続いて二回戦。各強豪校の戦いぶりはどうでしょうか?本領発揮?それともまさかの?


8月12日

第3試合 仙台商 対 比叡山

③荻原奪三振12の熱投!九回ピンチも断つ!


比叡山 000 000 010 1

仙台商 200 000 00X 2


初回、仙台商は一死後四球、堀篭が右前打。このチャンスに大坂が中前タイムリー。さらに斉藤四球の一死満塁から荻原も中前タイムリー。幸先よく2点を先制する。仙台商の荻原は低めのストレート、ヒザ元へのカーブが冴え奪三振12の力投。しかし比叡山の福本も立ち直り連打を許さない。迎えた八回、比叡山は二死一塁から吉川が右中間二塁打で1点差。さらに九回、福本の二塁打で無死二、三塁の大チャンス!しかし荻原が二者連続三振の後、遊ゴロと踏ん張り逃げ切った。


8月13日

第1試合 帝京 対 宇部商

①敗色濃厚!浜口2発で逆転サヨナラ弾!


帝 京 031 100 000 5

宇部商 101 020 002 6


序盤は帝京。二回、石上、正保、大見、神保の4連打で3点、四回にも大見がレフトにソロ、と効果的な得点を重ね、秋村から5点を奪い優位に立つ。しかしここから宇部商の粘り発揮。五回、浜口が2ランを放ち1点差。追う宇部商はその後六回、二者連続スクイズ失敗、七回の一死二、三塁では浜口のスクイズが投ゴロで本塁アウト。八回の一死一、二塁も無得点と、活かせないまま迎えた九回。無死一塁と宇部商はまたもチャンスをつくると、浜口がこの日2本目のサヨナラ2ラン!剛腕秋村はついに甲子園で校歌を歌うことができた。


第2試合 市尼崎 対 茨城東

②初陣同士の大熱戦!サヨナラ逃し茨城東涙!


市尼崎 000 102 100

茨城東 000 200 020


市尼崎 2 6

茨城東 0 4


初陣ながら好チーム同士の対決は、予想に違わぬ白熱した延長戦となった。両チーム合わせて7本の長打、21安打の総力戦は、敗色濃厚だった八回、茨城東が江幡の三塁打で追いつきさらに白熱。

迎えた九回、茨城東は井上の三塁打で一死三塁のサヨナラ機。しかし強攻策は実らず、試合は延長戦に。10回、市尼崎は宮長が右越え二塁打すると四球で一死一、二塁。ここで吉田の打球はレフト線へ。レフト江幡のグラブに打球は一度入ったかに見えたがポトリと落ち、決勝点に。さらに池山の一ゴロが失策を誘いダメ押しの2点目を奪った市尼崎は、もつれた試合を制した。


第3試合 宇都宮南 対 高松商

③初陣見事に常連相手に粘り逆転勝ち!


宇 南 000 000 011 2

高松商 001 000 000 1


甲子園春夏合わせて40回出場の高松商に対する初陣の宇都宮南。予想通り先手は高松商。三回、佐々木の二塁打を足場に高野がスクイズ失敗のあと中前打。しかし宇都宮南の荒井は四回以降ノーヒットピッチング。宇都宮南打線は初回から五回まで毎回安打しながら活かせないまま迎えた終盤八回。松本、小宮山の連打でつかんだチャンスに好投の荒井自ら犠飛でようやく追いつく。勢いに乗った宇都宮南は九回、渡辺和の死球、上野の右前打のチャンスに沼生が決勝スクイズ。10安打しながらチャンスを逃し続けたが、名門高松商相手に初出場の宇都宮南が見事に逆転勝ちを演じた。


第4試合 高知商 対 秋田

④悪夢の牽制悪送球!後半追い上げ空し!


秋 田 000 010 200 3

高知商 004 100 00X 5


ビッグ7の最後の高知商は津野の評価が高い。対する秋田は一年生の太田を先発に、横綱に挑む。序盤のピンチをなんとか逃れた秋田だが、三回、山下四球、津野が左前打で無死一、二塁。一塁手がバント警戒で前進したその時、太田はガラ空きの一塁ベースに牽制球。これがファールグラウンドを点々とする間に高知商はあっさり先制、なおも無死三塁。ここで岸本がライトラッキーゾーンに2ラン。さらに敵失、スクイズで一挙4点先取した。四回にも津野、岸本の連打に楠目死球で二死満塁から松浦が押し出し四球。ワンサイドと思われた。しかし秋田は五回、湊がレフト線に二塁打を放つと小林が右前タイムリー。七回には小林がライト線二塁打、赤平がレフト越え三塁打、さらに三ゴロ失でこの回2点で5対3。九回も一死一、二塁と粘るも反撃はここまでだった。


8月14日

第1試合 印旛 対 大田

①印旛打線、不完全燃焼。僅差逃げ切り!


