花の本分


じりじりと焼け付くような陽射しの降り注ぐ夏日。
暑気を離れ、山影の野道に入れば、
至るところ、目に付く朱の花が、
ヒメオウギズイセンとキツネノカミソリである。
おもしろいのは、秋分の日に、はかったように現れるヒガンバナ、
そして、盆近くなると現れるのが、このヒメオウギズイセン。
どちらも緑野にそこだけ際立つ朱色の花を咲かせ、
仏教との縁も深い。

ただ驚くのは、このヒメオウギズイセン、
両親が南アフリカ産の外来種だということである。
野生化して日本の野に根付き、盆の花としても墓前に飾られ、
親しまれてもいるので、その出自には、不思議な心地もする。
その一方で、繁殖力旺盛なため、
迷惑植物として煙たがられている地域もあるようだ。
人の心と云うのは、
多分にその地の文化風習に左右されるもののようだ。

そんな人間たちの勝手な計らいをよそに、
野の花たちは、焼け付く夏の陽射しにもめげず、
けなげにも、その本分を全うするかの如く清く咲きつづけている。
その何事にも動ぜず、泰然自若としたさまは、
邪心なき心にのみ、根付くものなのだろう。
しばし、その朱の幻惑に目を留めていると、
草の茂ったその野道を心地よい風が走り抜けて行った。

 

 

 

☆おことわり☆

諸事堆積しておりまして、
しばらくのあいだ、
「フォトエッセイ」不定期更新とさせていただきます。
変わり映えしないブログに、
日々変わらず、温かな眼差しを注いでいただき、
まことにありがとうございました。
継続再開を期して、写真は撮り続けておりますので、
その日まで、お待ちいただきますよう、
よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

風のたより/村下孝蔵

 

 

古くからの友人、高木早苗さんが、松江市観光大使を務める京太郎さんと、

ご当地松江を舞台にしたデュエットソング、

『さよならだんだんまた明日』をリリースされました。
とても素敵な歌ですので、是非聴いてあげて下さい。

不肖私めの撮影した写真も少しだけ入れてありますので、よろしくです。

 

「だんだん」は、出雲地方独特の方言で、ありがとうの意です。

 

 

 

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