ゑびすたろうの公営住宅探訪・横須賀市田浦泉町28 旧・温泉谷戸住宅 | ゑびすたろうのブログ

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さてと本日は、先のADV君と行った第二回横須賀ダークツーリングのお話。

今回訪れたのは横須賀市が廃止を決めた住宅団地の一つである旧『温泉谷戸住宅』で、

現在は横須賀のこの手の古い市営住宅団地の特徴でもある『谷戸(やと)』(丘陵地と丘陵地の間の谷の部分を指す言葉)にある市営団地を廃止し、その場所を再生するプロジェクトが進行しており、今回訪れた前述した『温泉宿住宅』は1958年に建設された木造平屋の長屋式住宅で、

前々回にADV君と行った横須賀市田浦町にある『田浦月見台住宅』と建屋スタイルはほぼ同じ・・・

ですが前述した『田浦月見台団地』と決定的に違うところは、ここが地形的に『谷戸』だということ。


私が前回訪れた時に比べれば建屋もなくなり、残った建屋も独特の板壁も綺麗に貼り直されていたり、

まだ施工する前のボロボロの建屋があったり、

無人だけど綺麗にリフォームされ、おまけにウッドデッキまで付けられていたりしますが、

団地奥を流れる小川には相変わらず水を汲み上げる容器が現在だったりと、

団地内の所々に残る改修前の建屋があるので、その一つの屋内を覗いてみると・・・

室内は昭和全開ですが、何やら大きな段ボールが山積みにされていて、どうやら倉庫として使われているよう・・・

因みにこちらはリフォームされ建屋の内部はというとこんな感じで、

部屋の壁は取られていて、おまけに土間コンとなっており、何やら面妖な焼き物が並べられておりました ┐(´∀`)┌


こちらはそれを焼いたであろう窯だと思われ、どうやら『アーチスト村』の住人には先ほどの面妖な焼き物を作る陶芸家がいんるでしょうなぁ〜っ。

こちらは実際に使われている建屋で、手前の部屋裏に荷物が散乱しているのが多分陶芸家で、

その横には全身真っ白な出立ちの女性が私とADV君の話し声が聞こえたのか部屋から出てきたので、私が『こちらには何年前からお住まいですか?』と尋ねると、妙齢の真っ白な女性は笑顔で『もう、2年になります』とのこと・・・

いつも使っていると思われるウッドデッキ部周りは綺麗ですが、その横は手入れをしてないようで自転車もスクーターも雑草に飲み込まれる寸前の状態で二輪好きな私とすれば考えられませんが、まぁ他人様のモノなのでお好きにどうぞって感じです ┐(´∀`)┌

綺麗なウッドデッキとは裏腹に玄関口に回ってみるとそこはこんな感じの野生の植物ワールド全開で、凡人の私ならせっせと雑草狩りに勤しみますが、やはり芸術家は感性が違うんでしょうなぁ〜っ‼️

そんな実居住建屋を後にした私とADV君は住宅団地のさらに奥に徒歩で進み、目的地までの法面ギリに建っているこちらの住宅を確認し、こちらの建屋は周りと違って7年前と少しも変わらず、

生活臭も仄かにするので、まだまだ現役だとは思うのですが、自転車を含めた移動体が無く、直近の小売店まで行くのにバイクでも10分少々掛かるので、一体どのようは方法で買い物に行っているのか分かりませんが、

独特のヤバめの匂い(遺体臭)もしないので、問題なしとする事に・・・


そんなヤバめな建屋を横目に見ながらさらに奥に進み、鬱蒼とした植物で覆われる路地を抜けると出てくるのが、

細長い広大な雑草だらけの空き地‼️

よく見るとその空き地に降りる為の古い石の階段があるのですが、

実はこの雑草だらけとなった空き地に7年前には、

ボロボロとなった二戸口の長屋が騒然と並んで建っていて、

心霊系のビデオや映画に使えそうなくらい暗めのロケーションと相まって、私的にはかなりお気に入りだったのですが、残念な事に見事に取り壊されちゃっておりました ┐(´∀`)┌