大田 001 000 000 1

印旛 101 000 01X 3


試合の入りは印旛。初回、海老原が右中間三塁打。宮本がすかさずスクイズ。6球で先制したが、対する大田も三回、二死から遊ゴロ悪送球、四球の一、二塁から福島が同点左前打。印旛もその裏すぐに一死二塁からまたも宮本が勝ち越しタイムリー。八回にも3本の安打を集め逃げ切った。投げては印旛の古瀬が4安打、10奪三振で完投勝利した。


第2試合 久留米商 対 小松明峰

②強豪、初陣ひと飲み。圧勝で勢いよく!


小松明峰 000 000 000 0

久留米商 002 510 01X 9


久留米商が投打に圧倒した。三回、矢羽田が投内野安打。続く中野の打球は右中間に伸び、センターが触れるも二塁打となる。ここで永松が中犠飛、さらに山田が右中間三塁打で2点先制。勢いに乗った久留米商は四回、4安打と3犠打で一挙5得点。さらに久留米商は攻撃の手を緩めず12安打で計9点。山田は4安打完封で勝利した。


第3試合 駒大岩見沢 対 箕島

③強豪対決、互角の打ち合い。最後に意地!


岩見沢 100 000 002 3

箕 島 030 011 00X 5


選抜ベスト8の駒大岩見沢と、優勝候補の箕島。初回、駒大岩見沢は小林が三盗。刺そうとした送球が外野に抜ける間に先制する。対する箕島は二回、硯がライト線二塁打。送って角田右前打のあと小林が同点スクイズ。さらに千川が中前打で逆転した。五回は併殺崩れで、六回は吉井の安打で追加点。しかし九回、駒大岩見沢の大西、杉本の連打、さらにイレギュラー安打が2本続くピンチ。5対3となりさらに一死一、三塁となる。しかしこのピンチを箕島・吉井が抑え切った。


第4試合 中京 対 岡山南

④好ゲーム期待も初回で中京、相手飲み込む!


岡山南 002 000 010 3

中 京 600 200 00X 8


初戦、猛打炸裂した中京。この日も打線はスタートからつながる。今井が四球、盗塁のあと、鈴木、野中、紀藤の3連打でまず2点。長島四球のあと、佐々木、高橋が連打。さらに今井がスクイズで、この回6点という大量点。岡山南も三回、死球やパスボールを逃さず2点を返す。八回にも死球のあと三塁打でもう1点を献上。九回にも、紀藤が3連続四球と乱れるも、再び登板の野中が抑え、8対3で中京がベスト8進出を決めた。


8月15日

第1試合 岐阜第一 対 川之江

①岐阜第一、執念で粘り、中盤逆転、逃げ切る!


川之江 310 010 000 5

岐阜一 111 300 00X 6


初回、岐阜第一の守備に乱れが。川之江の先頭田川が四球、加藤投手が暴投。井原の遊ゴロを一塁手が捕球ミス。ここで高橋の右前打を後逸し、2点三塁打に。さらに遊ゴロトンネルでいきなり3点。しかし岐阜第一も小刻みに反撃。三回には早矢仕のライトへソロ。四回には山田の内野安打にエンドラン、盗塁、スクイズとたたみかけ同点に。さらに一死二、三塁から早矢仕が左犠飛で逆転、石地のライト線二塁打で6点目。立ち直った加藤は反撃を五回の1点のみに抑え、かろうじて1点差で逆転勝利に結びつけた。


第2試合 学法石川 対 東山

②打順組み換え学石に好結果。序盤で決める!


東 山 000 000 020 2

学石川 140 000 00X 5


打線を組み替えた学法石川。立ち上がり、その作戦が成功。初回、太田卓が左前打。バント、ボークで三進すると長瀬がスクイズで先制。二回にも猪俣が中前打。添田の投ゴロが二塁悪送球となり、太田光のバントは内野安打となり無死満塁。二死後、押し出し四球で2点目。さらに高橋の中前打はセンターの直前で跳ね上がり頭上を越して三塁打。この回一挙4得点。東山は八回、好投の小椋から一死一、二塁とチャンスを作り、菊井の左中間二塁打でようやく2点を返すもそこまで。学法石川はうれしい初の三回戦進出となった。


第3試合 東海大一 対 鳥栖

③先制も集中打に軍配の互角の打ち合い!


