夏の終わりのことでした。
久しぶりの講座仲間の友とふたり、由布岳と鶴見岳に臨む高台に座す、正雲寺さんでの蚊遣り香づくりに行きました。







お香づくりは香司さんの手ほどきを受けながら、天然の香料をひとつひとつ合わせていく本格的なものでした。




数日前に同じ講座繋がりの仲間が光に還ったとのお知らせを受け取ったばかりの私たちでした。
Zoomを繋いでの仲間たちの集まりにも参加できず、やっとリアルに会えたふたりで気持ちを分かち合えたところでした。

今回のワークショップは以前から参加を決めていたものだったのですが、インド白檀、甘松、丁子、木香など、、ひとつひとつのそのままの香りや、火をつけたときの香りの違いにただ丁寧に集中する工程は、静かに心が洗われていくようで、それは優しい救いの時間のように感じられました。




とはいえ思わず丁子を入れすぎたり(どんだけ浄化!?)ぐるぐる渦巻きに格闘したりして、なんとかいい感じにおさまりました。あとはゆっくり乾かすだけです。

講座が終わってから、こちらの女性のご住職さんにいろいろお話しを伺いながら本堂に向かうと、

なんとそこには、

光に還った彼女と、昨年zoomを繋いで、やはり同じ講座仲間の手ほどきをうけながら、繋がった皆で一緒に作ったのと同じ、美しい韓紙で作られた『ハスワーク』の蓮の花が、

あの蓮の花が、

天井から鈴なりに繋がれて、
あたかも宙から降ってくるように咲いていたのでした。






こんなことって、、、 
思わず涙しつつ彼女の話をする私たちに
人のいのちは長い短いではなくて、
それぞれにお役目があって
ほんとうにこんかいの人生のお役目をしっかり全うされたから仏さまになられたからと
ご住職さんが蓮の下でかけてくださる言葉のひとつひとつが、
体感として胸にすとんと落ちてきて、

彼女が温かくそばで微笑んでくれているように感じて

なんだか張り詰めていたものが解けて、なんだかすごく安心したのでした。

改めて、
世界はとてもとても優しくて
慈しみはすべてを超えて届く

この初秋はお見送りが続いて、自分を振り返ることも多いです。

出来上がった蚊遣り香の煙はとても落ちつく香りで、優しく細くゆらりと昇っていき、、、

それにしても
ああ、なんで蚊遣り香を作ってしまったんだ!

気持ちを込めて、手作りした天然のとびきり良い香りのお線香をたむけたいのに、、

でも、彼女たちなら、蚊遣り香も、笑ってくれそうだからいいのかな。

金木犀のお線香、用意出来なかったな、と思っていましたが、
今年も金木犀の花が咲き始めました。
運転しながら風に乗ってくる、甘く優しいかおり。