いよいよ夏の甲子園が始まります!打倒PLのチャンスは?注目の各校の初戦は?


8月8日

第1試合 開幕戦 旭川竜谷 対 大社

①開幕戦!いきなりの延長戦で白熱の甲子園‼️


旭川竜谷 200 000 000

大社高校 002 000 000


旭川竜谷 1 3

大社高校 0 2


開幕戦は2年生エース同士の投げ合いとなった。大社の安藤は立ち上がり、リズムに乗る前に旭川竜谷の先頭・岡田に初球を左前打。サイレンの鳴り止まぬ内の一打から送り、橋本の中前打で8球で1点。さらに池辺、佐々木の連打で竜谷は幸先よく2点を奪った。しかし二回、竜谷はバントを4度もファールとし、併殺とまずい攻めで流れを離す。すかさず大社は三回、前田四球、中山内野安打の後、板垣が左中間二塁打を放ち、たちまち同点とする。ここから大社の安藤、竜谷の泉がともに立ち直り、試合は延長戦に突入。竜谷は10回一死から、岡田が初球ストレートをレフトラッキーゾーンに大会第1号の決勝ソロ‼️開幕戦に相応しい好試合の決着をつけた!


第2試合 東洋大姫路 対 高岡商

②下手投げ同士の好ゲーム!立ち上がりに明暗!


高岡商 000 000 000 0

東姫路 300 000 00X 3


東洋大姫路の豊田と高岡商の竹島はともに下手投げ同士。明暗は初回の立ち上がりだった。

初回、東洋大姫路は一死後、大墨が死球で出塁するとすぐ盗塁。さらに三盗を仕掛け、阿山がその球を打った。打球は投ゴロだったが竹島は打球を取れず中前先制打!さらに一死一、二塁から小橋が右前タイムリー。さらに山本のスクイズで3点を先取した。竹島はしかしこのあと立ち直り、姫路打線を3安打に抑え味方の援護を待つ。一方、姫路の豊田は落ち着いたピッチング。ストレートが走り、カーブとのコンビネーションでわずか2安打、74球の完封劇だった。


第3試合 徳島商 対 東邦

③両者二桁安打も徳島商、集中打と長打で圧倒‼️


徳島商 314 207 001 18

東 邦 400 000 400 8


二回までは手に汗握る打撃戦。初回の徳島商は、二塁打の折野が滝上の右前打でホームタッチアウトとなる嫌な展開も、続く松井がレフトへ3ランで帳消しにする。しかしその裏東邦も二死二、三塁から投手の田中が2点二塁打、さらに小久保の中越え三塁打、沢田の左前打で逆転。二回、徳島商は二死から一鷹の死球、二盗、捕逸で三進から浦の中前打ですぐに追いつく。迎えた三回の徳島商は広永の左前打を野手が突っ込み二塁打に。するとここから東邦の守備が乱れる。滝上の犠打は野選、四球で無死満塁から浜の中前打を悪送球。さらに多田のスクイズ、八田の中前打で4点。

徳島商は四回にも一死から折野が四球、広永、滝上の連打後、松井の二塁打で10点目!六回には四球3個を挟み二塁打3本、三塁打一つを含む7安打の猛攻で7点。九回には松井のこの日2本目のソロも飛び出した。徳島商は21安打の凄まじい攻撃。一方広永は七回に3安打、2四球を集められ4失点するなど、13安打を打たれ苦しんだ。東邦はよく打ったが守備の差から点差が広がり雑さが目についた。


8月9日

第1試合 関東一 対 花園

①初陣伸び伸びと迫力打線で持ち味発揮!


関東一 012 252 000 12

花 園 000 001 000 1


初陣同士の試合は、選抜準優勝の帝京を破って出場した関東一の豪快さが発揮された。二回、関東一は塩田が左越え三塁打で先制。続く三回は田辺が左越え2ラン。田辺は五回にも二打席連続ソロを中越えに放り込む3打点の活躍。先制打の塩田も五回の左中間三塁打などで5打数4安打2打点の活躍。打撃だけではなく山本の2盗塁を含むチーム5盗塁など小技も決めスキない関東一。先発木島は八回を9安打されながら1失点のみ、のコーナーワークの良い組み立てで快勝した。


第2試合 智弁学園 対 東京農大二

②快腕一年・辻本、完投虚しくサヨナラ負け!


