開幕戦がいきなりの注目となった夏の選手権大会‼️それだけではなく逆転や接戦、延長など、毎日盛り上がる昭和62年の夏の甲子園‼️

快腕投手の競演で、見どころの多い大会となりました。


8月8日

第1試合 開幕戦 明野 対 天理

①開幕戦!連覇狙うエース自ら一発で追撃に‼️


明野 000 120 000 3

天理 000 020 23X 7


いきなり開幕戦に登場した前年度優勝校‼️相手は昨夏、池田の春夏連覇の夢を初戦で消し去った明野‼️大会屈指の注目カードは、予想通り熱戦となった。中盤、明野は天理・緑川をとらえ3点を先制する。肩痛を押して登板の明野・近藤にプレゼントしたが、五回、緑川が追撃の大会第1号ソロ。岡田が敵失、二盗で続き、藤本が中前打で1点差。六回、明野も二死二塁から山岡が中前打も本塁憤死‼️天理は七回、右中間三塁打の小西を岡田の左犠飛で返し同点。さらに二死二塁から藤本が逆転二塁打‼️八回は岡田の左中間三塁打と中継ミスにより自分も帰ってダメ押しで寄り切った!


第2試合 中央 対 PL学園

②春夏連覇狙うPL、初陣中央に大苦戦‼️


中央 000 020 000 2

PL 100 001 05X 7


春夏連覇を狙うPLの登場‼️初回、尾崎がレフト線二塁打で出塁し、立浪の右前打でなんなく先制するも、その後繋がらない。逆に五回、中央はPL先発・野村のミスに中島の右中間三塁打で逆転する。しかしその後のチャンスをスクイズ失敗で逃し、六回PLは深瀬の中前打で同点として試合は終盤へ!八回、PLは蔵本が死球、送りなどで一死一、三塁。ここで深瀬にスクイズまで考えたPLに対し、中央は敬遠気味に歩かせ一死満塁‼️ここから長谷川の右前打で勝ち越すと、集中打を浴びせ、一気に決着をつけた。打線の援護は遅かったものの、投手は野村から橋本のリレーで盤石だった。


第3試合 金沢 対 八頭

③金沢、夏歓喜の初校歌は大熱戦の果てに‼️


金沢 001 100 100 3

八頭 000 100 010 2


金沢は三回、山崎が左越え二塁打から宮口の中前打で先制すると、四回にも二死二塁から山崎の左越え三塁打で追加点!八頭も四回、綾木がレフトスタンドへ大会第2号ソロで追い上げるも、金沢は七回、またも山崎のレフト線二塁打を足場に3点目‼️八頭も八回、1点を返し、さらに一死三塁としたが、力投の岡本に4安打完投を許した。

金沢は夏、初校歌を聞くことができた‼️


8月9日

第1試合 徳山 対 東海大山形

①野球は九回二死から、例え凡打でも⁉️


東海大山形 000 000 002 2

徳 山 高 000 000 100 1


東海大山形は、徳山の温品の前に八回までわずか3安打に抑えられ、得点圏に走者を置いたのは五回の二死二塁のみ。しかし山形の増田も二回、無死二塁をバント併殺で乗り切ると、六回まで2安打とこちらもすばらしいピッチング!七回、徳山は靏本がレフトへ第3号ソロで均衡を破る。山形は土壇場九回、一死から室角が左中間三塁打で同点のチャンスを迎えるも、ニゴロで二死三塁。四番・渋谷が投ゴロで一塁へ。しかしこの送球が大悪送球‼️まさかの同点となり、さらに二死二塁‼️ここで赤木が中前打でゲームセットが一転、山形が逆転に成功する‼️その裏、徳山も一死から藤本がライトフェンス直撃の三塁打でこちらも同点機‼️しかし靏本がライトへ飛球、タッチアップした三走がホームタッチアウトで劇的な併殺‼️ゲームセットとなった‼️


第2試合 智弁和歌山 対 東北

②智弁和歌山、初陣飾れず‼️打線淡白な攻め


智弁和歌山 010 000 000 1

東 北 高 000 011 00X 2


智弁和歌山は初出場。二回、一死から大井、坂上、南方の三連打で先制する。その裏東北も斉藤の中前打、四球を挟み杉本のバント安打で一死満塁の好機。しかし三振、三ゴロで逸機。五回、和歌山は安打、バント処理ミスなどから二死満塁も泉がライトフライ。その裏東北は小野寺、高城の安打から一死一、三塁とし堀籠のスクイズで同点‼️さらに六回、斉藤、橋本の安打などで一死満塁から小野寺が中犠飛で決勝点をあげた。東北は8犠打とキメの細かい野球で智弁和歌山を振り切った‼️


