理系(大学)に求められる英語力ってどれぐらい? | 遠距離大学に進学した次男や就職した長男のこと

遠距離大学に進学した次男や就職した長男のこと

就職1年目の長男と大学1年の次男,2人の息子をもつ父の日記です。

 長男の大学受験から4年たちました。
 その間に,なんとなくですけど,入試で必要な英語レベルが上がっているように思います。
 そんなに,高いレベルを要求する必要があるんだろうか? とちょっと疑問に思っています。
 特に,理系です。

 私は理学部化学科卒なので,そのときのことをもとに書いてみます。
 もう40年以上前のことなので,今の状況とは違うかもしれませんので,そこはご了解ください。
 現在,理系大学に在籍の方のほうが,よくわかるかと思います。


 現在の入試英語については,立教大学を例にしてみます。
 立教の英語は,大学独自問題ではなく,共通テストの得点か,外部検定のスコアを利用することになっています。
 外部検定のスコアを利用して合格した生徒の多くは,英検準1級合格レベルだと言われています。

 それでは,立教大の理学部で学習するには,準1級レベルの力が必要でしょうか?
 私は,必要ないと思います。

 私が大学1年の時,一般化学という教科があり,その教科書は洋書(英語) でした。
 また,化学実験マニュアルも英語でした。
 英語で書かれた内容が理解できる,という前提で化学の授業が進んでいきます。

 では,その英文は難しいのか? というとそれほどでもありません。
 高校時代の私は,模試の英語はいつも50~60点ぐらい。
 英検は受けてないのですが,たぶん準2級から2級の間ぐらいかと思います。
 
 そんな私でも,化学英語は辞書を引きながら読むと内容はわかりました。
 逆に,化学(科学)英語は,小説などと違って,相手が正確に理解できるように,わかりやすく,理路整然と書かれてあります。
 難しい構文などありません。
 一般的な英文と異なるのは,専門用語が多いということです。
 化学であれば,原子の名称(水素,酸素など),化合物の名称(二酸化炭素,エタノールなど),反応の名称(酸化反応,発熱反応など),器具の名称(ビーカー,試験管など),操作方法(加熱,混ぜるなど)すべて英語です。
 でも,単語なので,何回か接するうちに暗記できます。

 さて,「準1級の問題ってどれぐらい難しいんだろう?」と過去問を見たことがあります。
 最初の,選択問題で,選択肢にある単語が,ほとんど見たことがないものでした。
 逆に言うと,準1級を合格するのに必要な単語・熟語は,科学英語では出てこない,必要ないということです。
 文法とか構文についても,高校レベル(準2級とか2級)の力があれば十分です。
 必要なのは,専門用語です。


 卒論も英語で書くように言われました。
 難しいと思われるかもしれませんが,筋道とか形式がある程度決まっています。
 仮説を立てて,実験をして,結果が出て,考察をする,こんな流れです。
 感情表現は必要ないし,曖昧表現とか変に修飾をして誤解される方が問題なので,シンプルな英語のほうがいいです。
 ですから,中学や高校レベルの英作文力があれば,だいじょうぶではないでしょうか?

 文系の場合,求められる英語レベルはわかりません。
 理系の場合は,とにかく,すっきり,明瞭に,簡潔に,というのが根本にあります。
 ですから,理系受験生の場合,準1級を目指して悪戦苦闘するよりは,数学の微積やベクトルの力をつけるとか,物理や化学の勉強に時間を使った方がいいんじゃないかな~と思うんです。
 でも,入試を突破するには,英語でも高得点を求められるので,なかなか大変ですね。