ここから準決勝と決勝についてまとめます。

準決勝の見どころは⑥で触れた通りです。では


8月20日 準決勝

第1試合 鎮西 対 取手二

①取手二の打棒炸裂‼️強打で圧倒し決勝へ


鎮 西 100 000 005 6

取手二 050 020 38X 18


鎮西は初回、先頭の伊藤がいきなり中越え三塁打。工藤の安打で先制した。しかし取手二もすぐに二回反撃。先頭の桑原が右中間二塁打、送って石田が前進守備の二塁横を抜ける同点打。さらに安打と四球で満塁から小菅の右中間逆転三塁打。二死後佐々木の中前打で一挙5点を奪った。
鎮西も三回、一死満塁として先発柏葉をKO、石田を引きづり出した。しかし石田の力のある球に抑えられ逸機。取手二は五回に2点、七回にも桑原の2ランなどで追加して松崎をKO。八回には石田の3ランなど先発全員安打の16安打の猛攻を浴びせ、大量18点を挙げた。鎮西は最終回、立石の代打2ランなどで5点を返したが及ばなかった。取手二は茨城県勢として初の決勝進出‼️

第2試合 PL学園 対 金足農
②雑草魂あと一歩‼️桑田起死回生の逆転弾‼️

金足農 100 000 100 2
PL学 000 001 02X 3

金足農の桑田対策は、打者一巡するまで全員バントの構えで桑田をかき乱すこと。しかし桑田は全く反応しない。仕方なく、金足農は、本当にバントを敢行する。この対抗意識が、白熱した試合展開の一因となったか?
初回、金足農は大山が投強襲安打で出ると、水沢が手堅く送る。ここで長谷川のあたりは遊ゴロ。この打球がショートの目前で高く跳ね上がるイレギュラーバンド。金足農は1点を先制する。
水沢のピッチングは気迫あふれ、五回終了してわずか1安打。しかし六回、代打清水哲の左前打と桑田の三ゴロ失で一死一、二塁とし、北口がライト線二塁打で同点とする。しかし七回、金足農はすぐに突き放す。鈴木の四球から二死二塁。ここで原田の打球は投手のグラブをはじき、誰もいない三遊間に抜けていく。鈴木が勝ち越し点をあげた。金足農の叩きつける打球が功を奏した。金足農は八回にも二死二塁から長谷川が痛烈な右前打。しかしあまりに痛烈すぎて走者を返せない。この一打が勝敗を分けた。八回裏、PLは一死から清原。水沢は警戒して敬遠気味の四球。ここで桑田がレフトポール上に、起死回生の逆転2ラン。金足農は8安打を放ちながら、5安打のPLに逆転負けを喫し、秋田県勢として69年ぶりの決勝進出は幻となった。金足農による甲子園決勝進出は、この後34年を必要とする。

※決勝戦の見どころ

取手二の快進撃は初戦の箕島戦での一挙5得点‼️これで勢いがつき、決勝まで勝ち進んだ。その打線は迫力がある。一方のPL学園は打線がしぼんでいる。しかし桑田を中心とした投手力や守りは格段に上回る。勝負は桑田を取手二が打ち込めるか?先手を取り、リードする展開になれば取手二に勝機が訪れる。逆に桑田を中心とした守りが発揮され、PL学園がリードする展開だとPL学園の連覇が見えてくる。では注目の決勝です。


8月21日 決勝戦
◯取手二 対 PL学園
粘るPLの執念!断ち切る取手二の破壊力‼️

取手二 200 000 200
PL学 000 001 021

取手二 4 8
PL学 0 4

春に練習試合を行い、0対13でPL学園は圧勝している。取手二はわずか1安打完封負けであった。しかし夏の決勝では、そんな過去の結果など何の参考にもならなかった。
試合開始は雨のため再整備を要し、少し遅れた。この微妙な間が、疲れを感じた桑田と、勢いに乗り盛り上がる取手二の差として、初回の考えられないミスにつながったのではないか?
初回の取手二は二死から下田が中越え二塁打。続く桑原の中前打を、センターが後逸。雨でバウンドが変わったこと、先制点の危険があったこと、決勝戦独特の雰囲気などあるが、このエラーで桑原は一挙にホームへ。取手二が2点を先行する。
対するPLも六回、桑田の二塁打で無死二塁のチャンス。ここで北口の一ゴロをはじき1点差。続く黒木の左前打は、北口をホームで刺し、同点は防いだ。取手二はすぐに七回、二死から小菅がセカンド内野安打。続く吉田の2ランで突き放すが、粘るPLは八回、清原が石田のスローボールを引きつけて左前打で出塁。北口の左中間三塁打と中継した吉田の本塁悪送球で1点差とし流れを渡さないスリリングな展開。迎えた最終回、PLは先頭の清水哲が起死回生の劇的同点ソロ‼️さらに松本死球で無死一塁。ここで取手二は柏葉をワンポイントに。バント失敗させ、再び石田投入。清原三振、桑田三ゴロで延長戦突入につなげた。PLの桑田は三、四、五回といずれも三塁まで走者を置く苦しいピッチング。九回を終え147球で疲れが表面に出てていた。迎えた延長10回、取手二は先頭の佐々木が中前打。バント、四球で一死一、二塁から中島がレフトスタンドへ豪快な3ラン。さらに気落ちした桑田から石田が右中間二塁打。二死後、塙がダメ押しとなるタイムリー左前打。桑田はここでノックアウト。取手二は茨城県勢初の優勝を達成し、PLの夏連覇の夢を砕いた。

なお、この年の秋の国体でも、取手二とPLが決勝対決し、ここでも取手二が優勝を果たした。

奈良国体
一回戦
岡山南 3対2 金足農
PL学園 6対2 桐蔭学園
取手二 4対3 浜松商
松山商 7対2 鹿児島商工

準々決勝
鎮西 11対0 新潟南
智弁学園 3対1 北海
PL学園 9対1 岡山南
取手二 5対4 松山商

準決勝
PL学園 4対0 鎮西
取手二 5対3 智弁学園

決勝戦
PL学 110 010 100 4
取手二 101 030 00X 5

見事な取手二の実力である。すばらしい。そしてこの年、シルバーコレクターとなったPLは、桑田がその敗因について悩み、取手二に教えをこうことになったそうです。そしていよいよKKコンビのラストイヤーがやってきます♪