第零話 逃亡

0-3 脱出前夜


夢・・・


「燐(りん)、卒業おめでと」


「父上、母上。ボクがんばったよ。」


どこかの学校の門で少女と両親の声


「燐はん、ワイのりょうりもすてたもんじゃないやろ

海(うみ)のスペシャルセットや」


「うん、ボクが料理するよりおいしそうだよ」


「・・・燐はんは台所禁止。」


海少年と燐少女の会話


「雷(らい)ちゃん。プレゼントこれは前の世界のお守りです」


「ありがと。」


「やっと話してくれたね、ボク嫌われてるかと思ってたよ」


「燐、嫌いじゃない」


無口な少女に話しかける燐少女


「ずっと待ってたんでしょこの先は雷ちゃんの目で・・・」


「燐、危ない・・・」


「さようなら」


「違うでしょ

また、でしょ。」


燐は微笑みながら雷の背中を押す

通路の研究員に殴られながらも道を譲らない

ほんの少しの時間稼ぎにしかならない

それでも十分だったと思いたい


「・・・ナ」


ん?


「レヴィーナ!」


「はい!」


私は起こされているのに気付いた


「今日も訓練だ、すぐおきて実験棟に来ること

実験棟は昨日と同じ場所だから覚えているな」


違った。

これが現在。


記憶の最後の研究所よりもっと小さな場所に私はいた


ライナが起こしてくれると思っていたが今日は違う女性であった


「名前は?」


私が尋ねても


「そんなのは関係ない、使える立場になってから聞くんだな」


と冷たくあしらわれた


まだ昨日のライナのほうが良かった感じがある


私は実験棟につくと後ろから突如蹴られ

部屋に押し込められた


むぅ・・・


少しイラっとする。


今度の訓練は剣で標的を壊していく感じであった


ちょうどストレス解消にはいいかなと思いながら

飛んでくる箱を剣で叩き落す


昨日と違うのは最初から手加減が無いこと

逆に殺意みえみえの量の箱が飛んでくる

とはいえ、昨日に比べ明らかに殺意のあるものが飛んでくるので

簡単に叩き落せた

叩き落すの失敗するとどうなるのかな・・・?

やっぱり遊び心でそう思ってしまう

一撃をわざと食らってみると強力な酸が服を溶かす・・・


(やっぱりまじめにやろっと)


わざと当たるのは一回限りにすることに決めた


良いストレス解消をして、私は部屋に戻った。


「レヴィーナお帰り。」


自室には料理とともにライナがいた


「少しは上手くできてる・・・?」


夢の海少年の料理のように

おいしそうな食べ物がたくさんそこには並んでいた


「ボク、いや我も70年も練習すればね・・・」


「ライナ、貴女が燐?」


「レヴィーナやっぱり、記憶はかすかに・・・。

いいえ、違うわ我はここで生まれた実験体

貴女も実験体の一人」


「実験体って・・・」


「ここは研究所。連合政府と南日本とが戦ったときの名残の地

森の中にあるから通称フォレスト

70年前に実験体から逃げられたとある教授がつくった研究所

本人は踏みにじってきた者の一人に殺され

今はその孫が取り仕切ってるわ

その孫も燐と雷という少女のせいで実験が60年遅れになり

ゆがんでしまったけどね

ここの研究所では年をとらないの

70年前の光景がそのまま。

我もまだ16。

決して86では無いわよ

16才の少女。

大切なことだから2度いうわよ。

それにしても、復活してよかった。」


「70年・・・、そんなに私は寝ていたんですね」


突拍子も無い話であっけにとられるしかなかった

ぽかーんと口をあけて聞いているといるそんな気分であった


「でも、大丈夫。我が今度は助ける番

この仮面にかけて」


「食べるときぐらい仮面はずしたら?」


私はライナに勧めるが、ライナは恥ずかしそうに


「火傷がひどくてはずせないんだ」


と、とってつけたように話す


「どうせ、読み物の定番だとすごい美女なんでしょ」


「そ、そんなことは無いぞ

それより、起きてからすぐで悪いが

ここを出て行ってもらう

70年もいた我がいうのもなんだがいつ殺されるかわから無い」


「それにしたって、行く場所が・・・」


「探偵事務所榊原。

16年前殺された海路議員の娘も住んでいるという場所だ」


「16年前・・・。昨日じゃ・・・?」


「言うのを忘れておったが、

レヴィーナ、貴女は復活当日の昼に寝入ってから16年寝ていたぞ」


「昨日のように感じるけど・・・」


「それはそうだ、実験体Rの特性だからな

必要なときに起こされ、必要なときに寝かされる

ただ、我はレヴィーナが殺されないように

監視しなければいけなかったからな

70年、こうして料理の練習をしてまっていたのだ

やっぱり、人は年月をかければ苦手が克服できるのだと改めて感心したぞ

それにな、外の世界はいいぞ。

自由に着こなせるし。

海路総理の娘は事務所ではメイド服とやらだというしな

うらやましい話だ」


「私よりライナが脱出すれば?」


「我はここにいなければならない

うん、過去の清算とやらだ

それと、貴女の意識を少し閉じるわ

正常な状態でだとすぐレーダーにつかまるから

探偵事務所榊原につくまでは薬を飲んだ危ない状態だから」


「ちょっと、それって・・・」


「大丈夫。カモフラージュの時間だけだし」


「じゃ、またね。」


そういい、ライナ料理を少し残し

部屋を出て行った


それにしても、突然の話であった

おきて2回目にいきなり家を追い出されるという

そんな場面なのだから

しかも家には殺人鬼がごろごろいるのだからという


とりあえず、私は明日ここを出発する


新しい世界のある探偵事務所榊原へ向けて・・・。


小説フォレスト

第零話 逃亡 0-4:レヴィーナへ