ヒーロー研究・異類婚姻譚
異類(異界)婚姻譚は物語の基本類型の一つで、結婚から恋愛や契約に形を変えて廃れることなく現在も健在だ。
さえない男主人公が美少女となしくずしに共同生活することになってしまうパターンの作品は大なり小なり異類(異界)婚姻譚の要素を持っている。
男性のヒーローと言うよりは、異能を持つ美少女ヒロインが実質的主人公の作品に多い。
異類(異界)婚姻譚系統の古典
『人魚姫』、『浦島太郎』、『かぐや姫』、『夕鶴』、『雪おんな』、『天女の羽衣』等
異類婚姻譚の末裔
『うる星やつら』、『ああっ女神さまっ』、『3×3 EYES』、『ちょびっツ』、『Fate/stay night』、『灼眼のシャナ』、『ゼロの使い魔』、『いぬかみ!』、『舞-HiME』、『円盤皇女ワるきゅーレ』、『崖の上のポニョ』等
※1エピソードとして使われるケースを加えるとさらに増える。
『ハヤテのごとく!』(天王州アテネ)
『聖闘士星矢』(ポセイドン編テティス)等
昔話の異類婚姻譚と違うのは、物語冒頭で命を共有するなど男女が一蓮托生の関係となってしまうというパターンが多いこと。
この要素がどのあたりに起源があるのか適当に決め付けると、『ウルトラマン』が思い出される。
『ウルトラマン』は『かぐや姫』と『桃太郎』の要素を持っている異界の者である。実際、『ウルトラマンA』の南夕子は月に帰ってしまう。
関係の維持に命が掛かっている点では、約束を破り老化して死ぬ浦島太郎や、相手を殺す雪女、両思いになるか相手を殺さないと泡になって消えてしまう人魚姫の系統としまういえなくもないのだけど、必須要素とはいえないので、異類婚パターンとは別口の追加要素と見たほうがいいかもしれない。
異類婚姻譚では、異界に属する女性の側から利益や加護がもたらされるとともに、意味があるようでないような禁忌が言い渡され、人間側がそれを破ることで一転して罰を受けたり、別離などの結末を迎えるのがセオリーになっている。
禁忌は、破ることによって異界との縁が切れ、日常に帰る「安全装置」にもなっているのだけど、最近の傾向ではヒロインの属する世界が現実世界を飲み込んでしまい、不可逆的に異世界化してしまう事が多い。
ヒロインと別れなくてもよくなるかわりに物語が終わらなくなり、劇中時間がまったく進まなくなる、まさに竜宮城状態である。
異類婚姻譚は、その結末に釈然としないことが多い。