「心が幸せをつくる」

 

彼の家は貧しかった。

家族が暮らす部屋はたったのひと部屋。

靴職人の父は病弱で、11歳の時に死んだ。

彼は学校を出て、歌手を目指すが挫折。

バレエ団に入るがこれも挫折。その後も挫折を繰り返す。大学も中退。極度の心配性。

人付き合いが下手。

容姿がみにくい。失恋の連続。

彼は旅に出て、孤独な人生を過ごした。

しかし、彼に転機が訪れる。

23歳、徒歩旅行中につづった旅行記を自費で出版。

その本が世間で話題となる。

そして、彼は童話を書いた。

あたたかい思いやりの心を描いた。

「裸の王様」「みにくいアヒルの子」「人魚姫」

「親指姫」「マッチ売りの少女」「赤い靴」

彼の情熱は世界中の子どもの心に響いた。

彼の名は、ハンス・クリスチャン・アンデルセン。

その心は、だれよりも美しく、だれよりの幸せだった。

彼が70歳でなくなったとき、彼の葬式には

デンマークの皇太子や各国の大使をはじめ、

子どもからお年寄り、浮浪者までもが参列した。

彼は貧しかった少年時代を振り返り、

「私の少年時代は一篇の美しい物語であった。物はなくても人は幸せになれる」と言った。

人生は美しい物語。

人は幸せになれる。

心が幸せをつくるから。 

 

~「情熱思考」 是久昌信氏 著~

 

人の考え方、感じ方は、それぞれ違うと思います。

例えば、野球が好きな人は、野球を見て楽しむことができますが、野球に興味がない人は、つまらないと思うかもしれません。 目の前で起こっていることは、全く同じなのに見る人によっては 「楽しく」もあり、「つまらなく」もあるのです。

私たちの人生も人それぞれ違いますが、はたから見れば、同じようなことが起こっているのかもしれません。 どうせなら、良い方に目を向け、楽しく、幸せに、感謝しながら過ごしていきたいものですね。