第3試合 習志野 対 東筑

③守りの東筑、大事なところでミス痛恨‼️


習志野 000 000 020

東 筑 010 000 001


習志野 1 3

東 筑 0 2


東筑は二回、川越の右前打で先制し、そのまま逃げ切りに入る。鍛えた好守で六回の二死満塁も切り抜けたものの、八回綻びが出る。無死一塁から捕逸、さらに好投の山内が牽制悪送球で無死三塁。ここでニゴロで追いつくと、さらに二死二塁から鮎川の左前打で勝ち越しに成功‼️しかし東筑も九回二死から森の右前打で追いつき延長戦へ!10回、習志野先頭の城は中前打で出塁すると二盗する。ここで佐々木の当たりはニゴロだったが東筑の二塁手がまさかのトンネル。快足の城は一気に本塁まで生還し、決着をつけた。


第4試合 伊野商 対 東亜学園

④両エース、持ち味発輝の白熱した投手戦‼️


伊野商業 100 000 000 1

東亜学園 000 100 10X 2


高知県予選32イニング連続無失点の伊野商・中川と、昨年に続いての登場の東亜学園・川島。緊迫した投手戦となった。初回、伊野商は一死二塁から高橋の右前打で先制する。しかし東亜学園は四回、無死一、二塁としてバンド。これが野選と捕手の三塁悪送球となり、労せず同点‼️さらに七回、吉野が中前打、二盗から送り、一死三塁とする。ここで鎌田が左前打で決勝点‼️投げては川島が6安打完投で初の校歌を唄えた。


8月10日

第1試合 池田 対 八戸工大一

①選抜上位同士の真っ向勝負‼️劇的サヨナラ‼️


八工一 011 010 010 4

池 田 000 103 001 5


ともに選抜で上位進出校同士の初戦対決‼️実力校同士の注目カードだ!先手は八工大一。二回、無死一、三塁から河村が左前打で先制すると、三回にも連打とエラーを絡め2点をリード。しかし池田は四回、桑原が第4号ソロで追い上げると再び2点差で迎えた六回、長打攻勢‼️二死から桑原、九鬼、船本のクリーンアップ3連続二塁打で一気に逆転する‼️八回、八工大一は代走吉田の三盗が九鬼の悪送球を誘い同点とし、試合は九回へ。

八工大一は先頭の遠藤が四球で出塁。ここで池田は先発・糸永から桜間にスイッチ。桜間はすかさず牽制で刺し、リズムをつくり九回裏。池田は一死一、三塁のサヨナラ機‼️桜間の当たりはセカンドゴロ‼️ホーム送球より三走多田の足がわずかに早く、サヨナラとなった‼️


第2試合 中京 対 伊香

②中京、犠打8‼️盗塁7にエンドラン7回‼️


中京 210 520 010 11

伊香 100 000 000 1


基本をしっかりした中京が試合を支配した。初回、無死一、二塁で首藤がしっかり送る。後藤が警戒され歩かされると小倉がスクイズ!野選となり一塁に転送される間に2ランスクイズとなる‼️四回には一死一、三塁で首藤がスクイズを見逃したものの、捕手が二塁送球し、記録上重盗となって追加点。さらに安打を集め一気に5点‼️五回には本盗を含む4盗塁、八回にもスクイズでダメ押しと、しっかりリズムをつくって快勝だった。


第3試合 柳ヶ浦 対 帯広北

③壮絶な投手戦、水を差す痛恨の連続エラー‼️


柳ヶ浦 000 000 020 2

帯広北 000 000 000 0


柳ヶ浦の清原、帯広北の高木の見事な投手戦!七回終了時、帯広北は4安打、柳ヶ浦も2安打しか打てない。さらに清原は一回と五回に一走を牽制で刺し、ともにチャンスすらないまま迎えた八回の柳ヶ浦の攻撃‼️遊失と左失で一死一、二塁とし、高口の右前打で一死満塁のチャンス‼️ここで西川が右中間二塁打でついに均衡を破る‼️九回、帯広北も古川が二塁内野安打で出塁するも、サインミスからか二盗失敗でチャンスをつぶし、両投手無四球(大会通算11回目)の好ゲームは柳ヶ浦が勝利した‼️


第4試合 横浜商 対 江の川

④Y校エース、先制ホームランと完封披露‼️


横浜商 001 000 021 4

江の川 000 000 000 0


横原商の先発・古沢は二年生ながら好投する。三回、その古沢が先制となる第5号ソロを放つ‼️江の川も初回の一死二塁、三回の一死一塁でともにバントが併殺となるまずいプレー!五回の一死一塁もスリーバント失敗などきちんとした進塁ができない。四回にはライトゴロもあるなど流れは横浜商へ。八回、二死一、二塁から恒吉が右中間三塁打で待望の追加点をあげ、投げては古沢が6安打を浴びながら要所を締めて完封を記録した‼️


8月11日

第1試合 県岐阜商 対 広島商

①伝統校対決‼️明暗は八回の送りバント‼️


広島商業 000 000 000 0

県岐阜商 000 000 02X 2


広島商・大田と県岐阜商・可児の投げ合い!大田はシュートを低めに投げ、内外角を広く使い打たせて取ると、可児はスピード豊かなストレートと鋭いカーブを内角に投げ込み三振を奪う。両投手譲らない投げ合いは八回、ようやく動く。県岐阜商は先頭・加藤健が左前打、送り、所も左前打で続き一死一、三塁。ここで可児が右前打で先制点を叩き出す。さらに東本のニゴロで貴重な2点目。結局県岐阜商の可児は3安打、10奪三振で完封勝利‼️伝統校対決を制した!