東海一 000 310 300 7

鳥 栖 010 000 000 1


互角の打ち合いは、チャンスでの2本の三塁打の違いである。二回、鳥栖は徳田隆の三塁打と内山の左前打で先制。しかし東海大一は四回、無死で太田代が四球。羽山は前進守備の裏をかく強打。これが右中間三塁打となり同点。さらに村田、松本尚の中前打で3得点。さらに七回、良知のドラッグバントから太田代の安打、羽山の死球で満塁。二死後、岸が右中間三塁打で決定的な点差とした。東海大一は10安打。鳥栖も9安打と互角も、チャンスでの長打の差が出た試合だった。


第4試合 池田 対 高鍋

④全員安打の20本!池田、好投手清野を粉砕!


池田 200 105 400 12

高鍋 000 000 000 0


注目の池田の二試合目。初回、二死から江上が右前打。水野、吉田が中前打で山田が右越え二塁打。鮮やかな先制点。三回の無死二、三塁こそ高鍋の清野が抑えたものの、四回、井上の左中間二塁打で追加点。六回、さらに猛攻。山田の中越え二塁打から満塁とすると、坂本が右中間二塁打。金山も中前タイムリー。水野が2点二塁打、吉田のタイムリーで試合を決める。七回はさらに井上の二塁打、金山の三塁打などでダメ押し。結局、全員安打の20安打の猛攻で圧倒。水野は4安打完封の活躍でチームは三回戦進出を決めた。


8月16日

第1試合 広島商 対 興南

①2年連続の顔合わせは同じ展開に!


興 南 001 002 000 3

広島商 000 102 01X 4


2年連続の同じ組み合わせ。前年は興南がリードしながらワンチャンスで広島商がひっくり返したが、今回は?

試合は興南が先手を取り、三回まで広島商はノーヒット。しかし四回、二死から西川が四球。中村が遊内野安打で初安打が出る。ここで興南の仲田幸は制球に苦しみ出す。立川四球で満塁から、欅が同点の四球を選ぶ。六回、興南は仲田秀、仲田幸の長短打、与儀の犠飛で再び2点をリードする。しかしその裏、遊飛落球から広島商も食らいつく。正路の中越え二塁打でまず1点。西川が送り、中村が同点スクイズ。七回終わって得点は3対3、興南は8安打、広島商は2安打。試合巧者っぷりがわかる。迎えた八回、広島商は西川がライト線安打で二死二塁から、立川が左中間三塁打。昨年に引き続き、広島商は少ない4安打で10安打の興南に勝利した。


第2試合 横浜商 対 佐世保工

②好投手対決も香田自滅!Y校三浦完封劇!


横浜商 121 011 000 6

佐世保 000 000 000 0


好投手対決と期待された三浦と香田。しかし、試合の入りで自滅した形となり、流れも手放した感がある。初回、横浜商は先頭西村が四球、送って高井が三塁内野安打で一死一、三塁。ここで香田が構えと逆球(記録はパスボール)であっさり先制。二回は三浦が右中間三塁打。ここで香田が牽制悪送球で追加点献上。さらに二死から西村が中前打のあと、信賀が右中間三塁打でこの回2点目。三回には佐藤利がライトへソロ。流れは完全に横浜商へ。五回、信賀、高井の連打にエラーで追加点。さらに六回にも二塁打の林を信賀の三塁打で返し、計6点。横浜商の三浦は4安打完封で好投手対決を制し、三回戦進出を決めた。


第3試合 PL学園 対 中津工

③一年生桑田3安打完封!打っては3ラン‼️


中津工 000 000 000 0

PL学 000 001 24X 7


中盤までともに1安打の拮抗した試合。先制はやはりPL学園であった。六回、好投の桑田が右前打。二死後、神野が右前タイムリーでようやく先制。すると七回、朝山、山中の連続二塁打、小島が三塁内野安打、桑田の左前タイムリーで計3点。八回は朝山のタイムリーのあと、桑田がレフトスタンドへ特大3ラン。結局桑田は3安打1ホームランの4打点、投げては3安打完封のワンマンショー。ここにきて一年生パワーが目立ち始める。


以上でベスト16が出揃いました。注目校はどうでしょう。ビッグ7のうち、興南は広島商と潰し合いましたが、6チームは三回戦進出しました。しかし、その中でも潰し合いが出てきます。

三回戦の注目カードは、昨年の決勝戦の再現である、『池田対広島商』と、『高知商対箕島』です。優勝を占う上で大きな試合となります。

それ以外でも、PLの一年生・桑田は投げては完封、打ってはホームラン!劇的勝利の宇部商、市尼崎。圧勝の横浜商、中京、久留米商、東海大一。僅差で勝利の仙台商、宇都宮南、岐阜第一なども次に注目です。