二回戦に入ります。この年の特徴としては、初戦突破したチームの二回戦で、同地区対決が目についたことです。中国地区、関東地区、四国地区、九州地区。もったいないことです。せっかく全国大会なのだから、遠くの学校と試合したいと思います。実はその後も同地区対決は続きます。3回戦、準々決勝、準決勝まで。

でも当たった以上は勝ちたいでしょう!


念のために説明すると、選抜は、組み合わせの段階で決勝までの試合や日時が全て決まります。しかし夏は初戦の組み合わせのみが決まり、ある程度進むと、次の組み合わせを決めます。二回戦の残りを抽選します。などのように、ラウンドごとに抽選していきます。ただし移動の準備などもあるため、勝者が決まっていないところは一塁側の学校が代理で抽選します。ですので、同地区対決も、組み合わせが決まった時点では、◯◯と△△の勝者対⬜︎⬜︎の試合が決まりました、という紹介です。なお、現在の組み合わせは、ベスト8進出までの組み合わせを決めることになってます(1〜3回戦)。これは警備上の問題だそうで、第99回大会(2017年=平成29年)から採用されてます。

では二回戦です。


8月12日

第3試合 川之江 対 八戸

③横手と下手の投げ合い!失策と一発で決着‼️


川之江 000 001 002 3

八 戸 000 000 000 0


初回、川之江は二死ニ、三塁のチャンスを逃すも、八戸も同じく一死満塁を逃す。川之江のアンダーハンド・川上、八戸のサイドスロー・橘ともにピンチをかわすと五回までともに無得点の投手戦。六回、川之江は一死から三好がライト線二塁打。次の川崎の打球は一塁邪飛。しかし捕球した一塁・沢田がニ走・三好を牽制し、悪送球となって川之江が先制する。このまま九回川之江の攻撃。一死から薦田が四球の後、好投を続ける川上がレフトスタンドへ2ラン!このまま川上は6安打完封勝利を達成した。


8月13日

第1試合 甲西 対 県岐阜商

①創立3年目の初陣がまさかの名門撃破‼️


県岐商 200 110 001 5

甲 西 320 200 00X 7


夏16回目の県岐阜商と学校創立3年目の初陣・甲西。県岐阜商のワンサイドが予想されたが、試合はもつれた。初回、県岐阜商は甲西の三塁手、遊撃手の計3エラーで労せず2点先制。しかしその裏、エラーした遊撃手の高野が四球で出塁すると三進後、四番の石躍のスクイズで1点を返す。これで落ち着いた甲西は、さらに二死二塁から西岡の二塁打、安富右前打で逆転する。二回にも加点し、四回、県岐阜商の藤田にソロを浴びるもすぐにその裏、高野の四球から一死一、三塁とし石躍が2度目のスクイズ、さらに西岡が2本目の二塁打で突き放す。甲西の金岡は11安打を浴びながらも県岐阜商を5点に抑え、大金星の原動力として粘り強いピッチングを見せた。


第2試合 日立一 対 広島工

②日立一・増田快投劇!強豪に完封勝利‼️


広島工 000 000 000 0

日立一 020 010 10X 4


日立一は県の決勝で七回表終了して1対7の敗色濃厚なゲームを追いつき延長で甲子園を決めた粘りが持ち味。対する広島工は、春の中国地区で優勝した広陵を決勝で倒した。総合力では広島工有利かと見られていたが、予想以上に日立一の増田の左のカーブと外角直球が冴えた。

二回、日立一は鎮目が四球、野上が死球の二死一、二塁から綿引がライト線三塁打。二者を迎え入れる。綿引の本盗は打者の三振の方が早く認められなかったが、五回にも岡のライト線二塁打と石川昌の左前打、飯塚死球で満塁とし、鎮目の左犠飛で追加点。七回にも岡、飯塚の安打などで一死満塁から増田が左犠飛でダメ押しした。日立一の増田は広島工をわずか3安打に抑え完封勝利に結びつけた。


第3試合 津久見 対 東海大工

③九回真っ向勝負は白熱の一戦‼️


津久見 000 000 104 5

東海工 100 000 000 1


津久見の野村は立ち上がり、原口に中前打から一死二塁とピンチ。ここで戸崎の遊ゴロが走者と交錯し二塁打となり先制を許す。しかし二回以降は散発3安打と立ち直る。しかし肝心の打線が繋がらない。三回は無死走者の東が佐藤のバント空振りで刺され、五回にも上島の暴走で無得点。七回、佐藤の左前打を挟み3四球で同点とするも、その直後、吉田が逆転スクイズを空振りで失敗。