第2試合 沖縄水産 対 函館有斗

②2年ぶりの対決は終盤勝負の大熱戦‼️


函館有斗 100 100 000 2

沖縄水産 000 001 02X 3


2年前の一回戦では11対1で沖縄水産が勝利しているが、その時投げた函館有斗・盛田幸と沖縄水産・上原がともにエースとして君臨した。初回、函館有斗は先頭・佐藤の死球から二死二塁とし、中村の左中間三塁打で先制すると、速球が決まらずカーブでかわす上原から四回にも追加点。しかしその後のチャンスをかわされ、迎えた六回、沖縄水産は上地五のライト線二塁打で1点差とする。さらに八回、沖縄水産はラッキーな安打と四球から二死満塁。ここで小浜が押し出し四球‼️函館有斗の盛田幸は2年前にも、同じ相手に押し出しをしてしまい、それを思い出したのか⁉️続く金城が左前へ弾き返し、ついに勝ち越した。上原はかわすピッチングながら5安打12奪三振と粘投で勝利につなげた。


第3試合 帝京 対 明石

③実力校対決は、芝草の復調で帝京に軍配‼️


明石 000 000 100 1

帝京 002 000 13X 6


ともに選抜出場の両校だが、帝京・芝草は都大会で背筋痛に苦しんだことから、投手力に不安がある。帝京は初回の二死一、三塁、二回の一死満塁を逃したものの、明石・藤本をとらえる。三回、秋山が四球、バント処理のミスで無死一、三塁。大井がライトへ二塁打で走者一掃する。芝草も二回の一死二塁、四回の二死ニ、三塁、六回の一死ニ、三塁を乗り換え七回へ。ここで先頭・橘正に右中間三塁打され、藤本へボールで投手交代。代わった平山がここを1失点に抑え、八回、秋山の2点タイムリーなどもあり、6対1で大勝した。


第4試合 九州学院 対 新発田農

④九学、三本のホームランで全得点、完封‼️


新発田農 000 000 000 0

九州学院 011 000 30X 5


一発攻勢で九州学院が大勝した。二回、左座が第6号ソロをレフトに放つと三回は武藤が第7号ソロをレフトへ‼️さらに七回、二死一、三塁から渡辺が第8号3ランをレフトへ!新発田農としては守りようのない一発攻勢で5点を奪われた。新発田農も七回、二死満塁と攻めるも中飛で活かせず、九州学院の桑崎に7安打を浴びせながら完封を許した。


8月12日

第1試合 延岡工 対 日大東北

①初陣対決はともにホームランで熱戦の白熱‼️


延岡工業 000 200 200 4

日大東北 300 000 000 3


日大東北は初回、一死一、二塁から鈴木が第9号3ランで先制する‼️日大東北の国分も打たれながらも懸命に投げる。しかし四回、三津に第10号2ランを浴び1点差‼️延岡工・柳田も打たれ強さを発揮して勝負は七回へ。延岡工は牽制悪送球から一死三塁として金丸にスリーバントスクイズ‼️しかしこれを失敗し二死三塁!ここで柳田が中前打で同点とすると、さらに神崎がライト線へ逆転の二塁打。神崎は三塁アウトとなるも、柳田がこのリードを守りきり、勝利に結びつけた。


第2試合 常総学院 対 福井商

②夏は実力で出場の常総、初校歌を達成‼️


常総学院 001 200 002 5

福井商業 000 001 001 2


選抜は代理出場の常総学院だが、夏は地に足のついた落ち着いた試合。三回、常総は一年生・仁志の左前打から二死三塁とし、江原が右前先制打‼️四回も4長短打を集め2点を追加する。福井商も六回、寺本が第11号ソロを左中間スタンドに放り込むも、あとがつながらない。迎えた九回、常総は3安打を集めて決定的な2点を追加する。福井商も二死から立山、山口賢の連続二塁打で1点を返すも及ばなかった。常総の島田は奪三振10、被安打6と好投し、甲子園初勝利につなげた‼️


以上が一回戦です。この年は予選突破の結果、痛みを訴える投手も多数出ました。この一回戦だけでも、明野・近藤、八頭・徳永、伊野商・中川、江の川・大西、帝京・芝草、新発田農・小柳など。反面、好投手が多い年でもあります。同じく一回戦登場では天理・緑川、PL・野村、橋本、金沢・岡本、東亜学園・川島、八工大一・河村、柳ヶ浦・清原、帯広北・高木、横浜商・古沢、県岐阜商・可児、沖縄水産・上原、函館有斗・盛田幸、明石・藤本、常総学院・島田など。初戦敗退した選手もいますが、この後が楽しみです。また二回戦から登場する好投手たちもいます。注目は秋田経法大付・水沢、佐賀工・江口、東海大甲府・山本、関西・松岡、静岡・赤堀、足利工・石井、尽誠学園・伊良部、浦和学院・谷口、一関商工・渡辺などです。好投手の競演が盛り上がりを高めそうです‼️