「突出している」のは岸田、日本政府だ

 

 岸田総理は、中国が日本産海産物の輸入を停止したことを「突出している」と非難している。これほど、傲慢でエゴイスティックなことはないであろう。

 放射能で汚染されている可能性があるものを輸入規制する、これに類することは、チェルノブイリ原発事故に際して日本も行ってきた。今回の放射能汚染水の海洋投棄は、とりわけて、日本政府のみが処理水だから「安全だ」と豪語しているだけで、かのIAEAでさえ「安全」とはいっていないのである。

 

 「汚染水が安全であれば海洋に放出する必要はなく、安全でなければ海洋に放出すべきではない」という主張は、他のアジア・太平洋諸国でも共通してある。

 原発・核開発の犠牲になってきた、太平洋の島しょ国などで構成する太平洋諸島フォーラム(PIF)は日本政府の決定後、処理水を巡る統一見解を出していない。しかし、ニュージーランドでは「データには『危険信号』があり、中にはIAEAを批判する者もいる」。PIF事務総長は、「すべての関係者が科学的手段を通じて安全であることを確認するまで、放出はあってはならない」と述べている。議長国クック諸島のブラウン首相は8月18日の声明で、「加盟国が科学の評価に基づき、自国民の最善の利益のための立場をとることを認めている」と述べた。

 

 全米海洋研究所協会は「前例のない放射能汚染水の太平洋への放出」「安全性の結論に欠陥」と批判している。

 「東京電力と日本政府が提供したデータは不十分であり、場合によっては不正確である。サンプリングプロトコル、統計デザイン、サンプル分析、仮定に欠陥があり、その結果、安全性の結論に欠陥が生じ、処分の代替手段をより徹底的に評価することができなくなるのである。放射性廃棄物を安全に封じ込め、貯蔵し、処分するという問題に対処するためのあらゆるアプローチが十分に検討されておらず、海洋投棄の代替案は、より詳細かつ広範な科学的厳密性をもって検討されるべきである。」

 「私たちは日本政府に対し、前例のない放射能汚染水の太平洋への放出を中止し、海洋生物、人間の健康、そして生態学的・経済的・文化的に貴重な海洋資源に依存する地域社会を守るための他のアプローチを、より広い科学界と協力して追求するよう強く求めます。」(全米海洋研究所協会が声明2022.12.12)

 

 放射能汚染水が海洋投棄された8月24日、ドイツ連邦環境省のレムケ環境大臣がコメントした。
 「環境大臣として、私は放射性物質の海へのいかなる追加放出にも批判的です。海洋放出は、ほかの手段がまったくない場合の最後の手段です。どうしても避けられない場合には、科学的知見に基づいて行われなければなりません。そのようにしてのみ、人や環境への被ばく影響をできる限り小さくすることができます。何よりプロセスが透明であるべきです。福島の方々が、十分に情報を得て意思決定に参加する必要があります。これらのことを、私はすでに4月のG7札幌環境大臣会合で、日本政府に対して求めたのです。」

 

 以上、岸田内閣のちょうちん持ちと化した日本のマスコミが報じない、世界の放射能汚染水の海洋投棄に関する見解である。

突出しているのは独りよがりな岸田政権のことではないか。

 

汚染水を海に捨てるな!!

海を殺すな!!