梅、春を呼ぶ


梅一輪 一輪ほどの 暖かさ

授業でも習ったはずの、この有名な句。
松尾芭蕉の弟子である服部嵐雪が詠んだ句。
詠まれる前の詞書には、
「寒梅」という冬の季語が使われているそうで、
冬に見つけた一輪の梅への作者の心象のようである。
一輪ほどのと強調されているから、
冬の寒空に咲くたった一輪の梅に、
心暖かくしたものと受け取れるし、
冬を意識しないまでも、
心に寂寞抱える人ならば、
寒空に健気に咲く一輪の梅に、
幾許かの力と勇気をもらうかもしれない。
人それぞれ置かれた状況により、
受け止め方も解釈も、人それぞれであるようには思うし、
歌や詩や小説の力は、やはりその普遍性にあると思える。

桜に魁けて春を呼ぶのは、やはり梅なのかもしれない。
余裕なく立派な梅林公園などへは出かけられないが、
よくよく考えたら、
近くの廃業して放置されたままの工場の一角に、
紅白の梅が一本ずつ植えられているのを思い出したので、
日の落ちる前に、思い立って足を伸ばした。
周囲は荒れ果て、伸びたままの枯れ草に紛れ、
紅白の梅、よく見ないと見逃してしまうほどだ。

紅梅はまだ蕾であるが、白梅は見事に開花していて、
その紅白対照的な開花の時差に不思議な感慨が湧く。
雑草ばかりが伸び、荒れ果てた廃墟にあっても、
毎年、変わらぬ花を変わらぬ姿で顕して見せる。
梅の花に暖かさを覚えるほどの感性は、
持ち合わせていないが、それでも春がすぐそこ、

間近に来ていることぐらいは感じることができる。


☆おことわり☆

諸事堆積しておりまして、
しばらくのあいだ、
「フォトエッセイ」不定期更新とさせていただきます。
変わり映えしないブログに、
日々変わらず、温かな眼差しを注いでいただき、
まことにありがとうございました。
継続再開を期して、写真は撮り続けておりますので、
その日まで、お待ちいただきますよう、
よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Ray Yamada/えにしのうた【MV】

レイ ヤマダさんは、東京生まれのシンガーソングライター。

縁あり、島根の風土に惹かれ、この地でホールに拘らず、
度々野外で小さなコンサートを開催するなど熱い思いが伝わる。
松江市の観光大使も務め、
宍道湖に浮かぶ小さな島、嫁が島の伝説を題材にした「えにしの歌」をリリース。
美保神社の境内でもコンサートを開くなど度々来松しミニライブを開催。
私の生まれ育った山奥の小さな村の、鎮守の杜でもコンサートを開くなど、
その歌に対する姿勢は真摯そのものである。

 

 

古くからの友人、高木早苗さんが、松江市観光大使を務める京太郎さんと、

ご当地松江を舞台にしたデュエットソング、

『さよならだんだんまた明日』をリリースされました。
とても素敵な歌ですので、是非聴いてあげて下さい。

不肖私めの撮影した写真も少しだけ入れてありますので、よろしくです。

 

「だんだん」は、出雲地方独特の方言で、ありがとうの意です。

 

 

 

振袖の振付方を詳しく解説した写真講座を公開しましたので、

興味のある方はご覧下さい。

 

お問合せ・フォルムのHP

 写真集の制作に興味のある方は、こちらを参考にしてみて下さい。

 

 今では遠き青春時代、私が書いたへぼ小説、興味ある方はこちらから

 

minne出品中

ポケットアルバム