笑福亭竹林師匠(12年5月28日)

 芸人は、「芸のためなら女房も泣かす」ではないですが、本来、自分勝手な人間です。「落語とは人間の業の肯定」という捉え方もあるくらいです。

 しかし、笑福亭竹林師匠は芸人らしくない、いや普通の人と比べても真面目過ぎる位で、自らを押し殺してでも、人の為、地域の為に尽力する落語家です。
 これもまた、「人間の業の肯定」のひとつなのでしょうか。そんな竹林師匠にまつわる「伝説」を、ツイッターやイベントでの発言や僕が直接聞いた話の中から取り上げていきます。

 4月16日追記 ツイッターで師匠本人から、「だいぶ間違うてはります」と、ご指摘を受けました。公認版を作りたいと言ったのですが断られました。
 したがって、ここに関する事の真相を聞くのは“やぶへびかい”ということにしてください。



 1.飲まない、打たない、買わない、を自認する
 「飲む、打つ、買う」という芸人の王道の真反対を突き進んでおられます。ちなみに奥様とは大学時代からの付き合いです。


 2.入門以来レギュラー番組を持ったことがない
 1980年の入門から2013年に至るまで、現在も記録更新中です・・・。そろそろブレイクして欲しいなあ・・・。


 3.舞台の際、カメラを向けられたり撮影されるのを極端に嫌がる
 高座に上がりマクラに入る前に、デジカメや携帯を向けている人に対して、「ここで撮影はストップしてくださいね」と言うのが定番です。イベントの動画中継も落語の時は中断させています。
 当然、自身の落語のDVDやCDもリリースしたことはありません。


 4.舞台は撮影されるのを嫌がるが、地域の活動の様子がテレビで放映されているのを知ると気になるらしい
 以前、参加した学校選択制に関する集会の模様の様子がニュース番組で放送されたのですが、YOUTUBEに上がっていないかと気にしていました。


 5.テレビに出ることに抵抗があるらしい
 芸人として売れる意欲があるのでしょうか・・・。
 平成紅梅亭にすら、あまり乗り気でないらしい。兄弟子の鶴光師匠の番組だからという理由で、アダルト向け番組に出演することはあったそうですが。


 6.自分を売り込むより、人を売り込むのが好き
 自身の独演会より自分がプロデュースする落語会の方が好きと、インダビューで答えています。「横山ホットブラザーズを楽しむ会」や後輩芸人の落語会のプロテュースなどに積極的に関わっています。


 7.芸人という世間からドロップアウトした稼業をしながら、労働組合のデモに参加する
 道楽と労働は本来、真反対なのに・・・。ちなみに脱原発デモにも参加して、一般の人と一緒にシュプレヒコールを挙げていました。


 8.弟子は取らないが、師匠は募集しているらしい
 内弟子ならぬ、内師匠に食わせてもらいたいらしい。


 9.会いに行けるアイドルを超えた、「友達になれる落語家」
 師匠のすごいところは、「プロと素人」、「演者と客」との間に、全く壁を作らないことです。
 師匠とは、ツイッターやフェイスブックで繋がるだけでなく、直接会って会話を交わすのはもちろんのこと、一緒にご飯を食べに行ったり、文楽を鑑賞しに行ったり、政治の集会に参加したりも出来ます。
 誰とでも分け隔てなく友達になれる落語家なんて、これまでいたでしょうか。


 10.「また来るわ」と言った店の常連になる
 初めて行った店で、愛想で「また来るわ」と言いながら、それっきりになることは、よくある話です。
 しかし師匠は、本当にその店の常連になるのです。
 玉造にある「風まかせ」や、ビリヤード場(日の出倶楽部)に通いつめる程です。


 11.芸人としての実績や自慢を語りたがらないが、地元地域での活動や肩書きを誇らしげに披露する
 堺市野田校区こども会会長、堺市こども会育成協議会役員など、数々の役職を務められたそうです。そして未だに現役です。


 12.あまりにも積極的に地元地域の活動をするので、堺市議会選挙に立候補する噂が出た
 タレントが知名度を活かして立候補するというのは、よく聞く話ですが、町内会の活動から立候補する噂が立つなんて聞いたことがありません。
 ちなみに、師匠は政治家になる気は全くないとのこと。


 13.若い頃は女性にモテたらしい(本人談)
 真相は定かでないですが、実際会うとツイッターで知り合った女性(しかも複数)と必ずといっていいほど一緒にいます。
 女性から見て、エスコートが心地いいのは事実でしょう。


 14.師匠の子供は教師をしているらしい
 親が固い職業に就いていて、家庭環境に反発して芸人やミュージシャンになる例は数多くありますが、親が落語家で子供が固い職業に就く例は、あまり聞いたことがありません。


 15.冬場はスキーのインストラクターをしている
 毎年、冬になるとスキー場で年配者に対して、スキーのインストラクターをしています。若手に落語の稽古を付けているという話は聞いたことがありません。公言しないというのが正確だと思いますが・・・。


 16.夏場は地域活動でプールの監視員をしている
 芸人は人から観られる立場なのに、師匠の場合はその逆です。


 17.地域の為なら、タダでも出向きますと公言する
 失礼ながら売り込む所を間違っていませんか(笑)。本来芸人なら、メディアに向けて落語を売り込むというのなら分かりますが・・・。


 18.地域や大阪の為ならと、教職員組合や自民党府連の集会にも顔を出す
 芸人が政治の世界に首を突っ込むのは、リスクを伴うので敬遠する傾向にありますが、師匠は地域や大阪の為なら、そんなことはお構いなしです。


 19.落語の話より、子育ての話の方を熱く語りだす
 以前、僕は師匠に何故、「らくだ」を話さないのですかと聞いたところ、「らくだ」の話の解説から始まって、事細やかに落語論を語ってもらいました。
 自身の落語論を持っているのです。しかし、それを積極的に語ろうとしません。代わりに子育て論は何回もイベントに熱く語っているのを聞いたことがあります。


 20.当然の如く、情に厚く涙もろい
 ネットラジオ(正確には動画配信だが、師匠は何故かこう呼ぶ)の「22世紀の子どもたちへ」では、鶴笑師匠の話に、いきなり涙を見せる場面がありました。