不登校が始まった日
その時の息子の顔は
今でも忘れられない。
当時、コロナで
一番世の中が混乱していた時
緊急事態宣言が出され
学校は休校になったり
時差登校したりとめちゃくちゃだった。
その緊急事態宣言が明けて
これから学校も通常に戻る
生活も少しずつ戻っていく
そんな矢先だった。
一緒に家を出て
学校にむかう息子を見送り
私は駅に向かった。
しかし、なんだか胸騒ぎがして
一度、家に戻った。
誰もいないはずの家に
人の気配がする。
そこには部屋の真ん中で
お菓子を食べながら
タブレットをひろげている息子がいた。
学校に行くふりをして家に戻り
ひとりくつろいでいる息子に
怒りがこみ上げる。
許せなかった。
なんでここにいるの!
なんで学校に行かないの!
息子の話を聞く余裕なんてなくて
感情的に言葉をぶつけ
息子を責めた。
「学校に行きたくない」
ぼそりと息子が言った。
出勤時間が迫る。
ゆっくり話をする時間はなかった。
もう知らない!
勝手にしなさい!
そんな感じで
息子をひとり残して出勤したと思う。
息子を発見した情景は
とても覚えているのだけれど
その後のこと
その日、どう仕事したのか
帰ってからどうしたのか
あんまり覚えてない。
頭が真っ白だったと思う。
その時はまだ
その後、何年も学校に行かなくなってしまうとは
思っていなかった。
コロナで世の中もおかしいから
それが落ち着いたら
またすぐ元のように学校に行けるだろう
そんな風に思っていた。
今でもあの時のことを思い出すと
胸がぎゅっとなる。
息子を激しく責めてしまったこと
もう少し他の言葉をかけていたら
また違ったのだろうかと。
でもあの時の私には
ああするしかできなかったな…。







