スコーンを食べたときの歯のキシキシ感の原因を突き止めるべく色々と調べていたら、気になるものを見つけました


ベーキングパウダーについての詳細・素人考察はコチラ↓


アルミフリーベーキングパウダー一覧はコチラ↓




 酸蝕症から得るヒント


酸蝕症とは?

├食べ物や飲み物に含まれるによって、歯のエナメル質から「リン酸カルシウム」の結晶が溶け出してしまう病気のこと

└その際にキシキシと感じることがある


キタコレ!ですキョロキョロ

リン酸カルシウム!!


ジュースばっかり飲んでたら歯が溶けるよ!」と昔の人が言っていたやつですね


とりあえずまずは、酸蝕症について念の為書いておきます…



歯のエナメル質


├人体の組織の中で最も硬いといわれている

(歯の構造:エナメル質、象牙質、歯髄 (神経) )

├乳白色、厚み約2〜3mm

└97%は「ハイドロキシアパタイト」というリン酸カルシウムの一種


一部ではなく97%キョロキョロ



エナメル質が溶ける?

├人間の口の中:pH6.5~7 (弱酸性〜中性)

└pH値が5.5~5.7以下の物を摂取すると溶け出す


✽pHとは?

├「ペーハー」

水素イオン濃度の略称 (水素濃度ではない)

├水溶液の性質を表す単位

(水中のpHは溶けている物質や温度に応じて様々な値になる)

pH = ‐log [H+]

0 (強アルカリ性)7 (中性) 14 (強酸性)

(リトマス試験紙: (アルカリ性) 〜 (酸性))

(酸性(H+)の濃度 (pHアルカリ性(OH-)の濃度 (pOH=14)


*pHが表す「酸性〜中性〜アルカリ性」

├pH1:0.1mol/L、H+酸性アルカリ性

├pH7:0.0000001mol/L、H+中間酸性中間アルカリ性中間

└pH14:0.00000000000001mol/L、H+酸性アルカリ性

酸性:pH < 3.0

弱酸性3.0 ≦ pH < 6.0

中性6.0 ≦ pH ≦ 8.0

弱アルカリ性8.0 < pH ≦ 11.0

アルカリ性11.0 < pH

*酸性

├酸っぱい

└金属と反応して水素を出す

*アルカリ性

├ぬるぬる、苦い

└炭酸ガスを吸収する


「炭酸ガスを吸収する」?!え???びっくり

ひとまず置いておいて後で回収しましょう…



弱酸性〜酸性の食べ物・飲み物

※riberaで使用しそうなもののみ抜粋

(全て参考値)


<飲み物>

コーラ:pH2.2

梅酒:pH2.9

赤ワイン:pH3.4

スポーツ飲料:pH3.8

オレンジジュース(100%):pH4.0

ビール:pH4.3

日本酒:pH4.9


<食べ物>

ミルクチョコレート

ピーナッツ

クルミ

小麦

チーズ

砂糖

ピーカンナッツ

ピスタチオ

カシューナッツ

オートミール

牛乳

糖蜜

バター

ヨーグルト


<果物>

レモン:pH2.1

プラム:pH2.8

オレンジ:pH2.8

ブルーベリー:pH3.2

グレープフルーツ:pH3.2

パイナップル:pH3.3

ミカン:pH3.6

イチゴ:pH3.6


刺戟的なものが多いですね


弱アルカリ性の食べ物

※riberaで使用しそうなもののみ抜粋


<食べ物>

純粋ハチミツ

メープルシロップ

アーモンド

ココナッツオイル


<果物>

デーツ

イチジク

ブドウ

レーズン

キウイ

リンゴ

洋ナシ


身体に良いイメージのものが多いですね



エナメル質が溶けた後

├唾液によって再石灰化が起こり、修復される

└その働きにより、歯のキシキシも解消される

(口の中が健康で、唾液が十分に分泌されていれば、酸は洗い流されてエナメル質は守られる)



なぜ酸蝕症を引き起こすのか

└唾液の中和以上に酸性の飲食物を過剰に摂取しているため (脱灰が起こる)



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そして「アルカリ性は炭酸ガスを吸収する」という性質を見て、あれ?炭酸水素ナトリウム (ベーキングパウダーの原料) ってアルカリ性だよね?炭酸ガスを発生するんじゃなくて?ガス発生剤なんじゃないの??吸収???という、化学が頭からスッポ抜けてイチから勉強し直している素人的疑問…



アルカリ性は「炭酸ガスを吸収する」?

二酸化炭素はアルカリ水溶液に吸収されやすい性質がある

例1 ) 水酸化ナトリウム水溶液:二酸化炭素が吸収されると炭酸ナトリウムを生じる

(CO2+2NaOH→Na2CO3+H2O)

例2 ) 水酸化カルシウム:二酸化炭素と反応すると炭酸カルシウムを生じる

(CO2+Ca(OH)2→CaCO3+H2O)



…さて問題です

ベーキングパウダーの原料はこの3つのうちどれでしょう?


炭酸水素ナトリウム

水酸化ナトリウム

炭酸ナトリウム


正解は!


炭酸水素ナトリウムでした!

