ファンがアイドルやアーティストを公共の場で応援する「推し活」について述べています。具体的には、SNSを通じて資金を集め、アイドルの誕生日やデビュー記念日などの特別な日に合わせて、駅などにポスターや映像を掲載する活動です。このような応援広告は、韓国で生まれた「センイル広告」と呼ばれる文化から派生したもので、日本では2019年頃から見られるようになりました。

JR東日本企画などの企業は、このような応援広告に特化したサービスを提供しており、芸能事務所への画像使用申請などを代行しています。広告は駅のポスターやデジタルサイネージ、映画館のスクリーン、さらには車体ラッピングや車内広告を使った「推し電車」など、多様な形で可能です。

応援広告が若者を中心に人気があり、市場規模が約380億円に成長する可能性があること、また、国内の屋外広告・交通広告費の約10%を占めていることが述べられています。鉄道会社もこのトレンドに対応し始めており、みなとみらい線などでは専用スペースを増やして応援広告を受け入れています。

さらに、横浜マリンタワーではアイドルのイメージカラーでライトアップするサービスを提供し、東京ドームホテルでは「推し活宿泊プラン」を販売するなど、推し活の楽しみ方は多様化しています。電通GIRL’S GOOD LABの辰野アンナさんは、推し活が単なるアイドルへの応援から、ファン同士のコミュニケーションツールへと進化していると指摘しています。

このように、推し活はファン文化の新しい形として注目され、市場も拡大していることがわかります。個人が企業のように広告を出すことができる環境が整い、ファンによるアイドルやアーティストの支援が新たな形で展開されています。