シーン0『フラグ』
ここはとある研究所にあるヘリポート
とある青年と少女がヘリに乗り込んでいた
「お兄さん・・・。いいの?」
少女はきょとんとした顔で青年の顔を覗き込む
「ああ、シナリオ的にはこの方が面白いからな」
青年は軽く笑みを浮かべヘリを起動させながら少女の質問に答えていく
「どこへ逃げるの?」
「ああ、遠くだ。七日(ななか)という場所で研究所からはとても遠い」
「お兄さんはボクを運んだら、命狙われるよ?」
「君の大切な『博士』に頼まれたんだ。
それにわしゃこれから何もしなくても命なんて狙われ放題さ」
「んー。よくわからない・・・」
そして数時間のんびりとした会話を繰り返しつつ
ヘリは目的の場所へと近づく
「それはさておき、もうすぐ七日の地につくぞい」
そういってる間にヘリは地面へと着陸した
「それにしてもおにーさん、お爺さんみたい」
「まぁ、実際のところ60も超えたことだし、
おにーさんよりお爺さんの方が合ってるのじゃが・・・」
「んー、声も若いし全然見えないー」
「さて、レヴィーナ殿。あとは一人で歩きなさい」
「お兄さんは?」
「ちょっと寄るとこがあっての。インタビューというものじゃ」
そういうと青年は白い付け髭と白いカツラと怪しいめがねを装備し
ヘリから降り、レヴィーナと呼ばれる少女に手を振り街の中へと消えていった
それと入れ替わるように
少女の前にはどこの国かもわからない『兵士』が出迎えていたのであった
シーン1『会見』
夏の暑さも収まった10月私はふとテレビをつけた
私?
私は海路はるか。
お爺様が議員ってだけで普通の女の子。
それはさておきテレビではこんな感じでした
「20XX/10/1国会は大きく荒れた
いえ、嵐が吹き荒れました!!!
政権交代というお祭り騒ぎから2年!
もうすでに、政権が崩壊しかけ
そして突如現れた新日本党が政権を握ったのです!」
リポーターの声が大きく響く
そして、テレビの画面では首相には私がとてもよく知る
党首の海路通明(かいじみちあき)が指名された
「新聞にも大きくこのことは掲載されそれは大きな時代の幕開けとも言われ
そう、ある意味すごい総理であります!」
そういう記者の横から現れたのは、付け髭と白いカツラと怪しいめがね
そしてどこかの消防隊員のような姿のお爺さんでした
本当にありえない・・・
そして一番ありえなかったのは就任会見の一言目がこれだ
「はるか、元気か!」
それも全国中継で・・・
私はお爺様が非常識なのはわかっていたが
さすがにこれは見たくは無かった
違う番組を見ようとチャンネルを変えたが
最悪なことにどのチャンネルを回しても
アニメを放映しているとあるチャンネルを除いては
まったく同じニュースしか流れていなかった・・・
「お爺様の馬鹿!」
私はクッションをテレビに投げつけたのでした
そして、数時間の後お爺様が帰ってきた
「ただいま、はるか。そしてすぐにわしゃでかける」
私の苦情は受け付けないとばかり
消防隊員のような服から青いガードマンの服装に即座に着替えると
チケットと手紙をその場において
出かけていったのだった
私はお爺様の置いていった手紙を取る
中を見ると
【はるかの憧れの小説家の榊原静雫(さかきばらしずく)先生にはるかを薦めといた
3日の朝6:00に七日の探偵事務所に声をかけるといい
現地からじゃないと間に合わないと思い新幹線とホテルのチケットを置いておく】
とだけ書かれていた
私はあっけにとられて着替えやら何やらを用意する。
お爺様はいつもこうだ
何をするにも突然であり私の気持ちが休まる暇も無い
本来だったらとてもうれしいのに
この突発の要因に呆然やら怒りやら複雑なものが浮かんできてしまったのでした
とりあえず明日は現地で色々買い物などしようと
朝一の新幹線で七日へ向かうことにしました
といってもお爺様の指定したチケットが朝一の新幹線だから
それに乗らざるを得なかったのですけどね