試合は同点のまま九回に!津久見は先頭・小山がライト線二塁打。悪送球もあり無死三塁の絶好のチャンス‼️しかし東海大工の長縄は東を三振、佐藤を左邪飛に打ち取り二死三塁で上島勝負‼️上島は期待に応え、中前打でついに勝ち越す!これで流れをつかんだ津久見はさらに宇都宮が左前打、吉田も詰まった左前打。さらに岩尾が中越え二塁打で計4点のビッグイニング‼️津久見の野村は5安打に抑え、初回の1失点も、5安打完投した



第4試合 海星 対 和歌山工

④和工・自慢の投手が粉砕され、海星圧勝‼️


海 星 013 040 012 11

和歌工 100 000 000 1


和歌山工の森岡は、昨年選抜でも好投していた。そのため和歌山工有利と見ていたが、三重・海星の北野が187センチの大型左腕の好投手だった。内角直球と落差のあるカーブで5安打、奪三振10のピッチングを披露。また海星打線は森岡の攻略に成功して一方的な展開となった。

初回、和歌山工は古屋が死球出塁すると二盗、三盗し、有田の中前打で先制。しかし二回、海星は乾のスクイズで追いつくと三回、四球で2人の走者が重盗し、市野の左前打で勝ち越す。さらに連打で3点目を奪う。四回、和歌山工は四球と連打で一死満塁とするも、北野は信定、滝本を連続三振に打ち取りピンチを脱する。すると五回、海星は6番・野崎から1番・奥田まで5連打で4点を叩き出し勝利を決定付けた。海星は最後まで攻撃を緩めず二桁得点で完勝した。


8月14日

第1試合 東海大甲府 対 岡山南

①打撃戦の予想も甲府打線大爆発で一方的に‼️


東海大甲府 011 400 113 11

岡 山 南 000 010 100 2


昨年夏に続いて連続出場の両チーム。岡山南はベスト8、東海大甲府はベスト16進出を果たした旧チームを越える目標を掲げている。好ゲームが期待されたが、東海大甲府の打線が迫力があった。二回、甲府は二宮が三塁打。すぐに鈴木の中犠飛で先制する。四回にも二宮の右前打から打線がつながる。鈴木、会沢が長短打、福田が送り、秋山、小浜の連打で4点を奪った。七回にも二宮は右中間三塁打で7点目のホームを踏む。岡山南は甲府の福田の攻略に苦しんだ。焦りからかボール打ちが目立ち、キレの良いカーブに翻弄された。五回は二塁手のエラー、七回は小林の右越え二塁打と田中の内野安打で計2点を返すにとどまった。


第2試合 PL学園 対 東海大山形

②大会史上初の毎回得点‼️最多得点、安打など記録づくめの超圧勝劇‼️


東海山形 001 000 015 7

PL学園 254 362 52X 29


優勝候補筆頭のPL学園が注目の初戦。相手エースの藤原が右ヒジ故障のため、PLの一方的な試合が予想されたが、まさかこれほどとは‼️

初回PLは安本がレフトへ先制ソロ!さらに黒木のタイムリー。二回、桑田の左前打から内匠のバント安打まで4連打。さらに松山、黒木の安打でこの回5点。三回は笹岡の三塁打、松山の二塁打で4点。二回、三回ともに打者9人ずつの猛攻を見せる。四回は笹岡の二塁打と内匠の2ラン、五回は清原の二塁打から3連打、桑田の左犠飛を挟み杉本、笹岡、安本、松山と打者10人で6点と、五回終了して20対1の凄まじい大差。山形の藤原は五回で降板するも、PLの猛攻は止まらない。六回は桑田から3連打で24安打の大会記録に並ぶと七回、松山が左前打で大会新記録。さらに今岡から5連打で27点の大会タイ記録。最後は八回、松山、黒木の安打などで大会新記録の29得点と32安打、大会史上初の毎回得点を達成した。PLの桑田は六回3安打で交代したが、東海大山形も代わった井元、小林から安打を浴びせ、九回には石川の二塁打から3連打、さらに代打松元の安打で粘りを見せた。最後にPLは清原を登板させ、2四球で押し出ししたものの、三振を含む二者凡退に打ち取り、記録づくめの試合を閉じた。東海大山形も9安打、7得点を上げ、両チーム合計36得点、41安打など、多数の記録が出た。


