『まずはこれ食べて』原田ひ香

 

学生時代の友人同士で立ち上げた

ベンチャー企業「ぐらんま」で

多忙な日々を送っている。

 

不規則な生活のせいで食事はおろそかになり

社内も散らかり放題で殺伐とした雰囲気だ。

 

そんな状況を改善するため、

社長は会社で家政婦を雇おうと提案する。

やってきた家政婦の筧みのりは無愛想だが

完璧な家事をこなし、

心がほっとするご飯を作ってくれる。

筧の作る食事を通じて社員たちは

次第に自分の生活を見つめなおすが・・・。

 

本のあらすじより抜粋

 

読み始め

ちょっと暗くて重いなぁ・・・

という印象。

 

 

でも、読み進めていくと

だんだん家政婦の筧さんのご飯を通じて

みんなの心がほぐれていって

それぞれが

自分の価値を見つけていくところが

とてもよかった。

 

 

最後、

なんでも器用にできてしまう

世渡り上手の柿枝さんが

家政婦の筧さんに

「何もできないくせに。

なんの力もない、虫以下の人間のくせに」

と言った言葉に対して

 

筧さんが

「そうだよ。だけど、あたしは料理を作った。

 心を込めて、みんなに最高の料理を作ったんだ。」

と言うところが泣けた。

 

“ただ心を込めて料理を作る”

なんてことないこと。

でもそれがたくさんの人の心を癒し

心を満たす…。

そんな人生を生きたい。

 

 

人から賞賛されるような

目に見えるわかりやすい成功を

価値だと思い

追い求めそうになるけれど

 

でも実は

自分が当たり前にできることを

心を込めてやることで

たくさんの人を幸せに

できているのかも・・・。

 

自分の価値

それに立ち戻るようなお話だった。

読んでよかった。

 

 

 

最近、原田ひ香さんブーム。

前から好きで読んでましたが

読んでなかったお話を読み漁っている。

 

 

『ランチ酒』シリーズが好き!

お酒飲まないけれど、

仕事終わりに主人公みたいに飲みたくなる。

『定食屋 雑』も面白かった!

こんな定食屋さんが近くに欲しい。

 

原田ひ香さんのお話には

美味しいごはんが

たくさん出てくるので

読んでいると食べたくなる。

( *´艸`)