『変若水』 吉田恭教 | 西鶴身辺雑記<episode ぷう>

西鶴身辺雑記<episode ぷう>

食を中心に、小説や映画、身辺に起った雑多な出来事を綴ります。

暮れから新年をまたいでここ5日ばかり

時代小説を脇に追いやり

久々のミステリーを楽しんだ。

小説にしろ映画にしろ突き詰めれば

これらは全て「縁」ものである。

小説や映画が好きだと云っても

全てを読んだり観たりすることは無理。

世の中にどんだけの作品があるのか

生きているうちに読めるもの観ることの出来るものなんて

たかだか知れている分けで

誰もが意識的に又は無意識に選択し

小説を選び読み、映画を選び観ている。

映画の学校に入った時、「絶対読まなければならない小説」

と書かれたプリントが回ってきた。

そんときはそこに書かれた小説を読んだわな。

僕はそんな行為全てひっくるめて「縁」と呼んでいる。

ブログを始めてまだ日は浅いものの

ブロガーの「ニコルのパパ」さんと出会えたことも

「縁」であります。

そんな訳で吉田恭教 さんの『変若水』を手に取りました。

タイトルの『変若水』は当然、僕には読めなかった。

そしたらどうする?

調べますわな、パソコンちゅう便利なもんがあるがな。

※ 変若水(おちみず、をちみづ)とは、飲めば若返るといわれた水。

      月の不死信仰に関わる霊薬の一つ・・・

唯でさえ本編を読む前にこの検索して知り得た解説文が

いつの間にか僕の頭に刷り込まれているわけだ、

禍々しい儀式めいたものが公然と行われている

古い因習の村の冒頭(プロローグ)シーンによって

否が応でも物語に引きずり込まれてしまった。

横溝(正史)大好きな僕は正に水を得た魚の如く

吉田さんの織りなすミステリーの世界を

思う存分楽しむことが出来ました。

出雲が物語の大きな部分を占めていることもあり

その方言が散りばめられています。

ミステリー好きにはたまらないんじゃないかな。

色んな小説、映画が蘇ってきて正月から幸せな気持ちになりましたよ。

あらすじ書いたり、書評めいたものも苦手な僕としては

思った事を一言、書きますね。

「吉田恭教という作家の次回作が読みたい」




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