自宅のある千代田区外神田から新幹線の始発に乗るために東京駅向かった
車で数分のトコなので6:00の発車時刻には十分間に合う感じ
そして、駅に到着すると意外な人の数に私は驚いた
閑散期の時期だけあってこんな時期に駅に来る人なんて・・・いない
と思ってたのが間違いでした
なぜか、山手線から京葉線の長い通路へと流れていく人
私はただ呆然と見ていた
あとで新幹線で聞いたお話だと、
お台場方面にとあるシューティングゲームのお祭りがあり
それに参加する人達がその流れの集団らしい
そしてふと、その中にただ一人知ってる人を発見した
以前お爺様に連れて行ってもらったホテルの会合で見かけた方が一人
【鈴 花那(りん ふぁな)】さん。大手【グルグル七日】の社長
実は本名が嫌いだとかでこういうペンネームを使っているらしい。
それはさておき
黒服の御供は公共施設には似つかない薄着の少年のパッケージの
紙袋やらなにやら
社長をする人には変わってる方が多いと思っていましたが・・・
そんな光景を横目に私は新幹線ホームへと向かう
とはいえ、6:00の出発時刻まではまだあるが
一応降車駅の七日駅まではSPが付くので
周りのお客様に迷惑になってはいけないわと思い
早めにホームに向かいました
この時間から乗れる時点である種の特典かも知れないけどね
「JRをご利用いただきましてありがとうございました
当列車はのぞみ1号併設臨時すずか1号七日行きです
本日に限り名古屋で切り離し終着の七日まで参ります
停車駅のご案内をいたします
名古屋到着7:36、終着七日到着は7:42となります
車掌の東海電車区水無月が現地までご案内いたします」
(・・・やっぱり臨時でお爺様が無理やり車両つけてくれたのだわ
どうりで誰も乗ってないわけだわ)
そうため息をつくと
久々に乗る新幹線ではありましたが
乗ってる時間は意外と短く感じました
「JRをご利用いただきましてありがとうございました
当列車はまもなく終着七日への到着をいたします
お乗り換えのご案内をいたします・・・」
あっという間、本当にそんな感じで
お弁当食べたり本を読んだりしているうちに
電車は止まり、私は乗ってきた電車を見送る
駅舎から外へ出ると何か騒がしかったのですが
私は昨日からの疲れもあってホテルに直行
そしてそのまま翌日の朝に備えて夕方まで市内を散策したあと
ぐっすりとお休みしました
シーン2『対面』
翌日の朝、私は榊原先生を訪れた。
先生が賞を取ったときにテレビのモニタで見たそのままの雰囲気の
背の高い男性が事務所から現れた
緊張しながらも私は
「おはよーございます!!先生。
海路はるかと申しますがよろしくおねがいします」
「おはようですよ・・・」
予定通りのはずなのになぜか先生は眠そうでした。
「ゴメンナサイ、もしかしてお爺様が時間を間違えてしまいました?」
私は焦りながらバスケットを持ちながら深く謝る。
「ん、実を言うとほんの少しだけ早かったみたいです
そして、あの時間からこの訪問となると
もしかして探偵助手ってお話はお爺様から聞いてませんでした?」
「ええ・・・。てっきり小説のアシスタントかと
あ、でも。助手やります!たくさんがんばります!」
「本当ですか、それなら助かります。今日の今日でしたので
ここで断るのもと思っていましたが・・・」
「今日の・・・今日?」
「ええ、朝の事件のときにお爺様から頼まれたのですよ」
「本当にゴメンナサイ。お爺様にかわって謝ります」
「まぁとにかく助手がいると助かるよ。
一応遅くなったとき用のお部屋も用意してるけど市内のどの辺ですか?」
「実は、ホテルを取ってもらいはしましたが今日は面接だけかと思っていたので・・・
あの、住み込みじゃだめですか!」
「え・・・」
榊原先生は固まった
というか、そりゃそうでしょう
私も一応まだ19
成人前の女の子ですもん
でも、なぜか勢いでそう言ってしまった