智弁学園 000 000 100

東農大ニ 000 010 000


智弁学園 0 1

東農大ニ 1 2


智弁学園の先発は一年生の辻本。序盤は農大二が辻本を攻める。初回の無死一、二塁はバント見逃しで二走が牽制アウト。三回は飯野の中前打、関口のバント安打、竹内朗も出塁した無死満塁で加藤が三振。立岡は投ゴロ併殺とチャンスを活かせない。しかし五回、一死一、三塁から加藤が左前打でようやく先制する。しかし七回、智弁学園は坂口が農大二の竹内久からレフトへ同点ソロ。八回には二死二、三塁と攻める。しかし四番・堀川の三遊間の当たりは好守に阻まれ延長戦突入。10回、農大二は竹内朗が右前打。バントで送り、一死二塁から立岡が左中間サヨナラ二塁打‼️竹内久は6安打完投。辻本はスケールの大きな投球で今後に期待できる一年生だった。


第3試合 日大三 対 鳥取西

③好チーム対決互角の展開も守備力に差‼️


鳥取西 100 132 000 7

日大三 100 030 000 4


初回、鳥取西は一死二、三塁から佐々木が先制打。すぐに追いつかれると、四回にまたも佐々木が今度はレフトラッキーゾーンに勝ち越しソロ。五回にも鳥取西は日大三の柴平、園部から西土井の左前打などで3点をさらに追加。日大三もその裏、鳥取西の千村の乱れを逃さず一死満塁から佐野の中越え三塁打で1点差とし、なおも一死三塁。ここで田村の当たりは左飛。しかしこの日の佐々木は守備でも見せる。左飛捕球後、ホームへ送球、併殺で流れを渡さない。すぐに鳥取西は六回、二死満塁と攻めたて、西土井が二塁横に鋭いゴロ。井上が回り込んで好捕したものの、二塁カバーの青木が痛恨の落球で二者生還。大きな追加点となり、日大三を振り切った。


第4試合 沖縄水産 対 函館有斗

④機動力対決も、函館にミス連発‼️


沖縄水産 101 123 021 11

函館有斗 000 001 000 1


投手に不安だった沖縄水産だが、先発安里が好投を見せた。初回、沖縄水産は武器である足を見せる。二死、二走の松田が三盗し、捕手の悪送球を誘い先制。四回にも二死三塁で先発阿部研が暴投。五回にも一死満塁から押し出し、救援の盛田幸も押し出し。守りのほころびが投手のリズムに影響を与えたか?六回には二死一、二塁から上原忠がレフトラッキーゾーンに3ラン。八回にも上原忠はドラッグバントでダメ押し点をあげた。函館有斗は六回、川原の三塁打を五味川の右犠飛で返したが、得点はこの1点のみ。試合はワンサイドになったが、沖縄水産は九回に登板した上原晃、函館有斗は中盤に投げ、打たれたものの、盛田幸の両一年生投手に光るものがあった。


8月10日

第1試合 東北 対 福井

①東北、ソツなく2本のスクイズで辛勝!


福井 100 000 000 1

東北 001 001 00X 2


東北の先発佐々木は制球に苦しむ。初回、四球、バント、四球から平山に中前打で福井が先制。五回まで毎回安打で福井のペース。しかし耐えながら三回、東北は熊谷が左前打。富沢の投前バントが悪送球を誘い無死二、三塁とすると、すかさず村瀬がスクイズで追いつく。しかし、この時二走富沢までホームに突入しアウトで逆転機を逃す。しかし六回、村瀬が四球、二盗、送りの後、浜田がスクイズで逆転に成功する。福井は九回、二死から市井が二塁打。続く山崎茂が中前打。二走がホームに突入したと見た山崎茂は、しかし二塁でタッチアウト。市井はあたりの良さを見たコーチの指示で三塁に止まっており、同点機を逃した。東北はわずか3安打。福井は8安打と圧倒したが、東北のスクイズのタイミングが冴えた。


第2試合 鹿児島商工 対 北陸大谷

②北陸、終始リードも後半アーチ合戦に敗れる!


 北陸大谷 030 000 011 5

鹿児島商工 100 001 022 6


初陣の北陸大谷が金星を逃した。初回、三季連続出場の鹿商工は無死満塁と攻めたてるも、鳥越の左前打の1点のみ。二回、北陸大谷は好投手長浜がストライクをそろえてくるところを狙い打ち。5連打で逆転する。中盤までともに立ち直り、六回、鹿商工は菊橋の左中間二塁打で1点差に追い上げる。八回、再び2点差となるも、その裏鹿商工は二塁打の寺山をおき、菊橋が左中間スタンドへ同点2ラン‼️4対4として九回の攻防。北陸大谷は石川が左中間へ勝ち越しソロ‼️しかし鹿商工はその裏有村がレフトポールギリギリの同点ソロ‼️さらに松下が右中間三塁打。満塁策で無死満塁から鳥越の左前打で鹿商工はサヨナラ劇を演じた!


第3試合 延岡商 対 丸子実

③延岡・花田、気迫の投球で強打線を完封劇!


