ウルトラマンレオ第2話:大沈没!日本列島最後の日 | 赤いてるてる坊主

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ウルトラマンと円盤生物を愛するブニョグ


第2話予告
押し寄せる大津波、吹き荒ぶ烈風
日本列島最後の日は迫る
立てレオ!
セブン亡き後の地球を救う者は誰だ
宇宙パトロール隊のマッキーが飛ぶ
ウルトラマンレオ第2弾
大沈没!日本列島最後の日
さあ、みんなで観よう!


脚本:田口成光 監督:真船 禎 特撮監督:高野宏一
マグマ星人 レッドギラス ブラックギラス 登場

放映日:1974(昭和49)/04/19


出演者 スタッフ

第1話:セブンが死ぬ時!東京は沈没する!

 



 

 

 


■双子怪獣の驚異

転倒する車、炎上する車、逃げ惑う人々、服が燃え悲鳴を上げる男……悲惨な光景。

前回同様、怪獣の華である特撮の破壊シーンだけでなく本編のモブシーンも凝ってます。

極めつけは、百子さんがカオルちゃんを庇い車の下敷きになるシーン。
百子さんとカオルちゃんに覆いかぶさる車は大胆な合成で処理されています。(影も合成!)

 


怪獣の驚異を特撮だけでなく本編でも描き、更には第2話から早くもヒロインに重症を負わせることでレオのハードな世界観を見せつけます。




■城南スポーツクラブ

前話のレビューではあえて触れませんでしたが、城南スポーツクラブのインストラクターだったゲンはMAC入隊後もその勤務時間以外はスポーツセンターの仕事も続けています。

「過酷な戦いを続ける防衛隊の隊員」
「子供たちにスポーツを教えるお兄さん」

ゲンに二つの舞台を用意することでキャラクターの幅やドラマの視点が広がります。
ウルトラシリーズでお馴染みの少年ゲストも、スポーツクラブという舞台が用意され主人公ゲンと絡ませやすい設定ができました。
これは後に中学校教師と防衛隊隊員の二足の草鞋を履いたウルトラマン80矢的猛の露払いにもなったと思われます。


クラブのレギュラーメンバーは

・クラブの指導員でヒロインの山口百子
・会員の梅田トオル、カオル兄妹
・ゲンの後輩指導員にあたる野村猛
・責任者の大村正司

トオル君は3話からの登場になります。


 

 


■宇宙パトロール隊MAC

レオの防衛隊MACは従来のウルトラシリーズ防衛隊とは描かれ方が異なります。

レギュラー隊員は

・モロボシダン隊長(背番号1)
・黒田明雄(背番号3/副隊長格)
・青島一郎(背番号5)
・赤石清彦(背番号6)
・おおとりゲン(背番号7)
・白川純子(背番号8)
・桃井晴子(背番号9)

ゲンとダンを除くレギュラー隊員は名前に色が入っていたり背番号が設定されていたり覚えやすいよう工夫されてはいますが、個性的なキャラ付けをしようという気配はほぼありません。

 

名無し隊員たちの姿も見えますし、名前のあるゲスト隊員が登場することもありますし、死亡者も出ます。

 

他作品の防衛隊はレギュラー隊員とそれ以外の隊員の立場やポジションの違いは明確ですが、MAC隊員たちはそこも曖昧です。

ウルトラシリーズの魅力である「隊員のキャラクターの描き分け」を排除してしまうというかなり思い切った措置は物足りなさも否定できませんが、その引き換えに「ゲンとダンの関係性の強調」という大きな効果を生みました。レオという作品において肝の部分です。

 

この他、いつ死人が出てもおかしくない過酷さは(結果的にではあるが)地球防衛のリアリティーが描かれるという効果もあります。


どうしても影が薄いMACですが、それこそがMACの役割であり個性であり、レオという作品においてMACはしっかり機能していると言えます。

 

そんなMACが大好きで隊員たちを紹介する動画を作ったこともあります。

 

 

 




■ウルトラ念力

セブンに変身できないダンに唯一残された超能力・ウルトラ念力。
一定時間、怪獣や星人の動きを封じたり追い払うことはできるが倒すまでには至らず、ダンの寿命を縮めてしまう。

この絶妙な設定が物語上で使い勝手が良く、度々使用されることとなります。
変身できない師匠が自分を犠牲にして弟子をサポートする技って燃えませんか?

子供の頃、ウルトラ念力好きだったな~w


「ウルトラ銀河伝説」ではダン、更にハヤタとミライもウルトラ念力を使用しました。
この時は寿命を縮めるほど消耗しているようには見えなかったので、改良できたのかも知れません。





■特訓の勝利

双子怪獣のギラススピンを破るため、ダンから「スピンにはスピン」とアドバイスされたゲンは早速訓練を始める。
そう、ここにウルトラマンレオ名物「特訓」が誕生したのだ!

 

「ああああああああああああううううううううああああああああああ!!!!!!」

 

本作以降も含め何かとつっこみ処の絶えない特訓シーンですが、一度敗れた敵に勝つため努力するゲンの姿はレオが描きたかったテーマであり、やはり外せません。

 

 

そして特訓が完成して双子怪獣とマグマ星人に挑んでもあっさり倒さず、苦戦し、危機を煽り、相手の油断を突いてきりもみキックで双子怪獣を倒すという展開が実に熱い!

 

 

必殺光線などの超能力で敵を倒すウルトラシリーズにおいて、宇宙警備隊員ではないレオが敗北しても特訓によって編み出された技で勝利を手にする爽快感は独特なカタルシスがあります。





■消えたマグマ星人

双子怪獣は倒したもののマグマ星人は逃走してしまった。

ハードな場面が続いたレオ始まりの物語は、回復した百子やゲンを称えるダンを見せながら「レオとマグマ星人との戦いは今始まったばかりである」というナレーションで締めくくられます。

ところが、マグマ星人が次に登場するのは第31話でこれが最後となってしまいます。主人公の故郷を滅ぼさせたというおいしいポジションの敵役でありながら…。

 

マグマ星人にこだわらなかった事で、敵の設定の自由度を狭めなかったことやレオの物語が復讐劇にならなかった利点もありますが、やはり勿体無かったな~というのが正直な感想です。
 

 

 


■その他小ネタなど

・タイトルバックはBGMと子供たちの「ウルトラマンレオ!」の掛け声のみで効果音は無し。
・第1話か2話どちらかは不明だが、撮影中にレオマスクの中に水が溜まって抜けなくなり二家本氏がマスクを壊してしまうアクシデントがあった。

・百子とカオルに落下してくる車の合成素材は第46話でも使用される。

・ダンのウルトラ念力シーンのBGM「M34」はセブン「M6」の再演奏曲であり、前回同様、冬木透氏による選曲のこだわりを感じる。

・作戦室に隊員服ではない黄色い服(ツナギ?)を着た職員が数名いる。
・変身ポーズは今回も両手を挙げるタイプ。

・第1話と第2話を担当した真船監督は本作をもって降板、ウルトラシリーズへの参加も最後。魚眼レンズの多用や凝ったアングルの画面作りなど真船節が冴え、今回も終末感を見事に演出した。

 


<必殺技>
きりもみキック
ウルトラ念力(ダン)

<MACメカ>
マッキー2号、2号分離A、B、3号、ロディ

<MAC隊員>
黒田、青島、赤石、白川、桃井、名無し隊員たち

<スポーツクラブ>
カオル、百子、猛、大村

 

 

 

 

やじるし

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