今日の注目ニュース(1)
ECB、金融緩和を米英に先駆け開始-追加利下げ見通しは示さず
欧州中央銀行(ECB)は6日、中銀預金金利を3.75%に引き下げると発表した。数カ月前から予告していた通り金融緩和を開始したが、その後の追加利下げの可能性には触れなかった。
ECBは政策金利を9カ月にわたり4%で維持してきたが、インフレ見通しが「著しく」改善したと判断。利下げは市場で予想されていた通りだった。
声明では「政策委員会は引き続き、データに依存し、会合ごとに適切な景気抑制の水準と期間を決定するアプローチを取る」と説明。「特定の金利の道筋をあらかじめ約束はしない」と表明した。
ECBは今年と来年のインフレ予測を引き上げた。政策と同時に発表された四半期ごとの見通しによると、2025年のインフレ率を平均2.2%と予想。今年の成長率見通しは従来の0.6%から0.9%に引き上げた。
ECBは米連邦準備制度理事会(FRB)やイングランド銀行(英中銀)に先駆けて金融緩和に踏み切った。
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今日の注目ニュース(2)
米雇用者数の伸び、発表値より弱かった可能性-統計局データが示唆
米国の労働市場は、連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長らの認識と比べると、ずっと活気がないかもしれない。
米労働省労働統計局(BLS)が5日発表したデータによると、昨年の雇用者数の伸びは月間雇用統計に基づくランレートの約25万人よりも、毎月平均で約6万人少なかった可能性がある。雇用・賃金に関する四半期国勢調査での新たなデータは米雇用の95%以上をカバーしており、最終的には月間雇用統計の年次改定に使用される。
米連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げの開始時期を見極める中、今回の調査内容は労働市場を巡る不確実性を高める。月間雇用統計や週間新規失業保険申請件数など市場が堅調に推移していることを示唆する指標もあるが、失業率の上昇や求人件数の減少など、亀裂が生じていることを示唆する指標もある。
アイアンサイズ・マクロエコノミクスの創設者であるバリー・ナップ氏は月間雇用統計について、「事業所調査が労働市場の実情を誇張してきた可能性は極めて高い」と述べ、「雇用市場はFRBが考えているよりも弱い」と指摘した。
雇用がすでに広く認識されているよりも減速しているのであれば、米政策当局者が長期にわたり金融引き締めを続けることで、過度に雇用を減速させるリスクを高めることになる。
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今日の注目ニュース(3)
原油先物は続伸、OPECプラス合意変更の可能性やECB利下げで
[東京 7日 ロイター] - アジア時間の原油先物は続伸。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国産油国で構成する「OPECプラス」が合意した原油生産協定について、サウジアラビアとロシアが変更される可能性を示唆した。欧州中央銀行(ECB)が利下げを決定したことを受け、米連邦準備理事会(FRB)も追随するとの期待も高まった。
0007GMT(日本時間午前9時07分)時点で、北海ブレント先物は0.16ドル(0.2%)高の1バレル=80.03ドル、米WTI原油先物は0.16ドル(0.2%)高の75.71ドル。
OPECプラスの合意を巡っては自主減産の段階的縮小で供給が増加することが懸念されていた。
サウジのアブドルアジズ・エネルギー相は6日、原油市場が軟化すれば、OPECプラスは自主減産の段階的縮小を一時的に停止または撤回できると述べた。 もっと見る
ロシアのノバク副首相も、市場の不確実性に迅速に対応する用意があると述べ、2日のOPECプラス閣僚級会合後の原油価格下落は「(合意に対する)誤った解釈と投機的要因」が引き起こしたとの見方を示した。 もっと見る
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今日の注目ニュース(4)
7月米利下げ見通し堅持のJPモルガンとシティ、雇用統計を注視
ウォール街で7月の米利下げ見通しをなお堅持している金融機関が、米金融政策の先行きに関する見方が正しいかどうかについて、これまでで最も明確なサインを出す準備をしている。
JPモルガン・チェースとシティグループは、米金融当局が来月利下げに踏み切ると引き続き予想する数少ない銀行の一角。トレーダーの間では4月時点で、7月利下げの可能性がほぼ排除され、現在は11月まで政策金利が据え置かれると予想されている。しかし、ここ数日は早期利下げ論が強まっており、昨年12月以来最長の世界的な債券高につながっている。
7日発表される5月の雇用統計は、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で年内の金利の最新見通しが示される前に公表される最後の主要経済指標となる。
ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズの米国債券部門責任者、グレッグ・ウィレンスキー氏は、「7月利下げ観測にシフトする唯一の材料は労働市場の大幅な悪化に関するニュースだ」と指摘。「コンセンサスに沿った数字が出れば、7月利下げ観測は後退するだろう」と述べた。
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今日の注目ニュース(5)
ガザ休戦交渉、進展見られず バイデン氏発表の提案にハマス難色
[カイロ 6日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘停止に向けた協議は6日も継続されたが、打開の兆しは見えなかった。仲介国エジプトの関係者が明らかにした。
協議は5日に再開。米中央情報局(CIA)のバーンズ長官がカタールの首都ドーハを訪れ、バイデン米大統領が先週明らかにしたイスラエル主導の3段階からなる休戦案について、カタールとエジプトの高官と話し合った。
エジプトの関係者によると、ハマスは提案の特に第2段階について懸念を示しているという。
ホワイトハウスが発表した計画の概要によると、第2段階には敵対行為の恒久的な停止とイスラエル軍のガザ撤退が含まれている。
ハマス幹部のサミ・アブ・ズーリ氏は6日、ロイターに対し、いわゆるバイデン案を歓迎するものの、米国が国連安保理に示した草案はイスラエルの停戦案を基にしていると指摘。「イスラエルの文書は無期限の交渉や、占領軍が人質を取り戻し戦争を再開する段階について述べている」とし、そうした文書は受け入れられないと仲介国に伝えたと語った。
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