てな感じで『旧・温泉宿住宅』の探索を終えた我々は帰り際、この辺では有名なとある場所に寄ったのですが、そこはこんな場所・・・

『旧・温泉宿住宅』を取り囲む急斜面の危険な谷戸を80°くらいの角度で登っていく階段で、その名も『100段階段』と呼ばれ、今回は来年還暦となる私は登るのをパスしてADV君にお願いして階下で休憩となりました・・・

せっせと登るADV君が降りてくるまでの間、ちょっと雑談したいと思います・・・


さて、横須賀市にはなぜこの様な『谷戸地形』に市営住宅を作らなければならなかったのかという話になると思うのですが、これは神奈川観横須賀市内の平野部の絶対的な不足が一番な理由で、下記の写真の様に現在は柵で囲われた草原となっている場所にも

6年前にはガスや下水道すら通らないて木造平屋の長屋タイプの建屋が数多くあり、

これを初めて観た時の私はかなり衝撃を受けたのですが、国土地理院の提供する『赤色立体地図』と今回訪れた神奈川県横須賀市田浦地区は平野部が殆どない丘陵地区で、海岸部の平野部は大戦前から急速に拡大した旧帝国海軍施設のために埋め立てられて整備された地帯なのはいうまでもなく、川もない為農業にも適さない痩せ細った場所なのは確認するまでもない・・・

まぁ、この地形的な問題や昭和ミドルスタイルの住宅に今の世代の住人が住むとすれば、それは民間賃貸業者では契約が結ばなかった場合や経済的理由となるとは思うのですが、


残念なことに神奈川県内でも県庁所在地である横浜市や私の住む川崎市は右肩上がりで人口が増え続けているが、今回訪れた神奈川県内でも南部に位置する三浦半島にある横須賀市、三浦市、逗子市は加速度的に人口が減少が問題視されていることもあり、その中でも人口減少が著しい横須賀市では、今回訪れた様な昭和ミドルに建築され耐震基準に満たない住宅団地の廃止は当然の結果であり、また、解体費用も大変な額となる事により市財政を圧迫するよりも、今回の様にその団地に付加価値を付けて最小限の費用で再生する方向性は理に適ってるとも言えます。

私が前回訪れた7年前の時ですら粗粗廃団地だったことを踏まえ、たとえ更地にしても誰も買い手がつかないのは三歳児にでも分かるというのが本当のところ・・・


まぁ、横須賀市に限った話ではないが、神奈川県内の各自治体の住民民度を知る一つの指標となるのが、各自治体で毎年行われる全国の公立小中学校で行われる『全国学力・学習調査』で、下記にURLを貼りますが、

神奈川県内 全国学力学習調査

やはり相対的に県西部や南部に行くほど成績が落ちるのも、それなりの理由があるのだと思います・・・


ちょいと前(2022年5月)にちょいと話題となった神奈川県内の三つの政令指定都市(横浜市、川崎市、相模原市(私的には相模原市は神奈川に残ってもらい県庁所在地となってもらいだけど ┐(´∀`)┌))が神奈川県から独立して、日本初となる『独立政令指定都市』構想を打ち出すくらい、神奈川県内の三つの政令指定都市からの税収入で神奈川県内の他の自治体の行政を回している事実を考えれば、仮に相模原市が神奈川県に残ったとても現在の県人口の半数に遠く及ばす、第二次産業も衰退し、第一座産業である農業と横浜・川崎以外に残る観光地による収益(第三次産業)で生き残ることができるのかは『神のみぞ知る世界』・・・


ちょいと話が逸れちゃいましたが、関東第二の都市と言われる『神奈川県』もその大半以上の収益は都市部である横浜市・川崎市・相模原市によるもので、そこから税収支援がなければ現状の他の神奈川県内の他の市町村が存続できるかは言うまでもないわけで、その良い例が今回訪れた『温泉谷戸住宅』がいまだに残っているという事になります ┐(´∀`)┌


てな感じで、川崎市近隣でこれだけ昭和ミドルの自治体管理の平屋の木造長屋建屋が連なる住宅団地が残る横須賀市のお話でした m(_ _)m