運命?ってほどのものじゃないけど
そう閃いてしまいました
「ははは・・・、やっぱりあのお爺さんのお孫さんですね
それじゃ、狭い家ですがよろしくお願いしますね」
そういわれることは予想がついていました
でもいざいわれるとやっぱり顔が赤くなってしまいます
「・・・はい」
と小さくうなずくと榊原先生に家の中を案内してもらいました
なぜか突然とんでもなく大胆になってしまうことがあるのは自覚していましたけど
このときはとても恥ずかしかったのでした
「さて、改めて。私は探偵事務所の主、榊原静雫。
海路はるかくん。よろしく頼むよ」
「はい。」
こういう感じで私は先生の事務所で働くことになりました
そして次の日から早速仕事が始まりました
丁度いま先生の抱えてる案件が無数にあって
いろいろな人が来ます
その中でも特に特徴的なのが田村さんという刑事です
結構先生は頼りにされているらしく
数日毎にこの田村さんは来るみたいです
毎回逃げた奥さんについての調査なので私は顔を覚えてしまいました
また、事務所のお仕事で色々な情報のために先生に同行するのですが
一番驚いたのはとあるネットカフェでした
私はしゃちょう室と書かれた場所に入るときに固まってしまいました
ネットカフェのオーナーさんは新幹線に乗るときにちらりと見かけた鈴花那さんがいて
横には大きな紙袋と、本棚には男の子と男の人が垣間見える冊子があり
それがまた正視できないようなものでありました
ただ、先生は慣れているのか、普通に鈴さんとお話をして帰ってきました
「聞き込み結果はうまくいきましたか?」
私が先生に尋ねると
「さすが鈴オーナー。こちらのほしい情報をとりそろえてますよ
そして、新しいお仕事です
総理の護衛という探偵というより、何でも屋のお仕事ですね
要人の護衛ですのでいい勉強になるでしょう」
「あの、先生。海路総理についてはあまり良いうわさが・・・」
「んー、海路君と遠い親戚かもしれないのにまた微妙な言い方ですね」
「あまり悪くは言いたくないのですけど私の直感です」
「わかりました、隅に入れておきますね」
と、先生とそういうやりとりをしているときだった
「あ、そこのお嬢さんいい?」
突然扉が開いて鈴さんが私を部屋に手招きする
「はい?」
私は?といった表情で入っていった
部屋の中は先ほど覗かせていた本がたくさんあり
本棚の周りにちょこんと椅子があり、
私と鈴さんは向かい合う感じで座っている感じです
「しー君のとこに居候のお嬢さん、はじめましてじゃないわね。
お久しぶり。えっと、確か東京駅であったぶりかしら、そしてその前は総理の会合で」
そういえば、東京駅のときは私の周りにSPがいたからやっぱり目立ってたみたい
それとはべつにお爺様の会合まで覚えてたとはびっくりです
「覚えててくれたのですね、そして鈴社長は先生と長いのですね
あ、先生には海路総理との関係は・・・」
「まぁ、ああいった発言するお爺様がいたら私でもひくわ、知らないことにしておくわ。
さて、私事になるけどしー君の紹介ってことで貴女も関係者として知っておいて
しー君ともう一人腐れ縁の田村ってのがいて3人でよく飲んだりするわ。
今度ははるかちゃんも加わるから4人で飲みましょう」
「田村さんなら事務所に良く現れます。そしてお酒は私はまだ・・・」
「将来的にって事よ。田村は奥さん逃げられたから丁度私が貰うとして
しー君ははるかちゃんがぴったしかしら」
「!」
「なんだかんだでしー君なら脈ありかもよ。助手置くとかまずありあえないし
一人で抱え込むタイプだからはるかちゃんを助手にしたってことが珍しいわ
案外惚れたのかもよ」
「あの・・・、その・・・」
「はるかちゃん、照れながらとてもうれしそうな顔しちゃって
進展あったらお姉さまに教えるのよ。
あと、一応ネットカフェは社長室ってなってるけどオーナーね。
覚えといて!」
「はい!」
