JR旧奈良駅舎は昭和初期から奈良の玄関口のシンボルとして親しまれてきました。
数年前から駅の高架化工事が始まり、それに伴い、その役目を一旦終えました。
この駅舎は昭和九年に建築された建物で、洋風の建物と、中央に相輪を乗せた寺院風屋根が特徴の和洋折衷建築なのです。
JR奈良駅連続立体交差事業に伴い、解体される予定だったのですが、
保存を求める声が上がったため「曳き家工事」で主屋部分を二十メートル程北側に移動させ、保存することになりました。
長い間閉鎖され周囲を壁で囲まれていましたが、
今月25日、奈良市総合観光案内所として生まれ変わりました。
観光案内所は案内・情報検索・イベント観光・展示・休憩の5ゾーンに分かれていて、
情報検索のゾーンにあるパソコンはマックでした。
中央にあるイベント観光ゾーンです。
このゾーンに奈良文化財研究所が特別史跡平城宮跡第一次大極殿正殿の柱と組物の柱間ひとつを実物大で現したもののようです。
古代の建築は、屋根から足元へと至る果汁の流れが、ここの部材の形に素直に反映した、力強い美にあふれています。
復原設計において、その力の流れをコンピューターを用いて構造力学的に解析、
古代建築の構造と美の淵源を探りました。
そしてこの構造体は、その解析の一環として、柱と組物などからなる軸組構造のデータを収集するために作られたそうです。
コンピューターのない奈良時代にこのような大極殿が建設された事におどろかされますね。
ちなみに、この駅舎は「地域活性化に役立つ近代化産業遺産」
(外貨獲得と近代日本の国際化に貢献した観光産業創世期の歩みを物語る
近代化産業遺産群)として経済産業大臣の甘利氏から認定されています。