丸子実 000 000 000 0

延岡商 000 001 20X 3


打線に自信の丸子実と、花田投手を中心とした守りで接戦を勝ち進んだ延岡商。花田の粘りが絶対的に必要なゲームであった。

試合は丸子実が攻めるも、花田のまっすぐに力がある。丸子実はボール球に手を出して五回終了して0対0。二回の無死一、二塁は花田がバントを三封。四回、先頭にヒットも併殺と見事なピッチング。六回、延岡商は一死から宮田が中前打。二死三塁としてから佐藤浩が中前タイムリーで先制。さらに七回、遊失から一死二塁となり山下がレフトへ決定的な2ラン。花田は5安打完封を果たした。


第4試合 立教 対 佐世保実

④エース骨折の佐実悔し!立教ソツなく快勝!


佐実 000 100 000 1

立教 001 020 02X 5


初出場とはいえ、選抜で勝利を上げている佐世保実と、夏初出場の立教。しかし佐世保実はエースの吉田が県大会準決勝で右手甲に死球骨折で出場できない。打線と攻撃的な守備でカバーするはずが、ミスによる自滅となった。

三回、立教は桐山がチーム初安打の右前打。平田のバントは野選となり、ここで佐実が守備で仕掛ける。バント対策で中堅手が二塁カバーに入り併殺狙い。しかしここで捕逸が出て無死二、三塁。高林が右前打でなんなく先制。四回、佐実も内野の犠飛で同点とするも、五回、桐山が再び安打。バント、高林の安打で一死一、三塁。佐実の小森が三塁牽制の時、一走高林が二盗。これに対し三塁手桑崎が二塁悪送球!桐山生還し、高林は三進するなどこの回もエラーに乗じて2点を追加。八回は二死から西川の左中間二塁打、清水、桐山の連打でダメ押しの2点を追加。佐実の自滅的な守備の乱れをついて甲子園初勝利に結びつけた。


8月11日

第1試合 熊本西 対 磐城

①磐城打線、12安打もつながらず、残塁13!


磐 城 000 020 001 3

熊本西 300 010 30X 7


初陣の熊本西はいきなり初回、先頭の藤森が中越え二塁打。水田の犠打野選、川崎四球で無死満塁のチャンス。一死後、岡の二ゴロで先制。毛利四球後米本の中前打で計3点。対する磐城も五回、吉田の四球から酒井、白石の連打で1点差と追い上げる。しかしその裏熊本西は、先頭の藤森が再びレフト線二塁打し、三盗。水田の中犠飛で追加点。七回表の磐城は二死一、三塁から重盗を仕掛けるも、熊本西の落ち着いた守備で三走白石がホームタッチアウト。するとその裏熊本西は無死一、二塁から水田が左中間三塁打。さらに一死後坂本の中ライナーがヒットとなる微妙な当たり。安打は12本と磐城が上回ったものの、7安打の熊本西が効率よく相手を突き放して快勝した。


第2試合 志度商 対 中越

②ともに11安打の互角の打線も守備に大きな差!


志度商 010 000 120

中 越 000 001 021


志度商 2 6

中 越 0 4


二回、志度商は平井が初球をレフトラッキーゾーンに先制ソロ。対する中越は六回、持ち前の打力で戸崎の制球が甘くなったところを捉え同点として終盤を迎える。七回、志度商は内野安打の平井を二塁におき、薮下のレフトへの二塁打で勝ち越し。さらに八回、砂川が二ゴロ失、二盗とし、日下が右前打で追加点。さらに戸崎が右前打。戸崎は牽制で釣り出されたものの、挟殺プレーの乱れからさらにもう1点。対する中越も八回、3本の二塁打を集め1点差とすると、九回、本間の中前打でついに同点に追いつく。試合は延長戦に突入。10回、志度商は多田が二ゴロ失、バントで二進し砂川が中前打。野手の後逸もあり決勝点。さらに日下の左前打も処理を誤り2点目。ともに打線は11安打と活発も、中越は5失策が痛かった。


第3試合 佐賀商 対 福岡

③佐賀商・集中打と失策で相手を攻略!


福 岡 100 003 000 4

佐賀商 001 500 00X 6


岩手・福岡と佐賀・佐賀商の伝統校同士の対決。試合は終盤までもつれる熱戦となった。先制は福岡。連続四球で無死一、二塁のチャンス。3番・斉藤幸がヒットエンドランを空振りし、ニ走が三塁でアウトとなるが、四番・中田が左前打で先制する。佐賀商も三回、一死後三ゴロ失でチャンスをつかむと光岡が中前打で同点とする。四回ビッグイニングが佐賀商に!一死二塁からまたも三ゴロ悪送球!斉藤幸のリズムが崩れ、四球を挟み5本の長短打で大量5点が佐賀商に!福岡も六回、二死一、二塁から中田、安田に連続二塁打で3点を返し一気にもつれだす。さらに八回、福岡は無死一、二塁!ここで斉藤幸の当たりはニゴロ封殺打。チャンスを広げることができず、佐賀商が逃げ切った。


第4試合 高知商 対 藤嶺藤沢

④剛腕・中西、不完全デビューも初回で決着!


