原則として、伝聞証拠には証拠能力を認めない、という法原則を、伝聞法則と言います。
伝聞証拠であれ、供述書・供述調書であれ、要するに、知覚・記憶・表現・叙述の過程を吟味できないから、伝聞証拠には証拠能力が認められないとされています。
しかし、伝聞証拠にも証拠能力を与えるのが妥当なときがあるので、刑事訴訟法は、いくつかの例外を用意しています。それは、(a)証拠として取り調べるべき必要性があり、(b)特信情況(公判廷における供述に代わるほど信用できる外部的な情況)がある、以下の場合です。
同意書面・合意書面
被告人以外の者の供述調書・供述録取書
(1) 供述が不能な場合(刑訴法321条1項1号前段・2号前段・3号)
(2) 供述が相反する場合(刑訴法321条1項1号後段・2号後段)
<以上、成文堂「刑事訴訟法」から一部抜粋>