落語家の露の団姫(つゆのまるこ)さんのツイッターに、尼崎市議会議員選挙の候補者の「ハリセンボンじゃねぇーよ!」とフレーズが書かれた選挙ポスターを取り上げて約1万4000リツイートされているのを見ました。たしかにお笑い芸人のハリセンボンの近藤春菜さんにそっくりです。
 そんな、すだ和(すだ・むつみ)候補は、どんな候補者なんだろうと思い、ネットで検索すると5月31日に個人演説会が行われるということなので、見に行くことにしました。

 開始時間の19時までに時間があったので、会場近くの武庫之荘駅へ歩いていると、すだ候補の選挙事務所がありました。
 中を覗いてみると、すだ候補本人がいるじゃないですか。





 「すいません、ツイッターを見て来たんですけど」と、声を掛けると、すだ候補は丁寧に応対してくれました。
 以前から似ていると、よく言われるが、ここまで反響があるとは思わなかったとのことでした。
 しかも、事務所のスタッフ含めてツイッターをやっている人が一人もいないというのも驚きでした。
 うーん、ネットと選挙の融合はまだまだなんだなあというのを実感させられました。


 

 最後に件のポスターをバックに撮影させて下さいというと快く応じてくださいました。
 撮影した後、プレビューを見せると、すだ候補は「この顔は駄目だな」と言って、撮り直しを要求されました。
 そして改めて、「笑顔を作って」撮影して、これで大丈夫とOKを貰いました。





 まだ時間があったので、武庫之荘駅前に行くと、駅南口では中川けいた候補が駅頭挨拶をしていました。
 無所属新人みたいだけど、ネットもフェイスブックページはあるけど、積極的に更新している様子もないみたいです。
 せっかくだから演説すればいいのにと思いました。
 中川候補に限らず、新人候補を何人か見たのですが、挨拶や手を振ったりしても、街頭演説をしている姿がなかったのします。
 やっぱりこの辺りは、政党に属している候補者の方が売り込むノウハウがある分、有利かなあと思いました。


 

 駅北口に行くと、佐野つよし候補が満面の笑みを浮かべて駅頭挨拶をしていました。
 話を聞くと、自民党員ではあるが公認ではないとのこと。
 たしかに自民党は、よほどでないと新人には公認しないらしく、当選して這い上がって来て、ようやく自民党議員として認めるみたいな風潮がありますが、佐野候補もそれに該当します。

 後でネットで調べると、2013年にも立候補したのですが最下位で落選、その後4年間ほぼ毎日、武庫之荘駅前に立って挨拶運動をしていたそうなのです。
 その行動は、地元のネットスレッドに「佐野つよし今日もおった」と、書き込まれているほどでした。

 すごいガッツの持ち主だなあと思うと同時に、どうしてこういう人は自民党に行くのかなあとも思ってしまうのです。
 こんな人材なら社民党や共産党なら諸手を挙げて公認するのに・・・。自民党って、読売ジャイアンツみたいなものだなと思いました。

 

 

 


 そしてすぐ隣には、NHKから国民を守る党の武原正二候補が挨拶運動していました。
 NHKから国民を守る党にとって、結党した際の選挙だった尼崎市議会議員選挙は原点のようなものです。だから、こうして力を入れているのでしょう。
 立花代表は、ユーチューブのチャンネル登録数が6万2000以上に及びます。しかし、最近は森友学園問題や維新批判をするので登録数が減っていると言ってました。
 関西の選挙はこれで最後かも言ってましたが、今回どこまで票を獲得するのでしょうか。

 

 

 さて、19時からは尼崎市女性センター・トレピエで、すだ和(すだ・むつみ)候補の個人演説会が行われました。
 会場は、女性の自立と社会参加を支援する施設で、ここが民営化された際の初代所長を務めていた、すだ候補にとって原点のような地です。
 応援弁士には、女性地方議員が何人も来て、稲村和美尼崎市長の姿もありました。


 



 どうしても「ハリセンボン」のフレーズに目に行ってしまいがちですが、元々2009年の初当選の時から言われていて、今回の選挙戦で他の候補者に埋もれてはいけないと危機感から、このフレーズを採用したとのことでした。
 「ハリセンボン」のフレーズも、芸能人の名前を出すといけないので、弁護士や選挙管理委員会に確認を取ったうえで選んだとのことでした。
 その他にも、公式ホームページをスマートフォン対応にリニューアルしたりと、自己演出にも長けた人だなと思いました。

 昨今、地方議員が話題になるとイロモノの目で見てしまいがちですが、議員になる前から国などの女性参画事業の肩書きが多数から並んでいて、実績も実力も十分すぎる議員だと思いました。
 それこそ、女性の貧困問題も、すだ候補に話を聞けば、何らか処方箋があるように思うのです。こういう女性議員こそ「活用」するべきではないでしょうか。
 そうすれば、低投票率も女性の貧困問題も解消される方向になると思うのですが・・・。

 

 演説の動画は全編撮っていたのですが、すだ候補から3分だけと言われたので、万人に分かりやすい「ハリセンボン」のきっかけの部分を採用しました。本当は政策の話も聞いて欲しいのですが・・・。