第3試合 関東一 対 国学院栃木

③関東対決は接戦の白熱した好ゲーム‼️


関 東 一 200 000 020 4

国学院栃木 200 000 010 3


関東対決は最後まで熱戦を演じた。初回、関東一は室井、田辺の連打で二死一、三塁。古賀が左中間二塁打で2点を先制。しかし国学院栃木も坂巻の四球から木島を攻め、宮田、福田、古後の3連打ですぐに追いつく。栃木は三回、五回、六回と一死二塁のチャンスを攻略できず、試合は終盤に。八回、関東一は室井が遊越安打で出塁すると田辺が中越え二塁打でついに勝ち越し。さらに古賀が右犠飛で2点を奪い、その裏の栃木の反撃を鈴木隆のレフトへのソロのみに抑え逃げ切った。


第4試合 宇部商 対 鳥取西

④中国対決は宇部商が攻守に圧勝の力の差‼️


宇部商 010 001 015 8

鳥取西 000 000 000 0


こちらは中国地区対決。選抜でも好投した田上をどう攻略するかがポイントだが、この日の田上は外角直球と内角に落ちるカーブが絶妙だった。わずか2安打、13奪三振の完封を演じた。

宇部商は二回、二死二塁から藤村の左中間二塁打で先制。その後打ちあぐんだが六回、田上の右中間三塁打を桂が初球スクイズで追加点。八回にも一死三塁から桂が二つ目のスクイズで加点すると九回は田処のレフトへのソロから藤井、田上、桂の連続長打でダメ押しした。途中苦しんだものの、宇部商が実力を発揮した試合だった。


8月15日

第1試合 東洋大姫路 対 立教

①姫路の豊田、下手投げの本領発揮で立教凡打!


立 教 000 000 030 3

東姫路 500 030 13X 12


守りの東洋大姫路が大爆発!エースの豊田のホームランまで飛び出した‼️

初回、姫路は先頭・石田が左前打。大墨四球の後、阿山が中前先制打。さらに重盗、小橋、野本の連続タイムリーで計5点を奪った。

豊田は高めのツリ球が冴え渡る。五回裏、二死二塁から豊田自らレフトスタンドへ2ラン。勝利を決定付けた。八回、立教・黒須が3ランで完封を免れたが、その後も姫路は打線が元気。結果大量12点を奪い危なげなく勝利した。


第2試合 沖縄水産 対 旭川竜谷

②沖水、二戦連続北海道対決を制して16強‼️


旭川竜谷 000 010 000 1

沖縄水産 000 200 10X 3


沖縄水産は初戦に続いて北海道との対戦。

沖縄水産の安里は打たせて取るピッチング。旭川竜谷の泉は落ち着いたコーナーワークで打ち取っていく。沖縄の脚力が勝敗を分けたか?

四回、それまで1安打に抑えられていた沖縄は上原忠が左中間三塁打。宜保が中前に弾き返し先制する。さらにバントで送り、新垣の中前打で2点を先制。五回の旭川は先頭の岡田が出塁するとすかさず二盗、三盗‼️捕手の悪送球で一気にホームまで生還する。七回、沖縄は新里が右前打。新垣もすぐに二盗すると、知念の遊ゴロで三進し、さらに続く安里の遊ゴロでホームに突っ込み駆け抜けた。旭川も九回、一死三塁と粘るも、内飛、外飛で粘りきれなかった。


第3試合 東北 対 佐賀商

③互角の打ち合いも無死からのつながりの差‼️


東 北 020 100 014 8

佐賀商 000 010 000 1


ヒット数は東北が11本、佐賀商が12本。試合結果は思わぬ大差。東北は二回、岩渕のスクイズで先制するなど下位打者の活躍が目立った。6番葛西が二塁打2本を含む4安打、7番岩渕は八回にもスクイズを成功させ、8番熊谷も3安打で2点を叩き出した。佐賀商も五回、松本が右中間三塁打で1点を返すが、続く島の左飛で焦ってホームタッチアウト!八回には3安打で一死満塁と攻めるも前田秀の痛烈なライナーはショート正面で併殺に!逆に九回、東北は二死満塁から葛西のレフト線二塁打で走者一掃の8点目を奪って勝利を決めた。九回一死まで東北は不調の佐々木が12安打を浴びながら投げ、最後の2人を葛西が投げて試合を締めた。


第4試合 鹿児島商工 対 徳島商

④選抜に続いての実力校対決は返り討ちに!