そして鈴さんは私を先生に返却すると先生に手を振った
「海路くん、変な事言われませんでしたか?顔が赤くなっているけど」
「な、なんでもないです」
私は顔を隠すようにネットカフェを出るまで下向きに歩いた。
ちゃっかり先生の手を握りながら・・・
それから数日の後、事件も書類がまとまり落ち着いてきたときのことでした
事務所の電話がいつものように鳴っていた
「はい、海じ・・、いえ榊原探偵事務所です」
相変わらず私は慣れずつい海路といってしまいそうになる
そして電話は先日お世話になった鈴さんからです
「はるかちゃんね、しー君はいる?」
緊急事態らしく叫ぶような声
「鈴 花那オーナーからお電話ですよ!」
私の顔で緊急さがわかったのか
先生はがしっと受話器を受けとる
「何してるのしー君、火事よ!助けて!」
その声を聞くや否や先生は飛び起き、浴衣の上に軽くコートを着ると
鈴さんの待つネカフェへと向かう
私は鍵を閉めたりして遅れながらも現場につくと
鈴さんは手招きして私と先生に聞こえる声で先生に鍵を手渡した
「はるかちゃん、しー君。気をつけてね
これネットカフェの鍵。
焼けてない部屋とかもし手がかりあればとおもって
警察の人には内緒ね」
そしてそれだけ言うと救急隊員に運ばれていった
「鈴さん・・・」
私はただつぶやいてそこに立ち尽くす
そして、横を見ると先生は頭を抱えていた
それだけ鈴さんが心配なのかと思いきや
「海路君、あれ演技だよ・・・
よく窓を見て、鈴さんの部屋の上が燃えてて」
と、ぽんと私の肩を叩く
「・・・」
私はあいた口がふさがらなかったのでした
そして火事の翌日、私はいつもの用に書類を片付けていました
するとドシンとテラスの方で物音がしました
「先生!」
私が先生を呼び現地へ駆けつけると
少女が倒れていたのでした
急いで私は少女を寝室へ連れて行き手当てをする
そして先生と入れ替わりに部屋を後にする
丁度来客の音がしたためだ
私はドアを開けた瞬間固まる・・・
「先生、外にお客様です」
私は小声で先生を呼ぶ
想像していた通り
バチンと勢いよくドアが壊され
先生はドアの下敷きになる
「はるかはどこだ!」
といきなり青年が進入してくる
そう、私がよく知る青年に似た偽青年といったほうが合っている人物だ
そしてドアの下敷きとなった先生は答えられない
偽青年が家に土足で上がろうとしたときだった
政府のバッチをつけた軍の兵士がその偽青年を捕らえた
捕らえたというより保護したといった方が正確かもしれません
そう、偽青年は過保護なお爺様でしたのです
新しい依頼を準備しお爺様は飛んできたのです
兵士は先生を起こすと、頭を抱えてこのことは他言無用で頼むといった
そして事態を飲み込めていない先生にさすがに迷惑かかると思い
「私、実は総理大臣の孫なんです・・・」
と私は告白したのでした
シーン3『護衛』
居間には5人の人物がいた
客人の海路道明総理、護衛のSP2名、榊原先生、そして私。
ただ、一番この中で偉いはずの海路道明(お爺様)は手足を拘束された状態で
暴れまくっていたが・・・
まず最初に
「今回の依頼は護衛を頼みたい。
ここにおられる総理大臣海路道明氏の護衛である
これから今日行われる臨海会議の会場入り口に不審な人物が来ないか
こちらの用意する田村刑事と一緒に護衛をしてほしい」
そこまでSPが切り出すと、いつの間にか自由になってるお爺様が割って入った
「できればはるかに守ってもらいたいが・・・
お主にはるかを任せたのは私だ責任を持って任務を全うしたまえ」
「えっと、失礼ですが、もしかして先日の事件現場のご老人でしょうか?」
「ははは、そうじゃよな。それもワシであっているぞ
変装していないと年齢間違えられるのでな。齢63にてどうしても若く見られてしまうので
よく変装しておるのじゃ、ということで、現地にて待っておるぞ!」
そういうと元気な偽青年ことお爺様は窓から飛び出していった。