藤嶺藤沢 000 000 011 2

高知商業 501 000 30X 9


神奈川県大会で横浜を破って初出場の藤嶺藤沢と、選抜優勝校の伊野商に決勝で逆転勝ちで甲子園にきた高知商!春の四国大会で優勝していることもあり、高知商が少し優位か、と見られていた。

試合は初回、藤嶺藤沢の大立が制球難!二者連続四球、バントを挟みまた二者連続四球で押し出し。さらに一死満塁から松岡が2点タイムリー左前。二死後四球で三度満塁となり、暴投、楠の左前打でさらに2点追加する。三回には小松がレフトへライナーのソロ!七回には中村の中前打、中山昌が四球、小松の左前打で無死満塁から中山裕が右越え三塁打で9対0と圧倒。藤嶺藤沢は、ここから一年生・一条を登板、三者凡退に抑えると、八回は2つの四球と投内野安打から満塁とし黒川が押し出し四球。九回にも一死一、三塁から諸橋の一内野安打で計2点を返したが、力及ばなかった。高知商の中山裕は8四球、8被安打と振るわないが、奪三振10個を奪い完投した。


8月12日

第1試合 銚子商 対 宇部商

①大型チーム、まさかの沈没!雨中戦の誤算!


宇部商 103 100 012 8

銚子商 101 000 010 3


打倒PLに関東勢として一番評価の高い銚子商。エース片平と二番手大川が、それぞれ打線でもトップと四番でチームを引っ張る。対する宇部商は選抜で力のあるところを披露している。好ゲームが期待されたが、雨で開始が20分遅れたことが影響したのか、初回から点の取り合いとなった。

宇部商は先頭・佐藤がいきなり中越え二塁打。四球、内野ゴロで二死一、三塁から暴投で先制する。銚子商も先頭・大川が四球、バント、笹本の右前打で一死一、三塁から片平の中犠飛ですかさず同点。三回の宇部商は先頭・佐藤がレフトへソロ‼️さらに田処が右前打から福島もレフトへ2ラン‼️片平をノックアウトする。その裏銚子商も遊失から大川、伊坂の連打で1点を返すが、その後の一死満塁で川上が併殺でつぶす。すると宇部商は四回、四球から2つの内野エラーで追加点。5対2のまま試合は終盤に。八回、宇部商は三振振り逃げの走者をバントで送り、佐藤の中前打で返す。銚子商もその裏四球、川上の左前打で二死一、三塁からこちらも振り逃げで1点を返す。しかし九回、宇部商は福島の右中間三塁打から藤井、田上の連打、さらに藤村のスクイズでダメ押しの8点目。宇部商・田上は雨の中、5安打、11奪三振と見事なピッチングだった。


第2試合 能代商 対 久留米商

②強打能商、秋吉のシュートに完封負け‼️


能代商 000 000 000 0

久留商 200 100 01X 4


秋田県予選で強打を披露した能代商。同タイプの秋田・太田を攻略しただけに自信を持って挑んだが、初回の入りで流れをつかみ損ねたか?

久留米商は初回、八谷がレフト線二塁打。二死二塁から田中丈が左中間スタンドへ先制2ラン‼️

四回にも田中慎が右前打、送り床島が中前打。ここで光山が投前スクイズ!内野安打となり3点目を奪う。久留米商の秋吉はシュートが冴え八回までわずか2安打。能代商自慢の打線を封じ込める。八回裏、久留米商は二死から高山が二塁打で出塁すると、遊失でダメ押しの4点目。九回、能代商は一死から長門が中越え三塁打を放つも二者凡退し、久留米商の秋吉は3安打完封勝利を記録した。能代商は完敗であった。


ここまで一回戦です。注目のPLは二回戦からのスタートとなります。初戦の結果を見ると、開幕戦から延長戦のスタートで盛り上がりました。徳島商対東邦戦は、打撃戦との予想でしたが、想像以上に徳島商の打線が迫力ありました。智弁学園の大型一年・辻本は延長サヨナラの不運でした。東北、鹿児島商工がともに苦戦しながら辛勝したこと、佐世保実の吉田の骨折もありました。また屈指の好カードと見られた、高知商対藤嶺藤沢戦、銚子商対宇部商戦は、ともに意外な一方的な展開となりました。

また打たれたとはいえ、一年生投手の活躍が目立ちます。前述の智弁学園・辻本弘樹、函館有斗・盛田幸妃、沖縄水産・上原晃、藤嶺藤沢の一条健介などスピード豊かでこれからの甲子園を沸かすであろう存在です。

二回戦にも注目しましょう。