小山田圭吾氏と百人斬り裁判 | ゼロ・マイナス5分

小山田圭吾氏と百人斬り裁判

この本買いましたが、大方あの時見ていたとおりなんですが、著者が炎上の旬を過ぎた後に当事者証言を聴いて集めて裏とりしていて、南京事件の百人斬り裁判的な趣がありますよね


戦時中に記者に取材された将校がウケ狙いで「百人斬り競争」とか与太話で話したら、内地で盛り上がっちゃって大人気になり、取材を受けるうちにどんどん殺害数が増えていって、敗戦後にGHQに捕まって記事を証拠に戦犯として処刑されてしまうやつ。


枝葉の議論で日本刀の殺傷性能についての議論が発生して、百人斬れる斬れないで山本七平や司馬遼太郎が参戦してくるんですが、はっきり言って不毛です。

南京事件否定派が司馬遼太郎を引いて「日本刀は何人も切れない」と言い出せば、「粗悪な軍刀だから切れないだけで、真正の日本刀なら切れる」とか左翼方面が言い出して、南京事件は否定しないけど日本刀は切れるよ派が「江戸時代以降の新刀や昭和刀は粗悪だが室町時代の古刀や一部の名刀なら切れる」とかずっとやってる。

軍隊には修理班が随行してるので、武器は修理しながらとっかえひっかえやるから切れ味や耐久性は関係ないし、戦争に行けば戦闘や残虐行為は避けられないし、兵士なら誰しもやってることではある。

問題は戦場の残虐行為を自慢話にしたこと、それを英雄として祭り上げてしまったことです。

それで死刑が相当かというと、もてはやした日本人全員死刑になってしまうけど。


実戦で切れ味と耐久性で最も優れていたのは、粗悪の代名詞にされている昭和軍刀の興亜一心刀です。通称満鉄刀。

全員間違い。



小山田氏の記事が本当に言いたいことは、与太話を誇張して記事にまとめた奴にも責任あるだろオメーだよ、ってことなんですが、はっきり書くとその人も火刑台に引きずり出すことになるので奥歯にものを挟み込んだ状態ですんドめしていますよね。


正直インフォデミックとして全部ネット社会のせいにしていた先行の本より、小山田氏から「私が露悪的な語り口でインタビューに答えてしまったのは事実ですし、それを長年放置してきたのも自分なんです。だから誰かが悪いのではなく、自分が一番悪いのだと思います」と引き出した点で圧勝しています。

インターネットのあるなし関係なく、人々の梶原一騎的なおもしろ講談志向が核心なので。

面白ければ正義、数字がすべての多数決っていう。

だいたい『吉原百人斬り』だって実際に斬ったのは数人だけどウケが良いから百人斬りになってるくらいで、江戸時代からこんなんですよ。


小山田氏もその時はそれでシブヤ系オサレPOPからキャラ変して、露悪サブカル界隈に祀られて虚構から利益を得ていたので、東京オリンピックで高いつけを払わされたということで仕方ないところはあるんですが、小山田氏をダークサイドの暗黒卿に祀り上げた人はこの先も不発弾を抱えたままになるので、どっちが最悪かといえば小山田氏のほうがマシではあります。

小山田氏は問題の核心について認識して反省したんだから、この件は完全に終わり。


メタルでもありますよ。あのバンドは教会に放火したらしいとかそういうイメージで売るの。

っていうか『デトロイトメタルシティ』の虚構の帝王クラウザーさんの中の人・根岸がコーネリアス風なのって一面の真実ですよね。

クラウザーさんの予言が的中したんだーっ!!


百人斬り裁判もそうですが、おだてられて時局に乗ってリップサービスすると、突然手のひらクルーで地獄に落とされることがあるので、変にウケを狙わないことと自分の情報コントロールを誰かに預けないことが重要ですね。

自分の手綱を他人に渡すな。


何で急激に小山田圭吾バッシングが収束したかといえば、2022年のバレンタイン事変で『美女ゲーマー(当時)』の谷加奈さんにターゲットが移ったからです。

谷さんのリアルタイム配信の視聴者にはスポーツ新聞の記者がダマで紛れているので、言葉とネタには気をつけてほしいです。

谷さんも人にサービスしようとして、思ってないのに相手の望んでいることを言ってしまう癖があるので。 


小山田さんは、割と歌の上手い谷さんと『バレンタイン事変』とかユニット組んで音楽活動したらいいんじゃないでしょうか。

東京事変のパクリみたいでだめか。


通りすがりからは以上です。