7月に入り、各局で夏ドラマがスタートしています。話題作が続々登場する中、ある共通点に気づいた方も多いのではないでしょうか。それは、主演や主要キャストに旧ジャニーズタレント(現STARTO ENTERTAINMENT所属タレント)が名を連ねていることです。

Snow Man目黒蓮の月9主演『海のはじまり』、Hey! Say! JUMP山田涼介の『ビリオン×スクール』、SixTONES松村北斗主演『西園寺さんは家事をしない』など、民放各局を彩る人気ドラマに旧ジャニーズタレントが多数出演しています。

昨年は性加害問題の影響で旧ジャニーズタレントの排除が叫ばれていたにもかかわらず、なぜこのような状況になったのでしょうか? キー局の編成担当者がその裏側を明かします。

昨年は性加害問題が大きく騒がれていた頃、旧ジャニーズタレントをドラマにキャスティングすると、視聴者からクレームが入った。スポンサーもいい顔をしないので、一時的にドラマから排除されていました。今年の春ドラマから主演作が増え、夏ドラマで完全復活した印象。スポンサーもSTARTO社が始動したことで、キャスティングに口を出さなくなりました。

旧ジャニーズタレントの排除は、視聴者やスポンサーの反応が原因だったようです。しかし、STARTO ENTERTAINMENTの設立により、状況は変化しました。スポンサーがキャスティングに口出ししなくなったことで、各局は自由にタレントを選べるようになったのです。

旧ジャニーズタレントが再びドラマに重宝されるようになったのは、彼らが若年層視聴率という武器を持っているからです。テレビ業界が求めるコア視聴層の心をつかむ力があるため、各局は彼らを積極的に起用しているのです。

しかし、この状況には新たな問題も潜んでいます。テレビ局関係者は次のように語ります。

各局ではSTARTO社専用の窓口を作り、さまざまな形でアプローチを仕掛けている。STARTO社は、そういった忖度を受けないと表明していますが、テレビ局は悪しき慣習を復活させる気です。

旧ジャニーズ事務所への忖度が問題視されていた過去を踏まえ、STARTO ENTERTAINMENTは忖度を受けないと表明しています。しかし、テレビ局側は依然として旧ジャニーズタレントを優遇する傾向にあるようです。

性加害問題をきっかけにジャニーズ離れが進むかと思われたテレビドラマ業界ですが、蓋を開けてみれば元に戻ってしまったようです。今後のドラマ業界は、旧ジャニーズタレントとSTARTO ENTERTAINMENTの強い影響力がより顕著になる可能性があります。

視聴者は、このような状況をどのように受け止めるのでしょうか? 倫理的な問題とエンターテイメント性の狭間で、ドラマ業界は岐路に立たされています。

夏ドラマは、旧ジャニーズタレントの活躍だけでなく、業界の今後を占う重要な試金石となるでしょう。