鹿児島商工 000 002 000 2

徳 島 商 000 100 000 1


選抜では鹿児島商工が5対1で徳島商を下したが、ともに力のある好チームの対決!

鹿児島商工・長浜、徳島商・広永の投げ合いで序盤、チャンスをともにつくるも無得点。四回の徳島商は滝上の左前打から二死二塁とし、浜の中前打で先制する。五回にも二死から浦の左中間二塁打が出るも、ここは長浜が踏ん張る。すると六回の鹿児島商工は山元、松下の安打で二死一、三塁から寺山が右中間三塁打で逆転。その裏徳島商も先頭の広永が中越え二塁打でチャンスをつくるが、滝上のバント空振りで広永は二、三塁間で挟殺。八回にも徳島商は一鷹、新野の安打で二死一、三塁とするも無得点。好投手の投げ合いは、ワンチャンスを活かした鹿児島商工が勝利した。


8月16日

第1試合 熊本西 対 東京農大ニ

①五回まで競り合いも連打で一方的に!


熊本西 000 100 000 1

農大ニ 002 004 30X 9


東京農大ニの背番号14・竹下選手は、8月12日の日航ジャンボ機墜落事故により父親を失った。竹下選手はこの日現地に行くため不在である。群馬県御巣鷹山は前代未聞の事故のため捜索隊などが殺到し、農大ニは竹下が戻るまで負けられない、と団結していた。試合はまず三回、農大ニの立岡、藤野の2盗塁で揺さぶり、竹下久が中前先制タイムリー。四回に四死球からタイムリーで1点を返されたものの、六回、立岡の四球を絡め、4本の長短打で4点を奪い勝負を決めた。熊本西は四回、1点をあげた後の一死満塁を活かせなかったのが響いた。


第2試合 久留米商 対 延岡商

②九州対決は大熱戦の白熱した投手戦‼️


久留商 000 000 002 2

延岡商 000 000 000 0


九州対決は壮絶な投手戦!久留米商・秋吉、延岡商・花田ともにストライクが先行。丹念にコーナーに投げ分け、冷静なピッチングが光った。

得点機は四回の延岡商。山下が三塁線にセーフティバントで初安打。バントと三盗で二死三塁とするも四番中村は三振。対する久留米商は八回終了までわずか1安打。チャンスすらない。迎えた九回の久留米商。二死から八谷が四球後、3番・秋吉がストレートを強打、打球は中越えタイムリー二塁打。さらに田中丈が右前打で待望の2点を先制する。その裏延岡商も2安打を集め二死一、三塁と粘るが、5番・佐藤浩の痛烈な当たりは二塁手・八谷に好捕された。久留米商・秋吉は5安打完封、延岡商・花田も3安打と両投手ともに素晴らしい投手戦であった。


第3試合 高知商 対 志度商

③四国対決は中山裕が本領発揮の完封勝利‼️


志度商 000 000 000 0

高知商 200 000 02X 4


四国対決は、初戦ピリッとしなかった高知商・中山裕が本領発揮‼️立ち上がりから6者連続三振、五回終了まで相手をノーヒットに抑える。六回、一死から二塁手・松岡が球をはじき、記録はヒットとなり快挙はなくなった。八回にも戸崎に左前打されたが、牽制で刺し、結局2安打12奪三振、残塁1の完璧な完封劇。打線の援護こそ四番・小松の初回の左中間二塁打、八回の中前打で4打点と遅いものの、危なげないピッチングであった。


以上が二回戦です。

なんといってもPL学園の、甲子園大会史上初となる毎回得点の圧勝劇‼️日本中が度肝を抜かれました‼️それを追うべき高知商。ようやく中山が本領発揮か?苦戦した津久見を含め、久留米商、鹿児島商工の九州勢、東北、東洋大姫路なども順調です。宇部商、東海大甲府なども強さを見せています。

いよいよ次は三回戦の激突になります‼️