いよいよ三回戦。ベスト8をかけた死闘の数々。注目の一戦は最後の九州対決!早実の関東対決も思わぬ苦戦。候補池田は少しずつ地力を発揮も、まだ本調子ではありません


8月16日

第1試合 熊本工 対 高岡商

①好投手対決も、熊本工打ち砕く!


熊本工 000 010 022 5

高岡商 000 000 000 0


初戦に好投した高岡商の横森だが、五回、熊本工は緒方のライト線二塁打で先制する。試合はそのまま硬直状態。熊本工の奥村も右下手投げから浮き上がるカーブ、沈むシンカーなどが冴え渡り、高岡商は二回に2安打を放ったきりチャンスがない。そのまま後半、球威の落ちた横森を捕らえ、八回、九回に5安打を集めた熊本工が完封勝ちした。


第2試合 比叡山 対 鹿児島商工

②打撃戦、鹿商工、一歩及ばす!


比叡山 011 020 400 8

鹿商工 120 000 300 6


九州No.1の高評価の鹿児島商工。特に強力打線と細かな継投に自信を見せる。対する比叡山も打力に関しては引けを取らない。

立ち上がり、鹿児島商工は打線が活発。初回2安打、二回は3安打を集めて計3点。比叡山も先発弥勒から二回、福西のソロ、1点差とした五回は大西、津山の連打。送った一死二、三塁から山田が逆転左前タイムリー。鹿商工の投手は四回から川俣に代わっていたが、しっかり捕える。勢いに乗る比叡山は七回、二死から二塁打2本、四球、2本の安打で一挙4点。鹿商工のその裏の猛反撃を3点で止めた。比叡山は八、九回を安永が、鹿商工は八回から和田が相手を抑え、そのままゲームセットとなった。


第3試合 法政二 対 東洋大姫路

③試合巧者対決、互いに譲らず熱戦展開


法政二 020 000 000 2

東姫路 000 130 00X 4


相手のスキを逃さない試合巧者同士の対決。機動力を発揮してかき混ぜた東洋大姫路に勝機があった。二回、法政ニは4安打を集中して好投手中島から2点を先制。対する東洋大姫路は四回、奇襲作戦を敢行。一死一、三塁から一塁走者の中島がニ、三歩スチールを仕掛けてワザと転ぶ。すかさず法政ニの桜井投手が牽制するも、そのタイミングで三走がホーム突入。田中がホームイン。このプレーが法政ニの好投手、桜井に動揺を与えた。

東洋大姫路は続く五回、5安打を集中、重盗もあり3点を奪い逆転に成功。東洋大姫路の中島は11安打を打たれながら、立ち直り勝利に貢献した。


第4試合 池田 対 都城

④池田打線、下位も長打で突き放す


池田 011 200 100 5

都城 100 000 200 3


池田は打線に上位下位の区別はない。この日の主役は九番山口だ。同点の三回、レフトへ二試合連続ホームランで勝ち越すと四回は二死三塁から中前タイムリーで4点目。山口は大会通算12打数6安打2ホーマーの活躍。恐怖の九番だ。都城は六回、無死一、二塁からバント見送りで二走が刺されたのが悔やまれる。続く七回に3安打で2点を奪っただけに、六回、1点でも上げてたら展開はどうなっていただろうか?


8月17日

第1試合 早稲田実 対 東海大甲府

①関東対決!互角の打ち合いも強打早実!


早稲田実業 210 000 300 6

東海大甲府 100 110 000 3


大会に入って打線好調の早実。しかし中盤まで東海大甲府の打線は荒木を捕らえ、全く互角の好勝負を演じた。初回、早実は小沢の二塁打、岩田の内野安打で無死一、三塁。椚の暴投で先制すると板倉の左中間二塁打で2点目。その裏、東海大甲府も先頭杉村が右中間三塁打。二ゴロで本封されたが花井が左中間安打で一死一、三塁。椚の二ゴロで1点を返す。二回、早実は岩田のスクイズで1点を追加すると、甲府も四回、大石、狩野の安打で一死一、三塁。狩野が二盗を企て、捕手の悪送球を誘い2点目。五回には杉村が同点ホームランだ。

