2020年9月25日に公開された映画『ミッドナイトスワン』（内田英治監督）が、6月26日にTOHOシネマズ日比谷での上映を終了し、3年9カ月の超ロングランに幕を閉じた。
第44回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞した草彅剛が、トランスジェンダーのバレエダンサーを目指す少年を育てる女性凪沙を演じた感動作。
公開当初から話題となり、ロングラン上映が決定。当初は1年間の上映予定だったが、2年、3年と延長され、結果的にTOHOシネマズ邦画史上最長のロングラン記録を樹立した。
最終日となった26日には、草彅とヒロイン役を演じた服部樹咲がTOHOシネマズ日比谷で舞台挨拶に登壇。多くのファンが詰めかけ、惜しまれつつ上映は終了した。
近年では珍しい超ロングラン上映となった本作だが、その背景には熱心なファンたちの存在があった。
毎月最終水曜日のみの上映だったにもかかわらず、20回、30回と鑑賞する「追いスワン」と呼ばれるリピーターが続出したという。
一方、草彅が主演を務めた時代劇映画『碁盤斬り』（白石和彌監督）は、5月17日から342館で公開されたが、興行収入は5億円にとどまっている。
白石監督は『孤狼の血』シリーズなどヒット作を世に送り出してきた実績があるだけに、関係者の間では期待が高かった。
草彅の番宣に加え、全国の主要駅へのポスター掲示や都内のラッピングバス走行など大規模なプロモーションも展開されたが、興行収入は伸び悩んだ。
背景には、近年時代劇映画の集客が難しいという状況があるようだ。
5月には歌舞伎俳優・松本幸四郎主演の人気シリーズの劇場版最新作『鬼平犯科帳 血闘』も公開されたが、こちらも不入りだった。
『ミッドナイトスワン』とは対照的な結果となった『碁盤斬り』。
今後の草彅剛の主演映画の動向にも注目が集まる。