SPはそれを必死で追いかけるために家を後にしたのでした
「元気なお爺様ですね」
先生がそういうと私は恥ずかしくて顔が真っ赤になってしまっていた
「とりあえず、先生。お仕事、行きましょうか・・・」
私を気にしてか先生は微笑みながら
「まぁ、ここには変わった人はいくらでも来ますからね
さて、臨海会議の会場へと行きますか」
そして、私と先生は15分ほど車を走らせ
会場へと付いた
警備対象となる建物の入り口には
刑事が一人たっていた
「よぅ、榊原じゃねぇか、久々だな」
そこにはうちの事務所によく相談事(主に逃げた奥さんの捜索)を持ち込んでくる
田村刑事が立っていた
「田村、奥さんはどうなりましたか?」
「それがな、榊原、花那。ああ、鈴の奴が現場を撮ってくれたんだ
京歌(田村さんの奥さんらしい)と他の男の現場を・・・俺が渡したプレゼントが・・・」
「要は、詐欺だったんですね」
落ち着いた感じで先生は話す
「そんなあっさり言うなよぉ~」
「いや、半分は気づいていましたよ」
「榊原~、もっと早く教えてくれよ。知ってたんだったらよぉ」
「いや、田村は依頼で逃げた奥さんの場所しか依頼してこないですし」
(あの、先生知っていたんなら早く教えてあげたほうが)
(本人も知ってて気づかない振りをしていただけさ。
私はそれを本人が気づこうとするのを待っていただけさ)
「そしていまはどうなんだ?」
「鈴が、慰めてくれてよぉ・・・」
「さて、海路君仕事に入りましょうか」
「先生、いいのですか?」
「まぁ放っておきましょ。後はのろけになるだけですし」
そしてそこには良いタイミングでお弁当をもった鈴オーナーが現れた
「皆しておそろいね。今日ははるかちゃんも護衛のお仕事かしら」
「はい、それにしても鈴オーナー。田村さん喜んでましたよ」
私はにっこりと微笑んで鈴オーナーと話しかける
「まぁ、しー君にしてもつー君。あ、田村のことね」
「そうやって呼ぶようにってことは、もしかして」
「まぁ、プレイのときは私が・・・」
「さすがにそういうお話は色々な年齢のお方の通るような公共のこのような場所では」
「しー君は真面目なんだから
それはともかく一番の理由は幸運な私の相手がほしかったの
つー君って不幸のオーラだしまくりでしょ
幸福オーラだしまくりの私と結ばれたらどうなるのかなって
まぁ結局はつー君の不幸な顔をもっと身近で見れるってだけが変わったんだけどね」
そうこうお話しているうちに
会議場の中から会議開始のブザーが鳴り響く
私達護衛組み3人と1人は入り口で不振な人物が通行しないか見張っている
そして2時間の間は特に不振な人物が通るわけではなく
会議は終わった。
「ご苦労様!」
中からSPが私達に挨拶したときだった
建物の前方はるか先から爆音が聞こえる
「海路君は下がっていて。」
田村さんと鈴オーナーは爆音の方向へ消えていく
そして、建物の中からは、装束を着たお爺様が飛び出してくる
それを追うようにSPが付いていく
私と先生はその早さには追いつけず
遅れて追いつこうとする
数百メートル先ではいろいろなものが燃えていたりするのですが
私と先生は行っても危ないだけなので
遠くからそれを見ているだけでした
数分の後
返り血でいっぱいの状態で田村さんや鈴オーナーやお爺様が戻ってきましたが
私には耐え切れなかったので
その場に気絶してしまいました
シーン4『少女レヴィーナ』
護衛の事件のあと
数日振りに以前の少女が目を覚ましていた
目を覚ましていただけで
布団から動けるわけではなく
私の作ったお粥を食べる程度でした
ピンポーンとインターフォンが鳴る
「榊原、はるかちゃんのお見舞いに来たぞ」
(私は事件のときに気絶してただけで車でしっかりおきてたんだけど)
「そういって、またご飯を食べに来たのでしょう?」
「そうだ、いつもすまないな。
まぁ今日は花那が作ってくれたもののおすそ分けだがな
ん・・・?
