小新年会 | 九代目家元 杵屋彌吉のブログ

九代目家元 杵屋彌吉のブログ

長唄の唄方を生業としております。
ここでは、非日常と日常の中で感じることを綴ってまいります。




 食べることは、楽しみだ。
おいしいものを食べたい。
それは、高級なものを食べたいということではなくて、心がおいしいと感じるものを食べたいと思う。

下町の洋食屋さんのハンバーグやオムライスでも、フレンチレストランでのフィレステーキでも、舌を通して心に響くものがいい。
人によっては、母(父)の味や妻(夫)の味がベストという人もあるだろう。
むしろ、本来は、そちらの方が多いのかもしれない。

 昔から、「食文化」の分野では、「フランス料理は香り(鼻)、中国料理は味(舌)、日本料理は目(盛り付け)で味わう」と言われて来た。
けれど、食事のおいしさは、誰とどのように食べるかということで、ずいぶん違って来ると思う。

 日本も国際化が進み、近頃は円安の影響もあってか、国だけでなく、東京全体でそうなのだろうけれど、地元の浅草辺りでも外国人観光客の数が驚くほど増えている。
この人たちは、日本の文化に触れる求めてやってきた人たちだ。
日本には地下資源もないのだから、日本人は、昔から知恵で生きて来た。
そして更に、島国の日本には、独特の文化がしっかり詰まっていて、魅せるものはたくさんある。
けれど、一方でそうした文化の継承者が、年々減っていき、先行きが厳しいのも事実だ。
何とか頑張って伝えて行かなければ……。
そんな思いで2024年の幕が開けた。

たまたま友人の好みで、東京ステーションホテルの中華料理店に出かけた。
舌で楽しむ前に、しっかり目で楽しませてもらった。

そうか、今年は辰年。
邦楽界も昇り龍のように高く昇って行けると良いなと思う。

よし、今日も頑張ろう!





今回お世話になったレストラン