を悪化させたりすることを総称して、セクシャル・ハラスメントと言っています。

 

セクハラには、対価型と環境型があります。

 

対価型とは、職務上の地位を利用し、または何らかの雇用上の利益の代償あるいは対価として性的要求が行われるものです。

 

環境型とは、はっきりとした経済的利益は伴わないにしろ、それを反復することによって職務の円滑な遂行を妨げるなど就業環境を悪化させる性的言動です。

 

判決は、「使用者は、被用者との関係において社会通念上伴う義務として、被用者が労務に服する過程で生命及び健康を害しないよう職場環境等につき配慮すべき注意義務を負うが、そのほかにも、労務遂行に関連して被用者の人格的尊厳を侵しその労務提供に重大な支障を来す事由が発生することを防ぎ、またはこれに適切に対処して職場が被用者にとって働きやすい環境を保つよう配慮する注意義務があるところ、被用者を選任監督する立場にある者が右注意義務を怠った場合には、右の立場にある者に被用者に対する不法行為が成立することがあり、使用者も民法715条により不法行為責任を負うことがあると解すべきである」としています(福岡セクシャル・ハラスメント事件)。