( 2NaHCO3→Na2CO3+H2O+CO2 )

(↑2molの炭酸水素ナトリウム)


mol…pH…NaOH…………

……………素人には…ややこしや……………………



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念の為…ですが…


riberaは歯科ではありません

焼き菓子屋開業予定の主婦です😂


最近毎日化学式とにらめっこしてる😅


ともあれそのお陰で今回「リン酸カルシウム」は「キシキシと感じる」ものだということがわかりました


予想は当たっていたということですね…!

↓コレ


ベーキングパウダー自体の配合や生地の配合により、酸性に傾いた場合、また、ベーキングパウダーの酸性剤が反応しきれず残存した場合など……「酸によって歯のエナメル質が溶けてキシキシする」(pH5.5以下)

もしくは、

ベーキングパウダーに第一リン酸カルシウムが含まれているだけで、キシキシと感じるのかもしれない…?


…というお話です!


第一リン酸カルシウムとは、一体どういうものなのか、添加物としての毒性はどの程度なのか、少し掘り下げてみます…

↓化学式等は前回…



第一リン酸カルシウムとは

├規格名:リン酸二水素カルシウム

├白色無臭の結晶性粉末

├pH3.4

├天然の鉱物などに含まれるもの

├医薬品、飼料、米、小麦、味噌などに主にカルシウム強化の目的で使用される

├毒性は塩化カルシウムとほぼ同じ (弱い)

(ラットに対する経口LD50は4g/kg、炭酸水素ナトリウムと同程度)

└使用基準:カルシウムとして食品の1.0%以下でなければならない


炭酸水素ナトリウムとは

├別名:重炭酸ナトリウム、重炭酸ソーダ

├いわゆる重曹

├胃薬にも使われる

└毒性は弱い

    (ラットに対する経口LD50:4.3g/kg)



その他ベーキングパウダーに使われる酸性剤…


グリセリン脂肪酸エステル

├豆腐をつくるとき (豆乳が泡立つの抑えるための「消泡剤」) や乳製品をつくるとき(「乳化剤」として) に使われる

└添加物として安全性はかなり高い

    (飼料に多量 (15%〜20%) を加えてラット三世代にわたって与えても異常は見られず)



d-酒石酸水素カリウム

├ブドウの汁に多量に含まれる

├別名:重酒石酸カリウム、ケレモル など

├ワインのコルクに付着する宝石のような塊は酒石酸水素カリウムの結晶

(通常取り除くが、一部の生産者では取り除かないために起こる現象 ※理由:赤ワインの場合は味わいが薄くなってしまったり、除去しすぎるとワインのpHが高くなる恐れがあるため (総酸度が低くなる(pHが高くなる) と酵母の活動が低下したり、ワインに悪影響を与える微生物が増加しやすくなり、亜流酸を多く使用しなければならなくなる) )

└マウスの経口LD50:約4g/kg、犬:90~114日で尿に異常が見られる(1g/体重1kg/日)



*毒性について

├ラット:実験用シロネズミ

├LD50:実験動物の半数の致死量 (g/体重1kgあたり)

└人間の推定致死量は約200〜300g



掘り下げてみた結果…


ふ〜ん………という程度………


😓😓😓


とりあえず、

カルシウムだしキシキシするんだね

ということと

そこそこ安全なんだね

ということと

でも摂り過ぎはダメなのね

ということ…です…


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クッ○パッドとか素人さんのレシピで

小麦粉200に対してベーキングパウダーが10〜20gくらい使われているものもありますが、

もし10gで…

小麦粉…200g

ベーキングパウダー…10g

バター…50g

牛乳…100ml

…というレシピの場合…


ベーキングパウダーの成分一覧でご紹介した中で第一リン酸カルシウムの含有量が一番多かったのはTOMIZで31.0%


上記レシピ全量の1.0% → 3.6g


✽単純計算で10gの31.0% → 第一リン酸カルシウム:3.1g

ギリギリセーフですね


大さじ1だと約12g → 第一リン酸カルシウム:3.72g

アウトですね


使用基準オーバーなのと、かなりキシキシもしそうです…


ただ、「カルシウムとして食品の1.0%以下でなければならない」という言葉は “出来上がった食品の かもしれない…


そうなると焼き上がったスコーンの総重量の1.0%


しかしその場合、原材料として1.0%なのか、残存1.0%なのか…?

残存1.0%となると研究機関で調べないと正確な数値はわからないですね


日本語は細かい言語だからこそ、きちんと使わなければとても曖昧な表現になってしまいますね


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考察で「酸性に傾ければ良いのかな?」と書きましたが、「炭酸水素ナトリウム」を中和することで消化機能に影響をもたらさないという意味では正しいけれど、酸性にすると逆に胃に刺激になったり酸蝕症を考えるとキシキシしやすくなってしまう、ということですね


ベーキングパウダーを減らして卵の力で膨らまそうかとも思いましたが、使用するベーキングパウダーによっては卵とあわせて酸性に傾きやすくなるので、それも必ずしも正解ではないということ…



化学的に見ると上記結果ですが、体質には個人差が有るので、安全性を優先しつつより良い到着点を見つけられればなと思っています



お読み下さりありがとうございます🙇❤️