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知られざる海の音速拳
海中最速最強の拳法家をご存知だろうか。
水中音速拳の使い手。
シャコである。
あまりに恐ろしい速度で突き出される拳圧により、海水がキャビテーション現象を起こして気泡が発生し、拳が発光するという。
その原理は龍書文の抜拳術に似ている。
愚地克己は音速を超えた己の拳の衝撃波で腕を失ってしまったが、シャコは衝撃を吸収するグローブを生まれつき備えている、まさに生まれながらの拳闘士なのである。
エビは蹴り足を後退して逃げることに使うが、シャコは魚雷のように突進するために使う。
しかも攻撃しないときは祈るように合掌しているという信心深さも併せ持つ。アレキサンダー南無かよ。
戦い敗れて死ぬと、自分の体を溶かしてしまう敗北即自決のニンジャ的性質も持つ。
シャコが刺し身で食べられないのはそのせい。
手のひらサイズのシャコのワンパンで甲殻類の分厚い甲羅を叩き割り、釣人やダイバーが骨折するくらいなので、リアルシャドーで体長2mのシャコと対戦したら、カマキリ以上に恐ろしいことになるだろう。
異種擂台祭があればシャコ海王としてエントリーしたいくらいである。
ネタ的には『異世界烈海王』より『巨蟲山脈』のほうかもしれない。
シャコはまだ伝説や神話になってないしね……。
パチンコ海物語には出てくるけど。