こんにちは、訪問ありがとうございます。
今日は、とんでもない小児科医の話③です。
今は70超えて小児科医を辞めていますが、
つい数年前まで現役でやっていた実在する小児科医の話です。
名前は、ポウ先生と呼ばせていただきます。
午前の小児科外来は私、
午後の小児科外来がポウ先生
午後の私は予防接種、健診業務をしていました。
ポウ先生は、
トコトン、西洋医学の薬が嫌いです。
前回の鉄剤がこわい
という話はこちら
風邪薬も嫌いです。
(※風邪薬が嫌いということは私とも一致しています。)
そして、頑固です
私をかかりつけ医としてた、山奥に住んでいて、
2時間半かけて通ってくるお母さんがいました。
ポウ先生が来るようになり、
基本は午後にしかかかれない人なので、
その日はポウ先生を受診されました。
咳、鼻汁、熱で、
漢方を出しておくからこれを飲んで、
良くならなかったらまた連れてきて。
という感じで終わらせようとしたら、
夜間に高熱があっても、
どこにもかかれないから、
お守りがわりに解熱剤の坐薬が欲しいと
ポウ先生にお願いしたのです。
ポウ先生は、遠くから来ていることがわかっても、
座薬なんて必要ないし
熱が高くても使わないほうが良いから、
出せません。
と出してくれません。
母親が遠くから来ているのに、
これでは困るとお願いするもどうしても出してくれません。
看護師が私のところに来て、
私に出してくれないか？
とお願いしてきたのです。
出すことは可能ですが、
ポウ先生を受診した患者さんだから、
私が出すと話がややこしくなるから出せませんと
看護師さんには言いました。
(そういうことを許してしまうと、
みんな私に出して欲しいとなってしまいます)
患者さんは怒って帰っていったそうです。
ポウ先生の言い分として、
風邪薬、解熱剤なんて、
たしかに風邪にはいらないものである。
と、私も思うのですが、
実際に診るのは患者さんでも、母親を納得させないと、
よその小児科にいくだけで、
自分の理想とする医療を体現できたわけではありません。
彼は、自分中心の独りよがりの医療なので、
看護師からも嫌われて、
患者さんからも嫌われて、
事務員にも嫌われて、
私も、もちろん、超嫌いですし、
どうにもならん人でした。
風邪に、漢方薬。
たしかに、不要な咳止め、鼻汁止めよりいいかもですが、
はっきり言って、
ほとんどの子供は漢方薬が飲めません。
患者さん用の目安箱みたいなのがあるのですが、
漢方飲めないと文句が良く投書されています。
中には、薬剤師の母親が、
子供が飲めるわけないと怒っていました
ここでも
自己中心的で、独りよがりさを発揮します。
何十年と漢方を出してきたのに、
飲めない子供にどう飲ませるか、
考えたことがないと言うのです
「そんなのは、薬剤師や母親が考えること。」
私は驚きました
漢方薬を出したらおしまいではなくて、
どうやったら飲めるか。
きちんと飲んで、効果はどうか？
とか、考えてないんだよね。
今考えると、ポウ先生は
受診した患者さんを帰せば、
それでおしまいだったのかも知れません。
内容がどうであれ、
一人当たりの料金は包括医療であったため
儲けは変わりませんので。
まさに、一期一会の患者さんも多かったでしょう。
こんな人を雇っている小児科は廃れるのが、運命です。
私の午前外来は予約制で、25人しか枠がありません。
朝イチで電話が鳴り響き、
結構早く埋まってしまいます。
すると、他院に行くか、ポウ先生にかかるかの2択になります。
ポウ先生にかかりたくて、かかっている訳ではない、
患者さんもたくさんいて、
漢方入りません、飲めませんと言っても
漢方しか出さないから、
何ともなりません。
翌日、患者さんにポウ先生の文句を聞かされていました。
看護師さんも、ポウ先生が嫌いだから、
あれこれ、私に教えてきます。
当然、ポウ先生は患者が少なく、
私の予約にあぶれた方が多かったですが、
なんと、少数ではありますが、
ポウ先生を支持する患者さんが現れます。
西洋薬はこわい
漢方なら安心
という患者さんも少数ながらいました。
ちなみに、
そういった方の特徴ですが、
予防接種も嫌いです
ポウ先生は自分の子にMRワクチンを受けさせていないと
いうから驚きです。
ポウ先生今でもブログを書いているので、
久しぶりに覗いてみると、
コロナワクチンは不要(副反応、こわい)と思っているようでした。
MRワクチンは最も重要なワクチンで、
、まさか、小児科医でMRワクチンが不要なんて、
思っている医師がいるとは思いませんでした。
でも、ワクチンはこわい
薬は怖い
抗がん剤怖い
ステロイドはこわい
っていう患者さんは少数ながらいます。
たぶん、ポウ先生は
癌になったら、抗がん剤治療を選択しないでしょう。
自分の体だから、それは自由ですけど。
次回は、
ポウ先生の
ステロイド拒否診療についてです。