あーーーーー”俺の昼飯!!!」
田村さんは眠っている少女に向かっていきなり叫び始めた
「どうしたんですか?」
私は田村さんに尋ねると
田村さんは
「この少女が俺の大切な書類に落書きをして、俺の朝ごはんを・・・」
そして少女がふとおきて
「ご飯ありがと、おじちゃん。」
そういって田村さんにキスをする
そのタイミングで
「しー君、つー君お邪魔してない?」
と鈴オーナーが入ってきて
田村さんは顔が笑っていない鈴オーナーにひきづられて出て行ったのでした
「まぁ、タイミングの悪さはいつものことですよ」
先生は何事も無かったのように言った
「それはそうと、お嬢さん。大丈夫?」
「うん、ボクはレヴィーナ
研究所から逃げてきたの・・・」
白衣の少女は告白する
「レヴィーナちゃんどうやってここに?」
「んー、抜け出したかったの」
「研究所って大変なトコなのね」
「そうそう、それは私から説明するわね」
いきなり入ってきたのは田村さんを先ほど絞めていた鈴オーナーでした
田村さんがどうなったかはここでは考えないことにしてみます
「研究所は北のとある場所にある施設
そこでおきたことは触れてはいけないことになってるのよ
んー、まずいわね・・・
そのレヴィーナって子早く手放さないと・・・」
この子が危ないといわれても実感がありませんが
「っていっても、ここに来た客人を追い出すわけには行かないでしょう」
と、先生
「そういう次元にいない人間なんだけど。
まぁしー君に言っても興味なさそうみたいだし
とりあえず、私はちょっと調べるために帰るわ
もしかしたらレヴィーナって子を助けられるかもしれないわ」
「悪いな、鈴オーナー」
「しー君。困ったときはお互い様。
さて、レヴィーナちゃん。お姉さんと一緒にちょっと来てね」
「はーい」
そういうと田村さんと鈴オーナーとレヴィーナちゃんは家を後にした
そして、久々に私と先生と二人きりになっていた
そういえば、いろいろあってこうやって二人っきりになったのは久々でした
私も先生も何を話していいか切り出せなかった
「「・・・」」
「「あの・・・」」
二人同時にぴったしに切り出す
「海路君からどうぞ!」
「先生からどうぞ!」
「あの・・・先生。」
ふと顔を覗き込んでしまう
すると先生は照れたように少し顔を背ける
「ちょっとだけ顔見てみたくって」
「覗き込まれると照れるよ」
「田村さんと鈴オーナー見てるといいなって」
「んー、私は平凡ですよ」
「そんなこと無いですよ。色々な場面でカッコいいです」
「何か告白にも聞こえてしまいますが」
「あ・・・」
そしてわずかにまた沈黙・・・
「先生、ちょっとだけ胸かりていいですか」
私は先生に抱きつき、ふと泣き出す
「どうしたんだい?」
「先生。ちょっとだけ・・・」
「ああ、いいよ。疲れたのでしょう?」
「ありがと」
私は先生にその後癒してもらった
「海路君」
「んー、はるかって呼んでください」
「じゃ、はるか」
「じゃ静雫さん」
「ちょっとそれは照れるよ」
「ずっと呼んでればきっと慣れます!」
「先生ってのも緊張したのに海路君も疲れるだろう?」
「静雫さん、は・る・か!」
「はるか、照れるよ」
「静雫さん。好き・・・」
と、らぶらぶなしぃんをぶち壊すように
再びドアが開いた
「早速頼みたい仕事なんだけど・・・
ん?なんか不服そうね。
ラブラブのトコ邪魔しちゃったかしら?」
そう、鈴オーナーが帰ってきたのだ
(ええ、凄く邪魔だったわ)
「そんな事無いです、それより今度の事件は?」
あと後考えると
多分このときの私の口調は無機質な感じだったんだと思う
「犯人を追って欲しいのですが、どうも危険な香りがするのよね
旦那に頼みたかったけど。その間家事しなきゃいけないし
ということではるかちゃん、お願いできる?」
「ええぇーーー?