しかし早実は七回、池田が中前打。ここで板倉が痛烈なサードライナー。杉村がジャンプしたが打球が早すぎ抜けていく。打球はそのままレフトラッキーゾーンへ飛び込む驚愕の勝ち越し2ラン。あまりの凄まじさに三塁審判も右手を回すまでだいぶ時間がかかった。これで動揺した椚から、黒柳のレフト線二塁打、有賀の左前タイムリーと続き、結局6対3。板倉が粘る東海大甲府を黙らせた試合となった。


第2試合 興南 対 広島商

②巧者広島商、剛腕仲田幸をワンチャンスで!


興 南 101 000 000 2

広島商 000 004 00X 4


仲田幸の好投に苦戦した広島商だが、見事、ワンチャンスを逃さなかった。序盤は興南のペース。チャンスで初回、三回と四番の仲田秀にまわり、しっかりタイムリーで期待に応える。広島商は興南のエース仲田幸の、少し荒れ気味の剛球に打ちあぐねたまま五回を終えた。

六回一死から初安打がエース池本から生まれる。初安打は左中間二塁打。これに動揺したのか仲田幸は三者連続四死球。二死後佐々木圭がレフトオーバーの二塁打。走者一掃となり、この回一挙4点をあげた。興南はこのあとチャンスすらない。結局広島商はワンチャンスを活かし、わずか2安打ながら4対2で難敵の興南を下した。


第3試合 中京 対 益田

③候補・中京!危なげなくベスト8へ


中京 000 113 000 5

益田 000 000 000 0


優勝候補の中京は全く危なげなくベスト8へ進出した。まずは四回、均衡を破ったのは岡田のレフトラッキーゾーンへのソロだ。五回は今井の中前タイムリー、六回は4安打を集中させ一方的にする。益田は初回と八回の1本ずつと、野中に完璧に抑えられ、九回の紀藤からも1安打、3三振を奪われ、結局3安打完封で敗れた。


第4試合 津久見 対 佐賀商

④九州対決!互いに譲らず延長の熱戦‼️


津久見 000 010 010

佐賀商 011 000 000


津久見 000 01 3

佐賀商 000 00 2


九州の実力校同士が激突した三回戦最後の試合。期待以上の好勝負となった。

佐賀商の新谷、津久見の古木はともに速球が冴え、変化球も決まる。先頭は佐賀商。二回、四球、盗塁の平塚を二塁に置き新谷がチーム初安打を中前タイムリー。三回にも四球の小林を一塁に置いた二死一塁から為永、古賀和の連続左前打で2点目を奪い優位に立つ。しかしこのあと、荒れ気味の古木の快速球に佐賀商打線は内野安打一本のみに抑えられる。対する津久見も五回、内野安打とエラーから一死一、三塁とし、遊ゴロで1点を返す。八回、先頭二村が四球、盗塁とし送ったチャンスで左少が右前同点打。この裏から津久見は古田をマウンドへ。古田は九回、二死から深川から二塁打を浴び、四球で二死一、二塁のサヨナラのピンチを迎えるも田中を三振に打ち取る。

試合は延長戦に突入。ほぼチャンスらしいチャンスは摘み取られ、迎えた14回。津久見は先頭の伊東が左中間二塁打。送って一死三塁から繁田がスクイズ。新谷が処理を誤りエラーとなって生還を許す。その裏、佐賀商も二死から山本が内野安打と盗塁で二死二塁と粘るも、深川が二ゴロで万事休す。壮絶な九州対決は両チームが誇る投手戦の結果、津久見に軍配が上がった。


ベスト8が出揃いました。九州対決の延長の大熱戦は、しかし勝った津久見にも大きなダメージ。九州のもう一角の熊本工も8強入りです。三強の早実、池田はともに苦戦しながら、中京は圧倒しながら8強です。打撃の比叡山と巧者の東洋大姫路といった近畿勢、同じく巧者の広島商がその勝ち残りです。3回戦まで6校残っていた今大会好調の九州勢は、鹿児島商工、興南、都城、佐賀商が敗れ、二校だけになってしまいました。

このあと、一気に準々決勝から最後までまとめます‼️