しず・・・、榊原先生ではなくって?」
「しー君は別のお仕事を頼みたいし。
はるかちゃんもだいぶ慣れたでしょ」
「わかりました。鈴オーナー任せてください!」
「そうと決まったらここで待ち合わせね」
そういうと、鈴オーナーは手っ取り早く
近くのタクシーを捕まえた
「運転手さん、ここの現場までこの子を運んで」
そういうと、タクシーチケットを運転手に渡すと
鈴さんはタクシーのドアを閉めた
私がタクシーに乗り込むと
タクシーは違う方向へと走り始めた
「運転手さん、そちらは目的地と違う方向じゃ」
「そういえば、お嬢さん紹介が遅れました
私、俗にいう人攫いでして。」
乗ったタクシーでいきなりこれ。
私は降りようと走行中のタクシーのドアを開けようとするが
まったく動かない
「助けて!」
私は助けを呼ぶがそのままタクシーは走り出してしまった
そして1時間後大きな揺れとともに
タクシーは止まった
そこには静雫さんがいた
「たまには、私も外にでて動かないとね」
そういうと、田村さんや鈴オーナーのような
俊敏な動きではなく
動きがゆっくりとそして力強くタクシーの運転手を引きずりだした
そして、私を逃がすためにタクシーに乗り込む
「体力無いのに無理しちゃって。」
私は運転席の静雫さんの額に優しく口付けをした。
静雫さんが目を開けた瞬間に私の顔があるものだから
狼狽しちゃって。
まぁそんな顔も可愛いんだけどね
事故だけは起こさないでね
わたしと静雫さんが頭脳労働者だとすると
田村夫妻は肉体労働者な感じで
進路と退路の追手を見事に裁いてくれる。
そうして、人攫い一味は逮捕された
シーンLAST『出発』
新たなる依頼。
それは静雫さんへの依頼であった
海路はるかの亡命を手伝ってほしい・・・と。
私は一瞬目を疑った
「海路君、いや。はるか準備はできたかい?」
「はい、先生。」
「この事務所から、今日旅立つのですね」
「私はいったことがありますけど、はるかは北の地は初めてですよね」
「こういう形で離れるとは思いませんでしたわ」
飛行機は雲へ飛び込み
そしてあっというまに降下し
北の大地へと降り立つ
「先生・・・、すごい白さです」
「あれが雪さ、東京市や七日市でだとそこまでは振らないからな」
お迎え・・・?
はじめまして、私は港川霧生(みなとがわきりゅう)
榊原様、海路様お待ちしておりました。
北の政府の都市神川へようこそ
要人専用の通路へどうぞ
いま、空港も危ないですから
そう行って通路に入った瞬間
後ろを振り向くと乗ってきた飛行機が爆発していた
そして横を向くと港川さんはその場に倒れ
私たちの後ろには
レヴィちゃんが血まみれでその場に立ち尽くしていた。
港川さんの血を浴びたレヴィちゃんは
その目は赤く、そして無機質な表情であった
血が怖いのではなく、ただ何かこの一瞬でロボットにでもなったかのようだった。
Color Red If
港川さんが握りしめていたメモ書きには
3つの文字が書かれていた。
そのメモを静雫さんは取ると、あわあわしてる私とレヴィちゃんの手をとり空港の外へ出た。
空港では青い眼の少女が立っていた。
「ふむ、ご苦労」
そういい、レヴィちゃんをタクシーに乗せ謎の少女は去っていった。
私と静雫さんは先生の用意してくれた屋敷に移動し、そこから新たな生活が始まるのでした。
アナタハワタシヲに続く。